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CHERRY─彼女が狩人になった理由─  作者: 彩心
第二章 二学期

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16/22

第16話 告白

 校舎裏に着くとそこに音瀬は居た。

 音瀬はこちらに気づいたようで、こちらを見て静かに立っていた。


 あぁーどうしよう。

 緊張してきた……。


 あぁーどうしよう!?

 何か右手と右足が一緒に出るんだけど!

 えっと、普通の歩き方ってどうだったっけ?


 そんな俺の様子に気付いた湊は「フハッ」と吹き出したように笑った後、そっと俺の背中を押してきた。


 「頑張ってこいよ。じゃ、俺は行くから」


 湊はそう言うと、さっさとまた来た道を戻って行ってしまった。


 俺がその後ろ姿を見送っていると「藤真君……なんか喋るの久しぶりだね」と音瀬の方から喋りかけてきた。


 「あぁ、久しぶり……だな」


 そう言いながら俺は音瀬の方を向いた。

 

 久しぶりにちゃんと顔を合わせたが、やはりいつもの音瀬とは違っていた。

 

 図書室で会った音瀬は常に笑っていたのに、今は居心地が悪そうに表情が引きつっている。

 それに前までは好き勝手に「朝陽君」と呼んでいたのに、今は「藤真君」だ。

 それが凄く寂しく感じた。


 でも仕方がない。

 俺があんな事を言ったんだし、今音瀬は佐藤と付き合っているから。

 今更俺なんかと2人っきりなんて困るだけだろう。


 それでも……。


 「藤真君?」


 中々喋らない俺にしびれを切らしたのか、音瀬が俺の名前を呼んだ。


 頑張れ! 俺っ!


 手にギュッと力を込めた。


 「音瀬、この前はごめん!」

 

 俺は頭を下げて謝った。


 「えっ? いやいや頭を上げて! あれは私が悪かったんだから、藤真君が謝るのはおかしいよ!」


 また「藤真君」か……。

 本当に希望のぞみはないんだな……それでも。


 俺は頭を上げ、音瀬を見てフッと笑った。


 フラれるって分かっていても、告白は笑ってしたい。


 「言いすぎたって後で後悔したんだ……俺、音瀬の事が好きだから、あの時はカッとなって冷静じゃいられなかった。ちゃんと……音瀬の話を聞くべきだった」


 「へ?」


 「最初はだまされたって、ムカついて、もう音瀬には関わりたくないって思った。この気持ちは離れていれば簡単に忘れられるって思ってた。でも、無理だった! そんな事より音瀬の事を好きな気持ちの方がデカかった!」


 「え?」


 「遊ばれてたって、騙されてたって、俺は音瀬の事が好きだ!」


 言えた!

 心臓が痛いくらいバクバクしてるけど、俺、言えたんだ!


 きっと今の俺の顔は真っ赤だと思う。

 でも、音瀬も俺の告白に真っ赤な顔であたふたしている。

 

 そりゃそうか。

 突然好きだって言われたらそうなるよな。


 いつも余裕そうな音瀬の表情を、自分が崩したと思うと何だか嬉しくなった。


 「へ? え? 待って……朝陽君、それ本当?」


 まだ音瀬は混乱しているのか、俺の呼び方が戻っていた。

 俺はまたそう呼ばれたのが嬉しくて「フハッ」と笑ってしまった。


 「もー何で笑ってるの! やっぱり嘘ついてるんでしょー!」

 「本当だよ。こんな事嘘ついてどうすんだよ」


 俺が笑いながらもそう答えると、音瀬は俺の目を驚いた様に見た。


 「え? だって私、朝陽君を傷つけるような最低な事をやったんだよ? もう嫌われたって思ってて……」


 そう言って下を向く音瀬に俺は「それでも好きだよ」と伝えた。

 一回言ってしまえば吹っ切れるのか、その言葉が自然に出てきた。


 音瀬は顔を上げると、泣きそうな顔で俺を見上げた。


 あぁ……俺、フラれるんだな。

  

 また手にギュッと力を入れる。


 「ありがとう。こんな……こんな私を好きになってくれて……」


 音瀬は涙をこらえているのか、震えた声で一生懸命に伝えてくれている。


 「優しくて、カッコ良い朝陽君は私にとって、とっても眩しい存在なの」


 そう言って音瀬は笑った。


長かったので2つに分けました。

次話は近日公開!

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