始まり
ピピピピピピピピピピピピピッ!!
「うっ・・・7時か・・・・・」
いつも通りの時間だ。いつも通りに目覚まし時計のアラームを止める。そしていつも通りに布団をたたみ階段を下りる。
今日もいつもと何も変わらない1日が始まった。一部を除いて・・・・。
階段を下り、これもまたいつも通りにイスに座る。
ん?なんで飯があるんだ?
「壇(だん)、おはよー!」
「ゆ、由佳(ゆか)!?ななな何でここにいるんだよ!」
「え?何でって・・・・昨日のこと覚えてないの?」
昨日のこと?あぁそういえば・・・・
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『今日空いてる?よかったらこの後、○○で一緒に飯食わない?』
送信ボタンを押した。
『送信完了しました』
由佳とは付き合ってもう6年だ。今日こそは絶対に渡してみせる!この・・・・指輪を。
チリリン♪
来た!
『うん、わかった。それじゃ今からそっちに行くね』
よし、これでもう後戻りはできない。あとはこの気持ちを伝えるだけだ。
少し早く来すぎたな。まだ30分もあ・・・・
「お待たせー!もう来てたんだ。待った?」
「いや全然。オレもちょうど今来たとこ」
運良く由佳も早く来てくれた。
「それじゃ何食べよっか?」
「う~んじゃあね・・・・△△にする!」
「オッケー。じゃあオレも同じので・・・・スイマセーン!」
「は~い」
「△△を二つお願いします」
「かしこまりました~」
店員さんは厨房の方へ歩いていく。
「なぁ由佳。」
「なぁに?」
「オレのことどう思ってる?」
「な、何急に?どうって、ふ、普通に好きだけど・・・・」
「『普通に』か・・・・」
「な、なによ?壇なんか変だよ?」
「そうだよな・・・・」
「なんかあったの?」
「いや何にも。ちょっとトイレ行ってくる」
「うん、わかった」
オレはお手洗いまで行くと水で顔を豪快に濡らした。
由佳がどう思っていようと関係ない。自分の気持ちを伝えればそれでいいんだ!
そう自分に言い聞かせ、シュミレーションをしてみる。
「よし!」
トイレから戻るとまだ料理は運ばれてはいなかった。
自分の席に戻ると、由佳の方を向いた。
「あ、あのさ」
「うん、何?」
「あの・・・お、オレと・・・・・・けっ」
「お待たせしました~!△△になります」
「え?あ、いやありがとうございます・・・・」
くそっ!邪魔が入った。そのせいで言いそびれてしまった。
全くタイミングの悪いやつだ。
「それで?何て言おうとしてたの?」
「あ、いや、なんでもない。」
あの店員のせいで言う気が失せてしまった。
「こ、これうまそうだな。冷めないうちに食べようぜ?」
「そうだね。」
今運ばれてきた料理に注意を逸らそうとした。由佳は少し怪しげな目で見つめていたが無理して聞く必要はないと思ったのか飯を食べ始めた。
二人とも食べ終わり、由佳が「そろそろ帰ろうか?」と席を立った。
「あ、待って。」
「何?」
由佳が座りなおす。
「いや・・・その・・・・さっき言おうとしていたことなんだけど・・・・」
「うん。」
「お、オレと・・・・その・・・・・・・け、結婚してください!」
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あの夜オレは由佳にプロポーズした。
そして今、目の前に由佳がいる。由佳はプロポーズを受け入れてくれたのだ!
由佳の指にはあの指輪がはめられていた。
「昨日はありがとうな。」
「ううん。私もすごく嬉しかった。ありがと。」
そう言ってオレの頬に優しくキスをしてくれた。
今日もいつもと変わらない1日が始まる。
ただ家には花嫁が待っているということ以外は。
「行ってきま~す!」
「いってらっしゃ~い!」
今日もいつもと変わらない1日が始まる。
ただ家には幸せが待っているということ以外は・・・・。
初めての投稿です^^
初・執筆ということでかなり変な作品になってしまいました;;
これからも色々と書いていこうと思っていますw
そのときはよろしくお願いしますw
では~