力の使い方
無事に神殿から家に帰って来て、お昼ごはんをみんなで食べがてら報告をした。
「パパとママも力を貰えたぞ。パパは弓を貰って、ママは服を貰った。良い神様だな」
「そうでしょー!いつでも持ってたいけど、僕の剣は煌びやかすぎて持っておけないんだよね。リーヌの布も神々しいし。フェリが羨ましいよ」
「そうか。フェリ、時空間倉庫は覚えたんだろう?パパの持っている魔法の袋みたいなのは作れないかな?」
「作れるの!?」
「そうか、今は無理か。みんなで教会の図書室で新しい力の勉強をしてみようか」
「それがいいわ。いざという時に使えないと不便だものね」
「パパとママも勉強するの?」
「そうよ。ママ神聖魔法なんて分からないからね」
「パパも知らない力がある。アンリに1人つけて他のみんなで勉強しよう。午前は子供達で混んでるから午後から行こうか」
みんな新しい力を知りたいみたい。アンリだけ、まだ5歳になってないから神様にお目見え出来ないんだって。
5歳になったらねーねが連れて行ってあげるからね!
なんだか怪しい『知識の泉』と言うスキルがあるので、私がアンリとお留守番をすることにした。
私の想像どおりなら、とても役立つと思うのだ。
アンリに私が使っていた積み木を渡すと、嬉しそうに積んでいたので、その正面で知識の泉の検証をしてみようと思う。
(知識の泉。知識の泉。使い方を教えて)
頭に湧き上がってくる。『何を?』って。
(知識の泉の使い方)
『知識の泉は、知識と魔法の神から与えられし知識の宝庫。知りたい事柄を問いかければ、どんな事でも教えてくれる』
(どんな魔法でも知識でも教えてくれる?)
『貴女がそれを望むなら』
やっぱり思ったとおりだ。神様は凄いものを下さった!私が望んでいた前世の知識や魔術もこれで分かるし、錬金釜をくれたのだって説明がつく。前にお医者さんの所で手当てしてくれた、微ポーションの作り方や魔道具の作り方も知りたかった。私はずっと勉強もしたかったし、知識が欲しかったのだ。
魔法もそうだ。『全魔法適正』。私は魔法も使いたかった。前世に無い魔法に期待を膨らませていたのだ。
神様方、ありがとうございます!
これで、私はアンリの面倒を見ながら知識を蓄えられるし、他の家族は教会に勉強に行ける。良い事だらけだ。
あ、アンリがあくびしてる。昼寝の時間だ。布団を敷いて。
「アンリ、お昼寝だよ。ねーねと寝よう?」
「ねーね、アン、ねるの」
「そうだね。ここにおいで」
アンリがちょこちょこと近づいてきて布団に横になる。薄い布団をお腹にかけてあげて静かにする。
少ししたら寝つきの良いアンリは夢の中。
次は私の勉強だ。
(魔法の袋を私が作るにはどうしたらいい?知識の泉)
『貴女は時空間魔法の時空間倉庫を使えるので、あとは付与魔法を覚えれば袋やカバン何かの入れ物に付与するといいでしょう。それで作れます』
(付与魔法を教えて)
『魔力を全身に巡らせたら付与したい魔法を思い浮かべて細部まで想像します。付与・付け加えて与えることを強く思い、付与したいものに授けます。これを繰り返して慣れてください。そうすれば習得出来ます』
(一度付与したものは、付与を外すことは出来る?」
『当人が付与したものなら出来ますが、その後付与されていたものは魔法で付与し、魔法を取り除く作業をするので脆くなります』
取り外すと脆くなるなら初めは石で練習しようかな?家の裏に開拓の時に出た石がいっぱいあるし。
(付与したものに持ち主の指定は出来る?)
『出来ます。付与前の想像の段階でイメージに加えてください』
出来るなら、盗難の心配もしなくていいか。家族みんなの分の魔法の袋を作れるように頑張ろうかな!
『今、思い出したが、あの家族に禁忌魔法を使えるようにしてしまった』
『どうする?取り上げるか?』
『この世に加護を与えている者はそんなに居ません。善良な人達でしたし、様子を見ては?』
『それもそうだな。停滞した世界には波紋も必要ぞ』
『それに習得できるかもわからんしな』




