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『Weapon・Infinity・Online』  作者: 三日月
《Forest of red 》
6/19

◆6◇

スキルなどの細かい話です。面倒でしたら飛ばしてもらってもOKです。

誤字脱字、その他意見などがありましたらご報告ください。

目を覚ますと、一日が経っていた。太陽は完全に昇り始め、大地を照らしている。まずい、少し寝過ごしたかも。今の状況だったら一分一秒でも惜しいはずなのに。


「さてと……」


まずは、アイテムポーチを確認しよう。きっと大蛇を倒したときに手に入ったアイテムが入ってるはずだ。戦闘が終わると自動的にポーチにしまわれるので、拾う手間が省けて助かる。

ポーチといっても基本的にはデータなので、取り出すとき以外は小さく保存されている。出すときはディスプレイをポーチの画面に出して選択すればOKだ。


「うおっ、凄い……」


ポーチの中には最初の村で買った回復薬や毒消し以外に、見たことのないものが入っていた。


『所持品:

 消費アイテム《回復薬》×10《毒消し》×3《スタミナ薬》×3《大蛇の巨肉》×2

 モンスターアイテム《大蛇の鱗》×2《大蛇の皮》×3《大蛇の牙》×4《大蛇の瞳》×1

 装備アイテム《蛇眼のピアス》

 緊急アイテム《復活の種》×2                         』


モンスターアイテムってのは村や町などの鍛冶屋に渡すことで武具を生成できるようになるアイテムだ。

今はそういった需要がないからいいけど、後々必要になってくるはずだ。大事に持っておこう。


緊急アイテムの《復活の種》っていうのは、もし万が一にも死んでしまったときに体力を半分まで回復させて復活できるというアイテムだ。自分のLvより遥かに高い相手と対峙するときにおいて、このアイテムは必須だ。絶対に無駄にはしたくない。ゲームオーバーになったら現実でも死んじゃうし。


次にこの《大蛇の巨肉》ってのがありがたい。このゲームは空腹まで再現されているから、食べる物がなくなると栄養失調などで危なくなる。つまり何も食べないと死んでしまうのだ。


そして装備アイテムの《蛇眼のピアス》だ。装備すると防御力が+30され、さらに相手に攻撃する際に一定確率で毒を付与させるという物だった。でも、ピアス一個でどうして防御力が上がるんだ? ありがたいけど意味がわからん。


「さてと、アイテムはこんな物か」


そういえばさっきアイテムの説明を見てわかったけど、あの大蛇『デススネーク』っていうらしい。詳細説明を見ると牙には猛毒があるんだとか。いや、咬まれる前に倒せたからわからなかったけど。


「次はスキルを見ようかな……」


スキルとは、スタミナを使用して使うことができる特殊行動みたいなもので、色々と状況が揃うと自然に習得できるものである。これなくしてこのゲームはクリアできないだろう。


スキルはある特定の行動をすると習得できる物、武器を使い込んで習得する物、特定の敵を倒すと獲得できる物の3タイプある。


ある特定の行動をすると習得できる物については、Lvアップなどが含まれている。さっき手に入れた《ステップ》と《二段ジャンプ》はこのLvアップによるものだ。

他にも例を一つ挙げると、これは父さんに教えてもらった物だが、ゲーム内で十万歩以上歩いた者には『速度+1』というスキルが付くらしい。何でも走る速度が微妙に上昇するのだとか。便利で使い勝手がいいスキルを習得しようとするほど、そのスキルを習得するには時間と手間がかかるのだ。


武器を使い込んで習得できるスキルは武器によって異なり、これもLvアップが関係している。俺は双手太刀を装備していたから(失くしたけど)、《スラッシュ》のスキルを手に入れた。他の武器だったら違うスキルだっただろう。


ちなみに武器を使っていると上昇するステータスがあり、それを熟練値という。それを上げることによって常時発動パッシブスキルが付いたり、その道を究めた物しか手に入れることのできない特殊スキルを習得したりと様々な良いことがある。


敵を倒すと本当に稀に特殊スキルを習得することがある。これらのスキル入手することは困難なので、強力な物が多い。それは敵の能力が高ければ高いほど良い物が手に入るんだとか。大蛇を倒したときに手に入れた《蛇睨み》と《探知》がそれに当たる。今回は運が良かったのか、一気に二個も手に入れられた。


「効果を見てみると、結構良い物がたくさんあるな」


今、武器がないこの状況で《隠蔽》という敵に見つかりにくくなるスキルは嬉しい。後で探しに行く羽目になるからな。敵に見つからなければ戦闘をしなくて済む。《二段ジャンプ》っていうのも役に立つ。さっきの青い虎とかから身を隠すんだったら、木の上がいいだろうしな。


俺はスキルの次に、勲章というものに目を付けた。


「勲章ってのは……ああ、そういうものか。なるほど」


勲章とは手に入れた時点から効力を発し、ステータスに様々な影響を与えるものだ。入手方法はスキルと大体同じだ。


「それにしてもこの《逃走王》って称号……もの凄く不名誉だな」


《逃走王》のスキルはすばやさを上げ、戦闘からの逃走を成功させやすくするものだ。入手方法はモンスターの集団からうまく逃げ切ることと、自分よりLvの高いモンスターからの逃走を試みることだそうだ。……逃げてばっかりだったし、しょうがないか。


《無謀の極み》っていうのは、自分よりLvの高いモンスターと闘い、勝利すると手に入るそうだ。攻撃力が増加し、自分のLvより高い相手との戦闘で怯みにくくなるのが特徴だ。大蛇の体力を減らしたのは俺じゃないんだけど……まぁ、貰えるものは貰っておこう。


《幸運》は良い事が立て続きに起こると取得できるものらしい。効果は全体的な運が向上するらしいけど……全体的な運って何? というか、それ以前に今は不幸しか起きてないんだけど。


《全力投球》は文字通り、投擲のスキルを助長するものだ。自分の全力を出して物を投げると手に入る。……このスキルって、必要か?


《大蛇の加護》は大蛇を一人で倒すと貰えるもので、毒状態になる確立がかなり下がるそうだ。かなり便利だな。虎のおかげとはいえ、これを手に入れられたのは運が良い。使用すると状態が毒になる食べ物もあるらしいし、これは必須スキルだろう。


「後は……うん? なんだこれ?」


最初にステータスを見たときは何も変わりがなかったが、Player skillという見たことのない場所に《総技の始祖》と新しく表示されている部分があった。


「プレイ始めに見たときは《???》だった所か?」


ヘルプと同期して検索してみると、それはプレイヤースキルだということがわかった。

プレイヤースキルとは10万人のうち一人一つずつしか持つことのできないスキルで、個人によって効果が全て違う。最初のLvアップで手に入れることができるようで、個人の特徴のようなものだとか。


俺の《総技の始祖》は……『普通のプレイヤーよりスキルが入手しやすくなり、?????……』と書かれている。…………何で中盤から全部?マークになってるんだろう。イジメか?


「でも、進めていくうちにわかるようになるかもしれないし、今回はノータッチで行くか」


まぁスキルが習得しやすくなるスキルなんだろう。それはそれでありがたい。でも他の人はきっともっといいスキルだったりするんだろうなぁ……


「……よし、少し大変だろうけど失くした武器を探しに行くか」


このテンションを払拭するには行動を起こして忘れるしかない。

大体のスキルもアイテムも確認したし、ジッとしてるのも性に合わない。危険を承知で落とした武器を探しにいこう。

俺は細心の注意を払いながらキャンプから出たのであった。


☆★☆★☆


「それにしても、何で俺はこんなところに来ちゃったんだろうなぁ?」


武器を探しつつ、何故このような場所に行き着いてしまったか俺は考えていた。この場所は結構Lvが上がってからじゃないとクリアできないはずだ。そのような場所になんで俺が来れたのか……


ここに来る可能性は二つある。


一つ目はバグだ。何らかのバグによって俺はあの崖より先のステージ、紅の森に行ってしまったのだ。これは正直考えにくい可能性だが、あり得なくはない。


二つ目はもともとそういう仕様だったか、だ。崖から落ちて運良く生きていられると辿り着けるとか、そういった感じだろう。これなら今の俺の現状にピッタリだ。


「てことは、ここは隠しステージか何かなのかな……」


だとしたら厄介なところに来てしまったな……

助けが来るのを待っていてもいいが、その頃には本当のお荷物になっているだろう。ここでLvを上げつつ、帰る方法を探すのが妥当なところだよな。


「……それにしても、俺の武器見つからないなぁ」


先ほどから既に小一時間ほど経っているが、武器が見つかりそうな気がしない。

スキルの《察知》のおかげで敵の大体の位置を把握することができるので、敵と遭遇することはなかった。しかしながら依然として武器は見当たらない。何処に落としたものか……


「あ、よく考えたらここ、虎と遭遇したとこだ」


気が付くと青い虎と出会ってしまった大きな木の場所に来ていた。そういえば、ここに落ちてきたんだっけ。もしかしたらこの辺りにあるかもしれないな。


「よっと……おっとっと」


虎が薙ぎ倒した木の上を渡る。木が倒れたおかげか少し見晴らしがよくなっている。さて、少し探してみるか……

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