#14
どうやら幼馴染は変態さんのようです。
・・・。
ねぇ。
いま私、キスされた?
うん。キスされた。
誰に?
昔の片思いの相手に。
そこまできてパチン、と目が覚めました。
私たちの間になったピンク色の空気なんてもう関係ありません。
とりま、抹殺しようか。
そう思った瞬間、足が男性の急所をごーんと蹴り上げました。
「イッターーーーーーー!!」
少年は、叫ぶ。
そりゃ、痛いだろうよ。
オトコの体の中で一番びんか(ごほんっ。)
「ざまぁみろ。私のファーストキス奪うからだ。」
「未依って俺のことすきだったんだろ・・・って。まじ?
未依、初めてだったの?」
これ、お前私のこといくつだと思ってんだ。
中2だぞ?14だぞ??
引きこもりだぞ?
これは云ってて悲しいわ。
もちろん、二次元でならあーんなこともこーんなこともあれだけどww
「じゃあ俺は未依の初めて、もらっちゃったんだ。」
ちょ、勘違いされそうな言い方するな。
ちなみにアンタだって・・・。
「俺?俺はもうすでに童貞卒ぎ「はぁ?」」
私はその一言でぶちっと何かが切れたのを確認した。
煩いな。こんちくしょう。
人を弄んでんじゃねぇ。
こっちはテメェのせいで引きこもりなんだ。
ネットしてアニメ見てゲームして通販行って寝る。
そんな生活なんだよ!!
とにかく【怒り】という感情が私を取り囲む。
どんどん私が真っ赤になって、真っ黒になっていく。
あぁ。私はどうなるんだろう。
『怒ってるの?』
そうよ。そうに決まってる。
『『だれに??』』
アイツに。ううん。私を取り巻いていた世界に。
『『『なんで???』』』
あの世界のせいで私は独りになったんだもの。
憎いの。世界が全部。
―だから、私は逃げたの―
『『『『じゃあ壊そうか????』』』』
壊すの?いいね。壊しちゃおうか。
全部まトメテ。
壊シテシマオウカ。
ワタシヲ阻ムモノゼェンブ。
コワシテー。
―だめだっ!!―
おっと危ない。
明らかなる厨2思考に奔ってしまった。
世界を壊したら、私の大切なコレクションが危ないことになってしまう!!!!!
それだけは駄目。
この命に代えてもそれだけはっ、守るのだ!!!
その刹那。
目の前に気絶した変態(幼馴染)が転がっているのを目撃した。
「私しーらないっ。」
そうだ。しばらくほったらかしにしちゃった伊織のところへ行こう。
メイド服とかナース服とかを愛でよう。
そして、少なくともいまは現実から逃れようよ。
ねっ。