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魔女と使い魔のバタバタな日々  作者: ルナ
仲間を見つける魔女
21/39

魔女と使い魔は友をたよる

 小屋が倒壊してしまったので、

スピカとアルトはメリッサ=ウォーカーの

もとへやってきた。

 彼女は笑顔で迎え入れてくれる。

「あら、いらっしゃい二人とも。

新作のケーキ食べていかない?」

「「食べます!!」」

 見事に声が重なり合い、仲がいいわね、とメリッサに

からかわれ、二人は紅くなった。と、ふわふわと空を飛んでいる

オリオンに目が止まり、そこでやっとここに来た理由を思い出す。

「あのー、メリッサ? しばらくここに置いてもらってもいい?」

「あら、どうして?」

 メリッサはさらに笑みを深くしたが、ケーキとお茶を二人の前に

置きながら聞いた。二人は目を見合わせる。

 やがて、アルトが説明することになった。

「家が、崩れちゃったんだ」

「はい?」

「だから、家が壊れたの!! この子、オリオンっていうんだけど、

ものすごく食欲があってね、家をかじっちゃったんだ」

 と、オリオンがごちそうを発見し、ケーキを食べようとそこに

向かったところだった。ホールケーキめがけて一直線だ。

 だが、メリッサがその襟首を掴むや、ぽいっ、と放り投げたので、

オリオンはケーキを食べることができなかった。

 ムッとなり、噛みつこうとしたら、頭を強く叩かれた。

 さらに噛みつこうとしたけれど、今度は拳が飛んできて吹っ飛ばされる。

 渋々オリオンは引き下がり、メリッサが目の前に置いた分だけを

口にした。二人が驚いたようにメリッサを見る。

「すごいね、メリッサって……」

「そうね……」

「しつけはちゃんとしないと駄目よ?」

 母のように言ってくるメリッサに、二人はメリッサってタダものじゃないな、

と想いながら、ケーキを一口口に運んだ。

 ふわり、とスピカの顔がほころんだ。それは、チョコレートケーキだった。

だけれど、ただのチョコケーキではない。アイスクリームを使った、

とろけるようにおいしいケーキだった。

 アルトは悔しそうに眉をしかめた。ケーキ屋なのだから、メリッサの方が

ケーキを作るのが上手いのは当然なのだが、いつもアルトはメリッサの料理

の腕に嫉妬してしまうのだ。特に、スピカが彼女のケーキで笑っている所を見ると。

「アルトは子供よねえ」

 メリッサがそう言い、アルトの眉がつりあがった。

 訳が分からない、といったような目でスピカが首をかしげる。

「どうして?」

「アルトったらねえ、私のケーキの腕前ーー」

「わあああああああっ!!」

 メリッサがくすくすと笑いながら言いかけたので、

真っ赤になったアルトが大声を発した。

 手を振りまわして彼女を睨む。

 スピカは首をかしげたけれど、それ以上聞かずにケーキを食べ進めた。

「それより、メリッサ、さっき聞いたことの答えを教えてよ」

「もちろんOKよ。私は、あなたたちのことを自分の子供のように

想ってるんですもの。アルトは家で働いているし、

スピカにも働いてもらうつもりでいるけれどね」

「え!?」

 スピカが音を立ててフォークを置いた。自分の家事の腕前を

思い出したのだろう、彼女は青ざめていた。

「わ、私、料理もそのほかの家事も苦手で……」

「裁縫が得意なんでしょう? 開いたスペースに、仕立用の

場所を作ろうと思ってたの。接客はしなくてもいいわ。

一人、やとうつもりでいる子がいるから」

 その時だった。

 ちりりん、と扉につけられた鈴が鳴った。

 一人の少女が、そこにやってきたのだ。

それは、リイラ=コルラッジだった。

 スピカの親友の少女である。

「リイラ!?」

「スピカ!?」

 お互い、ここにいることを知らなかったので、

二人は目を丸くしてみつめあっていたーー。

スピカたちが場所を移ります。

これからも新キャラは増やす

予定ですので、次回も

見てください。

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