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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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警戒

 頭の中でビービーと音がしている。うるさい、と思った所で目が覚めた。


 まだ頭の中で音がしている。家族は全員まだ寝ている。嫌な予感がする。


(知識の泉、この音は?)


『警戒の音です』


(盗賊が来た?)


『盗賊が村に入って来ました』


 パパにだけは教えないと。


「パパ、パパ、起きて、起きて、パパ、起きて」


 ほっぺをべしべしと叩く。パパが薄っすらと目を開けた。


「パパ、盗賊が来たよ。どうする?」


「何!?」


 ガバリとパパが起き上がった。長剣を手にして立ち上がった。

 パパは周りに注意深く目を走らせて私を見る。


「本当かフェリ?」


「うん、警戒の魔法に引っかかった。今は村の入り口辺りにいると思う」


「ママを起こそう」


 パパがママを起こして、状況を説明している。蒼白になったママはパパを抱きしめた。


「俺は村人を助けに行く。リーザは子供達を守ってくれ」


「いや!いやよ。貴方がいないなんて。全員で逃げましょう?」


「駄目だ!どうせ男は見つかれば殺される。他の村人もお義父さんもお義母さんもお義姉さんも助けたいだろう?分かってくれ」


「いや!いやー!」


 ママが騒いだから、子供達がみんな目を覚ました。泣いているママを見て、みんな固まっている。


 パパが私達を1人1人抱きしめる。今生の別れみたいだ。心臓が嫌な音を立てる。


(知識の泉、どうしたらいい?)


『エリック、シャルル、フェリシアに結界を張り外で戦います。他の家族は家にこもって、家全体に結界を掛けるといいでしょう』


「パパ、にーに!私が結界を掛けるから盗賊を倒しに行くよ!」


 パパとママは驚いたように、にーには決意を固めたような顔をして昨日渡した魔法の袋を腰に巻いたベルトに通して準備をした。


 私は全員に水を飲ませて、率先して家を出た。にーにが後から出て来た。パパとママは困惑している。


「知識の泉が言った。これが最適だって!ママは家でねーねとアンリを守って!」


 パパも出て来た。ママが何か言う前に家にだれも出入り出来ない結界を魔力を込めてつくる。これで3時間くらいは大丈夫のはず。


 パパとにーにと私にも結界を魔力を込めて張る。家と同じくらいの効果があるはずだ。


 にーにとパパを抱きしめた後、私は飛行魔法で飛んで行く。村の入り口まで!


 この時間は主婦のみんなが井戸に水汲みに行っているはず!家の鍵はかっていない。盗賊のやりたい放題だ!まだ寝ている村人達が殺される!


「フェリシアーー!!」


 パパの叫び声が聞こえるけど待ってられない!ここは家族みんなの村だ!守らないと!


 村の入り口に行く途中で飛行をやめた。血の気が引く。


 今、目の前では虐殺が起きている。逃げる村人に鎧を来た男達が襲いかかる。


 身体が震える。ここは前世みたいに平和な世界じゃない。言葉では分かってた。けど、実感はしていなかった。


 盗賊が嫌な顔をして私を見た。ニヤリと笑って近づいてくる。


 盗賊の手が結界に弾かれた。怪訝な顔になった盗賊。私を捕まえられないと分かったら怒ったように剣で切りつけてきた。


 私は何も出来なかった。


 ガキンっと結界で剣が弾かれる。


 殺さなきゃ殺される。私もみんなも。




 私は盗賊の首を狙って次元斬を放った。

 

 盗賊の首は綺麗に落ちて、血が吹き出した。


 気分が悪くなってしゃがみ込む。盗賊は待ってはくれない。


 倒れた盗賊の代わりに私に襲いかかってくる。結界でガキンガキンと弾かれる音がする。

 誰も助けてくれない。私がみんなを助けなきゃ。


 足が震えるから飛ぶ。


 目の前の盗賊に次元斬を放つ。綺麗に首が飛んだ。


 興奮してきた私は敵を見据える。次元斬を見える敵全員に放つ!


 気分は余計に悪くなったけど、これ以上村人を襲わせない!



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