蘇生・治癒
しゃくりあげる私を抱っこしたパパ、にーにも抱き寄せている。
にーにの神剣は綺麗だけど、にーにも人を殺したのかな?知識の泉の最適解だったけど、まだ子供のにーにには辛かったかもしれない。
「ご、ごめんね、にーにっ」
「なんで、フェリが、謝るんだよ」
「にーにを、たたかわせ、た」
「僕が、選んだんだ。フェリのせいじゃ、無い」
「2人とも頑張った。パパは知ってるぞ。それでいいじゃないか。俺たちは生きてる。それでいい」
「ありがと、パパ、すき。にーにも、すき。パパ、下りる」
「そうか、大丈夫か?」
「そせい、ひっく、しないと」
「フェリ、泣いたから水をとりなさい」
子供の身体は弱い。パパの言うとおりに水を飲んだ方がいいだろう。
時空間倉庫にしまってあったコップを取り出して、生活魔法のウォーターで水を入れる。
「んく、んく、んく」
また、ウォーターで水を入れる。
「パパも」
「ありがとうな」
「にーにも」
「ありがとう」
みんな水分補給が終わったら、私は死んだ村人を見て蘇生をしていく。
時間制限がこないように祈る。パパとにーにも怪我人、死人を並べてくれる。
見回って、生きている盗賊にとどめも刺して行く。
そうなると、恐る恐る、外に出てくる村人達がいて、遠巻きに見てくる。
「盗賊達はいなくなったのかい?」
「多分な。まだ、潜んでるかもしれないから注意だけはしてくれ。村長にこれからのことを聞くといいぞ」
「あ、ああ、ありがとうよ」
みんな、村長の所に行くみたい。私達だけ別行動。
なんか、蘇生の効きが悪くなってきた気がする。もう少し魂よ、とどまって。
村の入り口前は終わった。パパが死人の家に案内してくれる。
私は蘇生魔法と治癒魔法をかけていった。
「辛い事させてごめんな」
「パパ、悪くない」
蘇生魔法が効かなくなった。制限時間だ。
「パパ、もう、無理、治せない」
「そうか……頑張ったな」
抱き寄せようとしたパパから離れて、これからのことを言う。
「パパ、攫われた人がいる。私、助けに行く」
「大人に任せなさい」
「ダメ。私、後悔するから。今から行ってくる。ママ達と村で待ってて」
私は飛ぶ。パパが手を伸ばすが届かない。
「フェリ!帰ってきなさい!」
「帰ってくるから、行って来ます」
私は馬車が進んだ方向に高速飛行した。
また、パパの叫ぶ声がするけど、後悔しない為に行くんだ。待っててね。パパ。




