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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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魔晶石と料理を作る

 錬金釜を時空間倉庫から取り出して、かき混ぜ棒を持って魔力を錬金釜に注ぐ。


 只今、子供部屋の隅っこで混ぜ棒を手に握って錬金釜に入れて、魔力を注いで混ぜております。

 6歳の身体には意外と全身運動なのね。いつまで混ぜればいいか分からないし。


 魔力を錬金釜に注ぐと少し重くなった。ねっとりしたものを混ぜてるみたい。


 魔力を注ぐと、どんどん重くなる。これ私、魔晶石、作れるかなぁ。


 ずっと混ぜてると息がはぁはぁしてくる。変態さんじゃないよ!運動した時みたいな、はぁはぁ。汗も出てきた。冬なのに。


「フェリ、大丈夫か?パパが変わろうか?」


「パパ、はぁはぁ、ありがとう、はぁはぁ、でも、はぁ、これは、はぁ、私が、はぁ、混ぜないと、はぁ、いけないの!」


 パパが心配してくれた!嬉しい!気力が復活した!もう少し頑張るよ!心配されると嬉しい子なんです!


 あれ?魔力が錬金釜に入らない。もうちょっと混ぜてみる。


 わっ!錬金釜がぴかりと光った!あ、驚いて混ぜる手を止めちゃった。


 錬金釜の中を覗いてみる。光るものが中央にある!手で取り出してみると、手で握れるくらいの水晶みたいな透明でつるりと丸い石?が出来ていた。


 魔力を入れて魔力が溜まるか確認してみる。


 入った!鑑定!


 ー魔晶石ー

 魔力を溜めるための石。錬金釜で作られた。使う時は魔力を石から引き出して使う。5/100000。


 おおー!出来た!出来た、出来た。


 ふぅーーと疲れて座る。汗で気持ち悪い。クリーンを自分にかける。

 時空間倉庫からコップを取り出して、ウォーターで水を入れて飲む。ぷはー!生き返る!


「お、フェリ、終わったか。何が出来た?」


「パパ、これ、魔晶石」


「おお、綺麗だな!魔晶石か!初めて聞いたな。どうやって使うんだ?」


「魔力を魔晶石に入れるの」


「魔力を入れる……おお!入った入った!凄いぞフェリ!」


 むふー!と得意げな顔になってしまう。頑張って作ったんですよ。


 ところで、魔晶石1つ作るのに魔力がいくら必要だったのかな?鑑定!


名前 フェリシア・フェルン

年齢 6歳

職業 賢者

HP 28

MP 10612

状態 健康

称号 知識と魔法の神の加護 愛し子

スキル 鑑定 生活魔法 結界魔法 時空間魔法 知識の泉 全魔法適正 状態異常無効



 1万減ってる。結構必要なんだなぁ。もう1つ作れるから作っちゃお。


「フェリ、見せてくれて、ありがとうな。え、まだ作るのか?身体大丈夫か?」


「大丈夫!パパ、心配してくれてありがとう」


 また、かき混ぜ棒を手に持って錬金釜に入れて、魔力を注いで混ぜる。

 あ、思ったより疲労が腕に溜まってた。う〜ん、明日は筋肉痛だな。



 2個目を作り終わって、魔晶石に魔力を全部入れたら眠気がきたから、お昼寝した。アンリも私の横に入って来た。可愛い奴め。



 冷たくて目が覚めた。掛け布団をまくるとアンリがおねしょしていた。私とアンリと布団にクリーンをかける。


 まだ、おねしょしてかわいいのぅ。さらりとアンリの髪を撫でる。パパも隣で寝ている。もう少しだけ横になろうかな。


「あ、フェリ、起きた?」


 ねーねが小さな声で確認してくる。私は起き上がってねーねの所に行く。


「起きてたよ。どうしたの?」


「あのね、ママがね、料理を教えてくれるって!」


 嬉しくてたまらないとばかりに顔を紅潮させて声がはずむ。


「良かったね!」


「ママが2回教えるのも面倒だから、フェリも一緒に料理を教えてくれるって!」


「私もいいの?」


「そう!一緒に頑張ろうね!」


「うん!」


 ママの料理、興味があったんだ!頑張るぞー!


 台所に行くとママが料理の前の準備をしてた。


「きたわね。まずは手を洗って。クリーンでもいいわよ」


 ねーねと2人でクリーンをかける。


「まずは芋の皮剥きからしましょうね。包丁が大きいから注意してね。見本をみせるわね」


 ママが洗った芋をゆっくりと私達が理解出来るように剥いてくれる。1つの芋を剥ききった。次は私達の番だ。


 芋と6歳の手には大きい包丁を持って、ねーねと今生初の皮剥きをする。


 芋が硬くて滑るし、包丁がでかいしで上手く皮剥きできないが、ゆっくりと手を動かす。包丁の切れ味も前世より悪いからなおさらだ。


 ねーねと慎重に皮剥きして剥き終わった。


 残念な出来だ。


「2人共、頑張ったわね。きっと大きくなったら今より楽に皮剥きが出来るからね。今日の体験を覚えておくのよ。次は葉野菜の準備ね」


 葉野菜を水で洗う。虫や土がついてないかよく見て洗い、指示された大きさに包丁で切っていく。

 芋の皮剥きよりも、ずっと楽だった。


 次は肉を切る。「肉を切るのは危ないから、よく見て切りかたを覚えてね」と見本を見せてくれる。


 包丁の切れ味が悪いので手が滑る。本当に危ない。ねーねも頑張ってる。


 その間にママが他の野菜を切っていた。


 スープを作るからねと、鍋に水を入れて沸騰させる。その間に竈の使い方を教えてもらう。

 水が沸騰したら、野菜を入れて煮込みあくを取る。調味料で味付けしたら完成。


 後は炒め物。

 ママが魔法の袋からだした獣の油身をフライパンで溶かして、満遍なくぬる。肉を焼いて、もう一つのフライパンでは野菜を炒める。

 肉に火が通ったら、炒めた野菜をいれて肉の油を絡ませる。そうしたら、調味料を入れて絡めて出来上がり。


 ママに言われるままに作ったから、美味しいはず。


 でも具材が大小バラバラだ。要練習と言うことで。


 ママがみんなに夕食だと呼びに行ってくれた。

 ねーねは初めて作った料理に感動しているもよう。そうだよね。頑張ったもんね。一緒に喜べなくてごめんね。ちょっと落ち込んでるんだ。前世の方が上手く作れたから。って言うか、調味料が万能。どうやって作ってるんだか。


 みんなが集まってきたから食器の用意をねーねにお願いする。私の身長じゃ食器棚の1番下にしか届かない。


「あら、食器の準備してくれたの?気がきくわね。ありがとう」


 ママに褒められて、ほんのり頬を染めるねーね。可愛いね。

 ママに言われておかずをよそっていく。私は危ないからよそった器を机に置いて行く。パンはママが焼いたものがあるからそれを用意する。


「子供達の初めての料理なのよ。味わって食べてね」


「そうか!リーヌもフェリも頑張ったな。いただくぞ」


 みんなで席に着いてからお祈りをして食べる。具材の大きさが違うし、野菜がちょっと焦げている。初めてだからこんなものかな?


「リーヌ、フェリ、美味しいぞ!ありがとうな」


 パパが食べて感想を言うとねーねが喜んで、ここが大変だったの、と話をしている。味付けは調味料をママが入れたから丁度良い。


 いつもと変わらない食事だけど、おいしくてお腹いっぱい食べれるから幸せ。


 これからもママに料理を教わるのかな?

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