#8
とりあえず国王の謁見(?)は終わったみたいです。
さて・・・。
これからどうしようかな。
なにが理由でここに飛ばされてきたのかもわかんないし(世界を救うとか抽象的すぎだしー)、
情報収集から始めないといけないね。
そういやイオ、どこ行ったんだろうか・・・。
まぁとりあえず帰ろうぜ!
☆☆☆☆★
私はさっきあてがわれた着替の部屋の扉を開きました。
すると、着せ替え人形にされている哀れな使い魔がいました。
これはびっくり!!
だってイオ君が着用しているものが
いわゆるメイド服だったんですもの!!
「ますたぁーーーー!」
涙目で私を見つめる使い魔と、満面の笑みのメイドさんたち。
双方を見渡して、私は無言でメイドさんたちに指をつきだしました。
ぐっじょぶ!と。
「まっ、ますたぁー・・・?」
ごめんね。
「すっごく、似合ってるよ?」
鼻血が出そうなので、そろそろ退散しましょうか。
そしてこっそりとメイドさんに耳打ち。
「いいのがあったら、とっておいてくださいね。」
それは主人からの着せ替え人形としての使用許可でした。
☆☆☆★☆
外に出ると、第三王子が扉の外にいました。
まぁ!なんたる偶然でしょう。
・・・。
もしかして、私、フラグ建てた?
いやいやいや。
その可能性は否定!!
この王子様は国王様から『漆黒の乙女の面倒を見よ』っていう命令がでているんだもの。
「ついて来い。」
そういって私が連れてこられたのは、超☆巨大図書館でした。
「ここには、この国のほとんどの書物がある。
この世界の歴史についての本も沢山ある。
自由に使っていい。」
えーっと、この男の子は私が全然この世界のことを知らないことを心配してここに連れて来てくれたわけか!
意外に気が利くんだねぇ。
「ありがとう、ございます。」
くるりと第三王子に背を向けると、私は呪文を唱えました。
「―召還―」
すると、ぽんっとかわいらしい音をたてて精霊さんたちがたくさん飛び出してきました。
『おとめだー!』
『ほんとだー!』
『まさか、こんなちんけなとこにいらっしゃるとはー!』
『やっほー!』
ここにある本の数だけ精霊さんが飛び出してきてます。
「これは・・・?!」
後ろにいる第三王子もただならぬ力の大きさを感じているのかもしれないですね。
「私に、貴方たちの知識を授けてほしいの。できる?」
精霊さんたちは少し考えて、こういいました。
『ざんねんだけどー』
『それはできませんー』
『ぼくたちのちからはー』
『とてもおおきいですー』
『おとめはひとのみにあるからー』
『ぼくたちをうけいれられるだけのー』
『すぺっくがないのですー』
『それにー』
『ぼくたちがかたるのはー』
『かならずしんじつとはかぎりませんー』
精霊さんたちはすこししょんぼりしています。
『おやくにたてなくてー』
『もうしわけないのですー』
「ううん。ありがとう!」
私は図書室を後にしました。