第37話:王女の告白と星型の要塞
エルム村での生活にも少しずつ慣れてきた、ある日の昼下がりだった。
オリヴィアとイリスは、村の日常風景となっていた防衛隊の合同訓練を、防壁の上から見学していた。カイルの力強い号令が響き渡り、ボルグが率いる分隊が、一糸乱れぬ動きで陣形を組む。人間、獣人、そしてリーフ村から来た避難民だった者たちも、今や同じエルム村の防衛隊員として、互いに背中を預け、汗を流していた。
「……見事なものです」
イリスが、静かだが感嘆の籠もった声で呟いた。
「寄せ集めの民兵ではありません。一人ひとりの練度もさることながら、部隊としての連携が素晴らしい。まるで、王都の騎士団のようです」
「ええ……」
オリヴィアも、その光景から目を離せずにいた。彼女が知るどんな国の軍隊とも違う。そこには、恐怖や義務で繋がれた組織ではなく、仲間を守りたい、故郷を守りたいという、純粋で力強い意志の結束があった。
(この村の強さの源泉……それは、レン盟主が築き上げた、この絆そのものなのですね……)
その穏やかな空気を引き裂いたのは、見張り台から鳴り響く、けたたましい警鐘だった。
ゴォォォォ……ン! ゴォォォォ……ン!
「敵襲! 東の森から魔物の群れ接近! 数、およそ三十!」
「小型のゴブリン、コボルドが主体です!」
村に緊張が走る。だが、もはや以前のようなパニックは起こらない。
「よし、訓練はここまでだ!」
訓練中だったカイルが即座に指示を飛ばす。
「ボルグ! お前の第一分隊で東門の防衛にあたれ! 訓練通りやれば問題ないはずだ!」
「任せてください、隊長!」
ボルグは力強く頷くと、部下たちを率いて迷いなく持ち場へと駆けていく。後方支援部隊も、アリシアや村の女性たちの指示の下、負傷者に備えて救護所の準備を始めた。そのあまりにもスムーズで、統率の取れた動きに、オリヴィアとイリスは再び目を見張った。
東門の防壁の上に立ったボルグが、冷静に戦況を見極める。
「数は多いが、統率はないな。ただの烏合の衆だ!」
森の木々の間から、棍棒や錆びた剣を手にしたゴブリンとコボルドの群れが、わめき声を上げながら姿を現した。
「ボルグ分隊長、バリスタの準備、完了しました!」
「よし! 敵が射程に入るまで引きつけろ! 弓隊、構え!」
オリヴィアとイリスも、いてもたってもいられず、戦闘が行われている東門の防壁へと駆けつけた。彼女たちが目にしたのは、一方的な迎撃戦だった。
「放てぇ!」
ボルグの号令一下、バリスタが唸りを上げ、太い矢が敵陣の中央に突き刺さる! 続けざまに、弓隊から放たれた無数の矢が、ゴブリンたちの頭上に降り注いだ。
混乱し、怯んだ敵が堀の手前で足を止めたところへ、壁の上から改良型の【簡易魔力爆弾】が数個投げ込まれる!
ドガン! ドドドン!
小さな爆発が連鎖し、敵の前衛を木っ端微塵に吹き飛ばした。
「うおおおっ! 見たか、これがエルム村の力だ!」
防衛隊から歓声が上がる。その戦いぶりは、もはや「村の自警団」などというレベルを遥かに超えていた。
しかし、その時だった。
小型魔物たちの後方、森の奥の木々が、ミシミシと音を立ててなぎ倒されていく。
ズシン……! ズシン……!
大地を揺るがすような重い足音と共に、姿を現したのは、全長5メートルはあろうかという巨大な一体の魔物だった。
全身はまるで岩石のような硬い甲殻で覆われ、太い腕には巨大な棍棒が握られている。一つ目の顔には、知性のかけらもない、純粋な破壊衝動だけが宿っていた。
「なっ……! ロックオーガだと!?」
ヘクターさんが、血相を変えて叫んだ。
「ボルグ! 下がれ! そいつはお前たちだけで相手にできる代物じゃない!」
ボルグも、その圧倒的な威圧感を前に、一瞬で危険を察知した。
「くそっ、デカブツが隠れてやがったか! 接近された状態で簡易魔力爆弾を爆発させると、危険だな..全員、バリスタを集中させろ!」
ボルグの的確な指示で、隊員たちは混乱なく動き、バリスタの矢がロックオーガへと集中して放たれる。
しかし、ガギン! ガギン!と硬い音を立てて、太い矢は全て、その岩のような皮膚に弾かれてしまった!
「グルオオオオオッ!!」
ロックオーガは、自分への攻撃を意にも介さず、巨大な棍棒を振り上げた!
「まずい! 門が狙われる!」
「イリス、加勢します!」
「はっ!」
オリヴィアとイリスが、自分たちの故郷を蹂躙した魔物への怒りを胸に、宝剣と愛用の剣を抜き放ち、防壁から駆け下りようとした、その時だった。
「お二人とも、お気持ちは感謝しますが、ここは我々に任せてください」
穏やかだが、有無を言わせぬ響きを伴った声が、彼女たちを制した。
いつの間にか、俺、カイル、アリシア、ティアーナが、オリヴィアたちの隣に立っていた。
「レン殿……!」
「そうだぜ」
カイルが、新しい鋼鉄製の盾を構え、ニヤリと笑う。
「うちの村の庭を荒らす害虫は、俺たちで駆除しねえとな。見ときな。」
その自信に満ちた言葉に、オリヴィアとイリスは戸惑いながらも、剣を収めた。
俺たち四人は、防壁の上から軽やかに飛び降り、巨大なロックオーガの前に立ちはだかった。
「アリシア、ティアーナは後方から援護を! カイル、正面を頼む!」
「「「了解!」」」
その圧倒的な自信と、これから始まるであろう戦いを前に、オリヴィアは防壁の上から固唾を飲んで見守った。そして、彼女はその時、初めてエルム村の防壁が持つ、真の恐ろしさに気づいた。
(この城壁……星のような、奇妙な形をしている。まさか……! そうか、この角度なら、どこから敵が来ても必ず二方向以上から射線が通る! 死角が存在しない……! なんという、なんという見事な要塞設計…!)
ただ頑丈なだけではない。計算され尽くした、殺意の幾何学。この村を設計した者は、恐るべき戦術眼の持ち主だ。オリヴィアは、改めてレンという青年に、畏怖にも似た感情を抱いた。
彼女が戦術的な設計に戦慄している間に、眼下の戦いは、すでに決着を迎えようとしていた。
「グルオオオオッ!!」
ロックオーガが、巨大な棍棒をカイル目掛けて振り下ろす! 村の門さえも砕くであろう、凄まじい一撃!
「甘えな!」
カイルはそれを、盾で軽くいなすように受け流した! 轟音と衝撃波が周囲に広がるが、カイルは一歩も下がらない。
「なっ!?」
オリヴィアとイリスが、その信じがたい光景に目を見開く。
「今です! 【アクアバインド】!」
ティアーナの水魔法が、ロックオーガの足元を凍てつかせ、その巨大な体の動きを封じる!
「そこっ! 【ホーリーアロー】!」
アリシアの光の矢が、オーガの唯一装甲が薄い、一つ目の眉間を正確に射抜いた!
「ギッ!?」
オーガが怯み、わずかな隙が生まれる。
その瞬間を、俺は見逃さなかった。
「終わりだ」
俺は魔力で加速し、オーガの懐へと飛び込む。そして、炎を纏わせた剣を一閃させた。
ザシュッ!
巨大なロックオーガは、悲鳴を上げる間もなく、その太い首が宙を舞い、巨体は地響きを立てて大地に崩れ落ちた。
あまりにもあっけない、圧倒的な討伐劇。
静まり返った戦場で、村人たちから、一拍遅れて割れんばかりの歓声が湧き上がった。
オリヴィアとイリスは、言葉もなく立ち尽くしていた。
村の防衛隊の練度、計算され尽くした星型の要塞、そして、盟主とその仲間たちが持つ、規格外の戦闘力。
この村は、自分たちが想像していた辺境の集落などでは断じてない。ここは、一個の独立した軍事国家にも匹敵するほどの力を秘めた、恐るべき場所だ。
そして、その全てを率いているのが、あの穏やかな笑みを浮かべる、黒髪の青年なのだ。
◇◇◇
その夜、エルム村の盟主室には、普段の賑わいが嘘のような、張り詰めた空気が満ちていた。
昼間の魔物襲撃の後片付けも一段落した頃、オリヴィアから「どうしてもお伝えしたい、重要な話があります」と、改まった様子で面会を求められたのだ。俺はカイル、アリシア、ティアーナと共に、彼女たちを待っていた。
やがて、扉が静かにノックされ、オリヴィアと、その後ろに控えるイリスが姿を現した。
イリスの表情は、騎士としての厳格な仮面のように硬い。だが、オリヴィアの顔には、これまで見たことのない、揺るぎない決意の色が浮かんでいた。
「レン盟主、皆さん。お集まりいただき、感謝します」
オリヴィアは、部屋の中央に進み出ると、俺たち四人を順番に見つめた。
「今日、あなた方の真の力を見せていただきました。そして、この村が持つ底知れぬ可能性も。もはや、これ以上隠し立てをすることは、あなた方への裏切りになると判断いたしました」
彼女は、イリスと視線を交わし、小さく頷き合う。そして、俺たちの前に進み出ると、ドラグニア王家に伝わる、最も丁寧な礼法で、深々と頭を下げた。イリスもまた、完璧な騎士の礼で、その隣に膝をつく。
「どうか、私の話を聞いていただけますでしょうか」
俺たちは、そのあまりにも荘厳な雰囲気に、息を呑んで頷いた。
オリヴィアはゆっくりと顔を上げ、その紫色の瞳で、真っ直ぐに俺を見据えた。
「私の真名は、オリヴィア・フォン・ドラグニア。滅びたドラグニア王国の、王女です」
静かな、しかし凛とした声で放たれた言葉に、部屋の空気が凍りついた。
「……お姫、様……?」
カイルが、信じられないといった様子で呟く。アリシアは、驚きに小さな口を開けたまま固まっている。ティアーナもまた、聞き慣れない王国の名に、眉をひそめ、探るようにオリヴィアを見つめていた。
オリヴィアは、涙を堪えながら、故郷の悲劇を語り始めた。
「我が国ドラグニアは、大陸のヴェルガント帝国によって滅ぼされました。帝国が我が国を欲したのは、領土や富だけではありません。彼らが真に求めていたのは、我が王家が代々密かに管理してきた『龍の器』……」
「龍の器ですって…!?」
その言葉に、ティアーナが鋭く反応した。彼女の青い瞳が見開かれる。
「まさか……。それは、私たちが知る伝説に登場する、『龍覚者』の力を授けるという宝珠のことですか? オリヴィア様、あなた方の王国が、それを……?」
オリヴィアは、ティアーナの博識に驚きながらも、静かに頷いた。
「ええ。我が王家は、古の龍覚者の末裔と伝えられています。その証として、『龍の器』の一つを守り継いできました」
イリスが、抑えていた憎悪を滲ませた声で、言葉を継いだ。
「帝国の者どもは、戦士ではありませんでした。ただの強欲な盗賊です。王家に伝わる力を理解もせず、ただ奪うためだけに、何の罪もない民を、女子供さえも容赦なく……!」
彼女の拳が、怒りに白く震えている。
そして、オリヴィアは、最も衝撃的な事実を告げた。
「ですが、話はそれだけでは終わりません。帝国は、ある魔術師がもたらしたという情報により、この始原の森の特異性と、規格外の力を持つものの存在を、すでに掴んでいるようです。本日、あなた方の力をこの目で見て、その規格外の力を持つ存在があなた方であると推測しましたがいかがでしょうか?」
「……!」
「私が帝国から逃れる直前、忠実な臣下が命がけで届けてくれた情報です。その魔術師は、あなた方との戦闘データと、この森に眠る古代遺跡の情報を、全て帝国に渡しました。帝国は今、第二、第三の『龍の器』を求め、そして何より、現存する龍覚者であるあなたを、最大の脅威として、そして最高の研究対象として、その目を向けているようです」
彼女は、一度息をつくと、絶望的な宣告を口にした。
「帝国の次なる標的は、もはや遠い国ではありません。この始原の森そのものなのです!」
その言葉は、エルム村の平穏な日常の終わりと、大陸全土を巻き込む巨大な戦いの始まりを告げるものだった。
俺たちは、自分たちの故郷が、今や帝国の野心の中心に置かれてしまったことを知り、戦慄する。オリヴィアの告白は、単なる過去の物語ではなかった。それは、エルム村の未来に突きつけられた、避けられぬ戦いの宣戦布告だったのだ。
重い沈黙が、盟主室を支配した。
オリヴィアの告白は、単なる事実の報告ではなかった。それは、俺たちが築き上げてきたこのエルム村の平穏な日常に、大陸全土を巻き込む巨大な戦乱の影を落とす、運命の宣告だった。
(帝国が……この森を狙っている……)
俺の脳裏で、最悪のシナリオがいくつも駆け巡る。ゼノンのような魔術師、ルーン・コロッサスのような古代兵器、そして、それらを組織的に運用する巨大な軍事国家。今のエルム村が、正面から戦って勝てる相手ではない。
盟主として、俺の最優先事項は、この村の民の安全と幸福だ。オリヴィアに協力するということは、その全てを危険に晒し、彼らを絶望的な戦争へと引きずり込むことを意味するのではないか? 彼女に同情はする。だが、それは村全体の運命を天秤にかける理由になるのか?
逃げるか? 山脈に守られたこの森のさらに奥深くへ? いや、無意味だ。帝国の執念とゼノンの技術があれば、いずれ見つけ出される。
ならば、戦うしかないのか? この小さな村で、巨大な帝国を相手に? 無謀だ。あまりにも、無謀すぎる……。
俺が葛藤の渦に沈黙していると、静寂を破ったのは、意外にもカイルだった。
「……話は分かった」
彼は、ぎしり、と拳を握りしめ、その目に怒りの炎を宿して言った。
「つまり、俺たちの仲間を無茶苦茶にしやがったゼノンの後ろにいるデケェ奴らが、今度はこの村ごと奪いに来るかもしれねえって話だろ?……上等じゃねえか。どこの奴か知らねえが、レンやアリシアに手を出そうってんなら、俺が叩き潰してやる」
その言葉には、複雑な政治的計算など微塵もない。ただ、仲間を、故郷を脅かす敵は許さないという、単純で、しかし何よりも力強い決意があった。
「私も、カイルお兄ちゃんと同じ気持ちです」
アリシアが、震える声を抑えながら、しかし真っ直ぐな瞳でオリヴィアを見つめた。
「オリヴィアさんたちが経験されたことは、本当に辛いことだと思います。でも、あなた方の敵は、私たちの敵でもあります。見捨てるなんてこと、絶対にできません」
「そうですね。」
ティアーナもまた、冷静な表情の奥に、確かな意志を宿して続けた。
「帝国が、その魔術師..ゼノンの情報を得た以上、彼らがこの森に干渉してくるのは時間の問題。我々が何もしなくても、いずれ戦いは避けられないでしょう。ならば、ドラグニア王家の情報と我々の力を結集させ、先手を打つ方が、勝算は高まります」
仲間たちの言葉が、俺の心に突き刺さる。そうだ、俺は何を迷っていたんだ? 損得や計算じゃない。この村の皆が、俺が仲間になった者たちが、すでに答えを出しているじゃないか。
俺は、静かに立ち上がり、オリヴィアの前に進み出た。
「……オリヴィア姫。その覚悟、そして貴重な警告に、感謝します」
俺は、彼女の紫色の瞳を真っ直ぐに見据えた。
「あなたの話で、全てが繋がりました。帝国、ゼノン、龍の器……そして我々が為すべきことも、明確になった」
「ただ、ひとつ確認させてほしい。俺は、あなたたちの戦う理由を知りたい。オリヴィア姫、あなたはなぜ、帝国を打倒しようとしているのでしょうか? 復讐のため?」
俺の真っ直ぐな問いに、オリヴィアの瞳が揺らめいた。
「……復讐心がないと言えば、嘘になります。帝国は、私の父を、母を、そして多くの同胞を奪いました。その憎しみは、決して消えることはないでしょう」
彼女の声は、怒りに微かに震えていた。
「ですが..わたくしが剣を取る理由は、それだけではありません」
彼女は、俺から視線を外し、遠い故郷を想うかのように、闇の向こうを見つめた。
「わたくしの故郷ドラグニアは、豊かな国でした。民は陽気で、勤勉で……わたくしが城下を訪れるたびに、彼らは笑顔で手を振ってくれました。子供たちの笑い声が、街のどこにいても聞こえてくる……そんな国だったのです」
その声には、深い愛情と懐かしさが滲んでいる。
「ですが、帝国に支配された今、彼らはどうしているでしょう。重い税を課せられ、男たちは兵士や奴隷として連れ去られ、女子供は飢えと恐怖の中で暮らしているかもしれません。ドラグニアの文化や歴史は否定され、帝国の言葉を話すことを強制されているやもしれません。あの笑顔が、笑い声が、全て奪われてしまったのです」
彼女は、再び俺に向き直った。その紫色の瞳には、涙が浮かんでいたが、それ以上に強い意志の光が宿っていた。
「わたくしは、彼らを救いたいのです。帝国の圧政の下で苦しむ、全てのドラグニアの民を。彼らが再び笑顔で暮らせる国を取り戻すこと。それが、この命に代えても果たさねばならぬ、王族としてのわたくしの責務なのです。この安全な森で、自分だけが安穏と暮らすなど、到底できません。民が苦しんでいる限り、わたくしに安息の地はないのです」
その言葉は、王女としての気高さと、民を深く愛する為政者の覚悟に満ちていた。
俺は、黙って控えていたイリスにも視線を向けた。
「イリスさんも、同じ気持ちなのでしょうか?」
イリスは、俺の視線を真っ直ぐに受け止め、静かに、しかし力強く答えた。
「わが剣は、姫様個人にだけでなく、ドラグニアの民全てに捧げたもの。民が一人でも苦しんでいる限り、わが戦いに終わりはありません。姫様の御心は、私の心でもあります」
その揺るぎない忠誠心に、俺は息を呑んだ。
俺は、二人の覚悟を真正面から受け止めた。
(……そうか。彼女は、ただの復讐に燃える姫じゃない。国を背負い、民を想う、本物の『王』なんだ)
俺の心の中にあった、わずかな迷いが完全に晴れた。俺が守りたいものと、彼女が守りたいものは、根本で繋がっている。
「……よく分かった。オリヴィア姫、あなたの戦う理由は、命を懸けるに値する、立派なものだ」
俺は、彼女に向かって、今度は盟主としてではなく、一人の戦友として言った。
「俺の目標は、このエルム村の仲間たちを守ることだ。だが、帝国がこの村を脅かすというのなら、もはや目的は一つ。俺たちは、あなたと共に戦う。平和を取り戻すために」
俺がそう言って手を差し出すと、オリヴィアは驚いたように目を見開き、そして、涙に濡れた顔で、これまでで一番美しい笑顔を見せた。
「……はいっ!あと私の事は、今後オリヴィアとお呼びください!」
彼女は、その小さな手で、俺の手を固く、固く握り返した。
それは、辺境の森の小さな村で交わされた、世界を変えるかもしれない、固い誓いの瞬間だった。
「面白かった」
「続きが気になる、読みたい!」
「今後はどうなるの?」
と思ったら、
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