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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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死体処理

 殺された村人の死体と盗賊の死体は分けて燃やすらしい。そのまま土に埋めるとアンデットになってしまうからだそうだ。


 村に泊まっていた商隊の人も襲われたみたいだけど、怪我はしていても亡くなった人はいないらしい。集会所に泊まってたから、襲撃を受けた後すぐに立てこもったらしい。偉い!


 パパが死体の処理をしに毎日出かけていく。人が死ぬって大変なんだなぁ。






「盗賊の死体だが、剣で斬られたり、弓で射抜かれた死体もあるが、首を切られた死体が1番多い。切り口も綺麗だ。これをどう思う?村人が戦ったと思うか?」


 集められた村人達の前で領主の兵が死体を検分している。俺やシャルルが倒した盗賊よりフェリが倒した盗賊の数が圧倒的に多い。混乱した村人達が覚えていないならいいんだが。


「警備隊も斬られた跡が鎧や服に残っていたが、ほとんど生きている。生きている警備隊は「自分は殺されたと思った」と証言しているし、怪我が無い。これもおかしな事だ。誰かが治したようだ。魔法でな。魔法で治したのでなければ説明がつかない。誰か心当たりはあるか!?」


「あ、あの、兵士様。私は村の入り口に近い場所に住んでいるのですが、フェルンさんの婿さんが盗賊達にとどめをさすのを見ました」


 覚えている人がいたか。しらばっくれるしかない。シャルルもフェリも俺が守らないと。


「フェルンの婿とは誰だ?」


 数人の顔見知りが俺の方を見てきた。兵士も視線を辿っている。


「俺です。元冒険者の銀ランクです。村が盗賊に襲われてたので助けに行きました」


「君の勇気を賞賛する。して、君は何を獲物にして戦っていたかね?」


「弓と剣です。今は狩人をしているので」


「この、首を切られた死体に見覚えはあるかね?」


「あります。私が来た時にはほとんどの盗賊は死んでおり、残党狩りをしていました」


「ふむ、それではやはり、首切り死体だけが誰が倒したか謎だな。まあ、いい。君には盗賊を倒した賞金をおって渡す。

 いや、見覚えがあると思ったが、君の娘が攫われた村人達を追って助けたのを知っている。娘は飛んでいたが魔法が使えるのか?」


「使えます。毎日魔法の練習をしています。楽しくて仕方がないようです。5歳になって魔法を今年使えるようになったばかりですから」


「ふむ、飛行魔法が使えるなら楽しくて仕方がないだろうな。娘の分も賞金に加えておく。それでは皆で死体処理をするぞ!薪にファイアで火をつけて死体を燃やしていってくれ!大変だが、頑張ってくれたまえ!」


 意味ありげにこちらを見る村人もいるが、おおむね好意的だ。感謝してくる村人もいる。なんとか誤魔化せたかな?だが、シャルルやフェリを見ている死体処理に参加してない村人もいるかもしれないから、今後も注意が必要だな。


 薪にファイアで火をつけて盗賊達を燃やす。全て終わるには時間がかかるな。盗賊の死体が200人近くいるそうだから。


 村人の死体は家族達が燃やして土に返す。辛いだろうが、家族が誰一人かけなかった俺は幸せ者だな。リーザの実家も無事だったし。


 さて、作業、作業。これでも日当が出るからな。




「おかえりパパー!」

「お帰りエリック。お疲れ様」


「ああ、ただいま。フェリはいるかい?クリーンをお願いしたくてね」


「分かったわ。フェリー!ちょっと来なさい!」


「なぁにママ。あ、パパ、おかえりなさい」


「フェリ、パパにクリーンをかけてくれるか?仕事で汚れてしまってな」


「いいよー」


 はぁ、スッキリだ。フェリのクリーンはやっぱり凄いな。


「ありがとうフェリ。疲れが取れるようだよ」


 無邪気に笑うフェリは可愛い。この子にもう、辛い思いはさせないようにしないとな。

 あの時のフェリとシャルルの悲痛に泣いた顔が忘れられない。普通の人より修羅場を潜った分強くなるだろうが、まだ早い。守ってやらないとな。


 玄関の扉がノックされた。


「はい!誰だ!」


「医者のパウエルです。お話いいですか?」


 パウエルさんがなんの用だ?



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