#9
はぁー。
私はため息をつきました。
当てにしていた書物からの効率のよい情報収集はさすがにむりか・・・。
そういえば、この第三王子様に接触を図るのは、頭よくない?
「えーっと、そこのおーじさま。」
びくっと、第三王子の体が動いた。
えー。
なんですか、私そんなに嫌われてんの?
軽くショック・・・。
「別に、そういうわけではないっ!!」
突如第三王子がしゃべりました。
え・・・なにコイツ。
地の文まで丸見えなん?
ちょ。こまるわね。
「―封鎖―」
これで、大丈夫?
あ、うん。大丈夫かな。
「えー、王子様。
こほんこほん。
うーんとね、この通り私はまぁ異世界から召還され散った、
かわいそーでかよわい女の子なわけですわ。
だから、この世界の常識なんぞが通じない私にいろいろ教えてくんね??」
くっそ。
もっと対人スキルを上げておくべきだった!!!
ろくに学校も行かずに(俗に言う不登校である)、
家でだらだらネトゲとギャルゲなんてしてるからかぁ・・・。
自業自得????
でもでもでも!!!
もともと私がありえないはずのこんな世界に召還されちゃったのはあれよ。
神様のせいだぁーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
「くそっ。今度会ったら殺ス。」
思わずつぶやいた私の剣幕に圧倒されたのか、
王子様はコクコクと頷いてくれた。
そして重たそうにその口を開いた。
「俺のことは、名前で呼んでいい。
じゃあ明日、第23執務室。」
なんか、無口っつーより根暗?
顔はイケメンなのに、根暗??
「ありがとう、レンバルト・・・さん?」
私は戸惑いつつ、名前で呼んでみると、うら若き少年は、
顔を真っ赤にして去っていった。
「つーか、今絶対、フラグ建ったよなぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」
こんな高感度上昇意味ないっすよぉ!!
そして私は急にふらっと着て、その場にばたっと倒れてしまった・・・。