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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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パウエルさんの話

 お医者さんの、パウエルさんが来た。何の用事だろう。パウエルさんは青年から中年に差し掛かる年齢で薄緑の綺麗な髪色をしてるけど、治療の時は容赦のない人だ。


「遅くにすみません。急ぎの用事があったもので」


「いえ、いいですよ。お医者様がなんの用でしょうか?」


「あ、お水いただきます。ゴクっ!美味しい!これはどこの井戸水ですか!?」


「魔法で出した水ですの。是非、味を覚えてウォーターで出してみてください。それで、ご用件は?」


「ああ、すみません。興奮してしまって。実は盗賊に襲撃された時に怪我をされた方がいっぱいいましてね、こっそりと村人数人がフェルンさんの所が治癒の魔法を使えると教えてくれまして、治療に協力していただければと思い来ました」


「……それは、内緒にしている事ですので、公に協力はできかねます。出来れば治してあげたい気持ちはありますが」


「そうだと思い、考えてきました。私が偽のポーションを患者さんに飲ませるので、カーテンで隠れて貰いそこから治癒の魔法をかけて欲しいのです。謝礼は渡します。正体もバレないようにしますし、協力していただけませんか?」


 パパとママは悩んでいるようだった。パウエルさんをダイニングに残して子供部屋で集まってこそこそと小さい声で話をする。


「どうする?協力する?私は傷ついた人を治してあげたいわ」


「俺は治癒魔法は使えないからな。リーザに任せるよ。だが、子供達はダメだぞ。力を使えると知らられば危なくなる。自衛が出来るようにならないと」


「分かったわ。私が治療に協力する。それでいいわね?」


「ああ、それじゃあパウエルさんの所に戻ろうか」


 そう言う事になったらしい。



「パウエルさん、私が治療に協力します。治癒魔法が使えるので」


 パウエルさんは意外そうな顔をした。


「ああ、すみません、驚いてしまって。私が聞いてたのは子供が治癒魔法を使えるとの事だったので。リーザさんも使えたのですね。それでは明日からは大丈夫ですか?」


「明日からですね。分かりました。お伺いします」


「治療費は全額渡しますので安心してください」


「いえ、折半しましょう。患者さんはみんなパウエルさんを頼ってくるのですから」


「そうですか?ありがたいです。よろしくお願いします」


 パウエルさんは外が暗い中、帰っていった。明かりの魔法ってないのかな?


『あります。光魔法で【光源】と言う魔法です』


(ああ、驚いた!知識の泉、ありがとう)


 光源ね。魔力を巡らせて光魔法・光源!


 小さな光る玉が空中に浮かんでいる。あ、すぐに消えちゃった。


「フェリ!今の凄いな!」


「ふーちゃん凄い!」


「あー!ぴかぴか!」


 褒められると照れる幼児です。そして調子に乗ります。また光る玉を出します。みんなで喜ぶ。


 ママが夕食だと呼びにくるまで遊んでた。光の玉は捕まえられなかったよ。


 最近は家族みんなで子供部屋で寝る。まだ、盗賊が来た時に離れた恐怖がみんなにあるらしい。

 純粋に嬉しいからいいんだけどね。


 私はパパに抱き寄せられる。村から飛んでっちゃったのが、パパのトラウマになってるみたい。


 どこにも行く用事がないから大丈夫なのに。パパンの心配症。ママはにーにの隣で寝ている。こちらもトラウマになってそう。1番初めの子供が死地に向かいます、てなったらトラウマにもなるか。ごめんねママン。




 翌日から、パパは死体処理、ママはパウエルさんの手伝いに出かけた。お昼は作り置き。


 子供達はみんなで子供部屋。


「フェリは凄いよな。沢山の盗賊を倒して。俺なんて飛び出して来た盗賊に怖くて切つけられたぞ。フェリの結界があったから助かったけど」


「そんな事無いよ。私も何度も切りつけられて怖くて蹲っちゃったもん。ただ、村の人を助けなきゃと思っただけ」


「シャル兄もふーちゃんも凄いよ!私はママとアンリと抱き合っていただけだもん」


「みんな怖いのを我慢して頑張ったから、みんな凄いの!アンリが1番強いかもしれないよ!」


「ははっ!そうかもなぁ、なぁ、アンリ?」


「う?つおい?アン?」


「アンリは強いぞー!」


 にーにはアンリをきゃーきゃー振り回している。神様の神殿に行って身体が強くなったから大丈夫なのかな?


 ねーねが私を抱き寄せてきた。みんな心細かったのも怖かったのも同じなのかもしれない。家族の絆を確かめ合っている。ママが泣いたのはショックだったな。


「みんな、神様に貰った力の練習をしよ?今度また村が危機になった時に助けられるように!私、教えるよ!」


「そうするか。アンリは積み木で遊んでおいてなー?」


「ちゅみき!」


「好きだなアンリ。僕みたいに剣で遊べばいいのに」


「アンリはおとなしい子なんだよ。いい子」


「じゃあ、ふーちゃん教えて!私、祈りを教えて欲しい!」


「じゃあ、僕は覇気かな?よく使い方がわからなくて」


「いいよ!教えるよ!」


 にーにもねーねも、紙に書いた自分のスキルを言う。力は使いこなさないと今回みたいなことがあった時に自分が困る。


 でも、やる気があるのはいいよね!



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