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魔女と使い魔のバタバタな日々  作者: ルナ
モノローグ 1
3/39

モノローグ ~主になった訳~

 スピカ=ルーンは、村の近くの森で一人、暮らしていた。

親友であるリイラ=コルラッジしか来るものはおらず、

彼女は孤独な人生を生きてきた。依頼で薬や毒薬・惚れ薬を

作ったり、研究したり、人を殺す場合もあった。

 スピカは親友の言葉以外に耳を傾けることはなかった。

村人が何を言おうと、また依頼先で中傷ちゅうしょう

なげられようとも、無視を決め込んでいた。

 そんな彼女が、使い魔を欲したのは、あいにくさみしかった

からではない。リイラと、もう一人、仲良くしてくれる少女、

レティーシャ・エルト・モランの忠告を受け入れたからだ。

 愛称をレティという、このモラン王家の姫君は、スピカを

擁護ようごし続けるせいで、悪魔つきなどという悪評を

流されても、なかよくしてくれるのだった。

 使い魔の話が出されたのは、三日前、リイラと共に城のお茶会

に招かれた時のことだった。

「ねえ、スピカ。スピカって、使い魔とか弟子とかいないの?」

亜麻色の髪に黒い瞳、美人というよりはかわいいタイプのレティは、

くりくりとした目でスピカを見ていた。

「物語とかじゃね~。いつも何か手下とかがいるんだよ」

「手下、ねえ」

 好物のチョコレートケーキを頬ぼりながら、スピカは肩をすくめた。

「興味がないよ。私は一人でいい。リイラもいるし」

「かわいいこと行ってくれるわねー!!」

 そう言った後、スピカはリイラにぎゅうっ、と抱きしめられていた。

 不快ではないので、抵抗はしないでおく。

 リイラは大人びた少女だった。ブルネットの髪を最新流行の形に編み上げ、

オシャレなリボンをいつもつけている。

 スピカのツインテールに飾ってある、綺麗な星の髪飾りは、彼女が選んで

贈ってくれたものだった。趣味ではないが、彼女がくれたのでつけていた。

「でも、手下がいないと、悪魔的な魔女じゃないよ!!」

 ぷうっと頬をふくらませ、幼い姫は反論した。変わり者でもある彼女は、

スピカ同様、悪魔的な魔女に憧れている。

「あのねえ、別に悪魔的にこだわらなくても」

 あきれ顔のリイラ。キッと二人が睨みつけた。

「「リイラには分からないんだ!! 私たちの気持ちが!!」」

「ごめん……私が悪かったわ」

 リイラは思わず謝った。彼女たちが必要以上に悪魔的にこだわるのは、

見た目も影響しているのだ。レティはまだ八歳なのでこれから見た目も

変わるかもしれないが、スピカはこれ以上成長できない。

 十五歳なのだが、十歳ぐらいの見た目と背をしているのだ。

それは、リイラのせいでもある。リイラが呼び出してしまった悪魔と

取引をし、魔女になったせいで、成長が止まったのだ。

「とにかく、私はやっぱり使い魔をつくる! それも人間の」

「それこそ悪魔的だよ!! スピカ~!!」

 レティが抱きついてくる。きらきらと紅い目をきらめかせるスピカに、

リイラはあきらめたようにため息をついた。

前の話では何故使い魔を持とうとしたのかわからないので、ここで理由を書いてみました。スピカの親友の二人組も出ます。初登場です。

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