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『Weapon・Infinity・Online』  作者: 三日月
《Prologue》
1/19

◇1◆

こんにちは、三日月です。

誤字脱字、意見等がありましたら報告お願いします。


そして、暖かい目で見てくれると嬉しいです。

現代の科学技術は二十一世紀と比較して、多大なる成長を遂げた。


車や電車、船や飛行機などの乗り物には『MVSモーターバイオシステム』という新技術が搭載され、前世紀で問題となっていたCO2などは既に過去の物となっている。


電力の生成方法なども日本で起こったあの事件がキッカケとなり、今は核を使用した発電の方法は取られていない。それに代わって今世界で一番主流となっているのは太陽光発電である。昔のように貧相だった発電量も技術の進歩もあってか今や核を凌ぐほどの発電量を誇っている。


通信技術も発達し、今では世界人口の約九割がインターネット環境、もしくは自前のパソコンを持っているという現状に至る。一番驚かされたのは二十一世紀後半に打ち出されたインターネット無料化計画。当初は反対され続けていたが、世界各国で支援や応援、デモなどもありこれを実現させることができた。今では洞窟や富士の樹海、深海4000mまでネットが使用可能となっている。


最後に、娯楽である。人間は人生に余裕ができると、娯楽というものに走るという特徴がある。これはどの時代においても言えることである。しかし、問題なのは中身だ。二十世紀に発売されたファミコ●などは既に化石に等しく、今では現存するものがほとんどないので博物館行きだ。次々と発売される製品やソフトに対応すべく、様々な企業は商品を売ろうと切磋琢磨してきた。そして、これ以上の物は出ないとされる逸品が発明された。


QVSクイーンバーチャルシステム』だ。製作者は日本の秋葉原などで「オタク」と総称される人々らしい。なんでも、専門技術を持ち合わせた人たちが大量に寄り集まって開発されたとか。普通の一流企業などは雇用などの限界によって、このようなシステムを作るのに少なくともあと数十年は必要だったそうだ。しかし、それを彼らは僅か三年で試作、バグや改良意見の発議、改良を済ませて正規品として企業に売り込んだらしい。この申し出を企業は承諾、それに合わせたソフトなどを同時に発売した。


そして今では自分が実際に見て、感じて、触れて、といったリアリティの追求によって最初の正規品とは比べ物にならないほどの能力を秘めた『KVSキングバーチャルシステム』が完成した。これによってゲームの世界は今や、現実リアルの世界とほぼ同等の、いや、それ以上の価値を持つものとなった。


そして、このシステムを他の物と掛け合わせた実験が行われようとしていたのだった……


★☆★☆★


「―――へっ? 父さん、今なんて言ったの?」


疑問をぶつけた相手は少し黙った後、こう言った。


「だから、お前に最新技術の試作品を体験して欲しいんだ」


兄と誤認してしまいそうなほど若い美貌を持つ、うちの父親がそう言った。

俺の父さんは日本や世界などでも有名なゲーム会社、『THE EARS』の開発部の者だ。ちなみに、その開発部は世界で初めて『KVSキングバーチャルシステム』を開発したとされ、有名である。

それで父さんが言うには、今度の実験で世界初のことが行われるらしい。まだ説明は受けていないが。


「ネットとバーチャルの融合だって? それは、具体的に何がどうなるの?」


何でも今開発中のものは、既に現代に侵食しきったネットに改革を起こすものらしい。普通に他のプレイヤーと競い合うようなオンラインゲームのようだが、それをバーチャルで行えるようにするというものだそうだ。ちなみにこれは自己解釈だからあっているかどうかはわからない。


「だから、実際にネットの中にお前をぶち込むって作業なんだけど…」


「ゴメン、言ってることがよくわからないよ」


それは生身の人間を二次元とかその辺りの平面空間に入れるということか? 俺はプレス機かなんかで圧縮されてしまうのだろうか? なんと恐ろしい。


「うーん、じゃあもっと簡単に言うとだな…」


「うん」


「まずお前の人格形成データや記憶データ、その他の脳に入っている経験や筋肉信号なんかを機械に読み取らせて、お前の意識をネットの中にデータとして存在、共有させるっていうことだ」


余計に混乱した。


「ゴメン。一般常識人パンピーの俺には何がなんだか…」


「まぁ、やってみればいいって。絶対危険なことはしないからさ」


「そこまで言うなら参加するけど……」


「そうか! なら明日の午後九時にここまで来てくれよ。それじゃ、父さんはまた研究所ラボにもどるから」


「えっ!? あー……うん、わかったよ。」


俺は親に手渡された地図と思しき紙を呆然と握り締めてその場に立ち尽くした。

こうして俺は父さんに言われたとおり、その研究に参加することにしたのだった

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