表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CHERRY─彼女が狩人になった理由─  作者: 彩心
第二章 二学期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/52

第31話 崩れ始める音

 俺が3日ぶりに教室に入ると、ガヤガヤとしていた教室が一瞬で静かになった。


 周りを見回すと、皆が俺の方を見ている。


 あー、やっぱり停学になったのバレてる?


 今まで記憶にも残らない大人しい奴が、いきなり停学なんて、ヤバい奴だと思われてるんだろうな……。


 まぁー元々関わりなかったし、どう思われようと今更関係ないか。


 俺は前を向きなおし、自分の席へ向かった。


 その時「藤真君! おはよー!」と女子が声をかけてきた。


 声の方を振り向けば、この前のうざい女子達が居た。


 「藤真君久しぶりだね!」


 この前の態度とは打って変わって、笑顔で喋りかけてくる。


 急に、何なんだ?


 俺が困惑していると「藤真君風邪でもひいたの? 大丈夫?」と心配そうに言ってきた。


 「は?」


 「だって結構休んでたよね? 酷い風邪だったのかなって皆で話てたんだ」


 風邪?


 俺が休んだ理由が停学っていうのはバレてないんだ。


 ────なら、さっきの空気は何だったんだ?

 

 気のせい?


 いや、そんなわけない。


 明らかに皆こっちを見ていた。


 俺がそう考えていると、チャイムが鳴って思考が途切れた。


 「あーチャイム鳴っちゃった」


 「藤真君、また後でね」


 そう言って女子達は自分の席に戻って行く。


 「え? あ、あぁ……」


 俺は適当に返事を返して、とりあえず俺も自分の席についた。


 そうして授業が始まったが、ノートを取る手が止まった。


 時折ときおり周りの様子をうかがうが、いつも通りのように見えた。


 やっぱり気のせいなのか?


 そう思った瞬間、誰かが小さく笑った気がした。


 何だ? 一体何が起こってる?


 胸の奥がざわついて、先生の声がやけに遠く聞こえた。


 授業はいつの間にか終わっていて、俺は慌てて教科書を片付け、次の授業の準備をしていると「藤真君」とまた呼ばれた。


 今度は何だよと思ってそっちを向くと、ドアの所に柏木先輩が居た。


 先輩は手を振って俺を呼んでいる。


 先輩が教室まで来るなんて珍しいなと思いつつ、先輩の所まで急いで行った。


 「どうしたんですか?」


 「今日の放課後に臨時の委員会があるから、それを伝えに来たんだ」


 「臨時の委員会ですか?」


 「そう、忘れないでね! って、藤真君は忘れないよね」


 ふふふと先輩は笑った後、教室を見回した。


 「……ねぇ、最近何か変わった事ない?」


 「変わった事ですか? ……特に無いと思いますけど」


 「そう、ならいいの。じゃ、また放課後に」


 そう言った先輩が立ち去る時「まだ甘い?」と言っているのが聞こえた。


 「何が甘いんですか?」


 俺がそう聞くと先輩はビクッとして振り返った。


 「うううん、何でもない」と先輩は笑顔で言うと、隣のクラスに行き今度は佐藤を呼んでいた。


 図書委員長って大変だな。


 1つ1つクラスに言って回るなんて。


 おいおい、先輩は佐藤を呼んでるのに湊まで来ちゃったよ。


 あいつ本気で先輩狙ってるのかな?


 俺は心の中で「頑張れ」と湊にエールを送った。


 席に戻ろうと教室に視線を向けると、音瀬が驚いた顔でこっちを見ていた。


 どうしたんだ?


 不思議に思って俺は音瀬に近づこうとした。


 それなのに、またさっきの女子達が俺の前に立ち塞がった。


 「藤真君って図書委員だったんだ」


 「えー、私も藤真君と一緒に図書委員すれば良かった」


 「いや、図書委員はクラスで1人だけだよ」


 「そうなの!? じゃー次は私と一緒に他の委員しようよ!」


 女子達は何だか盛り上がっていたが、俺は音瀬の事が気になって「ちょっとごめん」と言って、その輪から抜けようとした。


 それなのに、音瀬は立ち上がると教室を出て行った。


 「音瀬?」


 俺がそう口にすると、さっきまで騒がしかった女子達は静かになった。


 「藤真君も音瀬さん?」


 「え?」


 「やめなよ、あんな女。ただのヤリマンじゃん」


 「は?」


 「藤真君は休んでたから、あの動画の事知らないんじゃない?」


 「動画? 何だよ動画って」


 「音瀬さんの動画が今拡散されてるの。もう皆知ってるんじゃない?」


 「動画が拡散されてるって、何の動画?」


 「音瀬さんのハメ撮り動画」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ