金色の森へ 3
ん、んん?硬い。身体が痛い。喉も渇いた。ゆっくりと目を開ける。口元が冷たい。手で触ると涎が垂れていた。無意識にクリーンをかける。
ぼけぼけと身体を起こすとにーにとねーねが両側に横になって倒れていた。
「にーに、ねーねぇ」
私はにーにを揺さぶる。ほっぺも叩く。起きて!不安だよ。
「にーにーぃ!」
「ん、んあ、痛い、痛いよフェリ」
「にーに、起きたぁ!」
にーにに、ガバリと抱きつく。不安だったんだよ!
えっ、うえっ、と泣いていると、にーにが起きて抱きしめてくれた。
あ!後はねーね!
「ねーね!」
にーにとねーねのとこまで行ってねーねのほっぺをぺしぺしと叩く。
「ねーねぇー」
「フェリ、そんな起こし方じゃリーヌが可哀想だよ」
「う?」
「リーヌ、カトリーヌ!起きて!朝だよ!」
朝じゃないよ。多分。
「んう?眠い〜」
「おーきーてー!」
「ねーね!」
「ぐふっ!」
あ、ねーねのお腹に乗っちゃった。でも、そのおかげで起きた。
「みんな無事だな。フェリは泣きすぎ」
「だって、みんな、寝てたもっ!」
「不安だったんだな。よしよし。リーヌ起きれるか?」
「うん、起きる。何があったの?」
「僕達はみんな寝ていたらしい。フェリが言うにはね」
「あれ?頭の上に何かある」
「本当だ。誰か来たのかな?」
「向こうにもあるよ!何か3つ置いてある!」
『其方らに授けた。使うが良い』
「また、声が聞こえた!使っていいの?」
「そうらしいね。多分だけど、僕達は神の身元に来てしまったんじゃないかな?」
『そうだ。愛子達よ。またおいで』
「あ、ありがとうございます!」
「ありがとう、ございます」
「ありがとう、ごじゃいます」
涙が止まって来た。神様の身元?神殿だと思ったのは間違いじゃなかった?
「ふーちゃん、これ鑑定して?」
ねーねがなんか神々しい布を差し出して来た。鑑定で見てみる。
ー聖布ー
聖母神が授けし聖なる布。どんな人でもこの布を触れば安らかで悔い改める気持ちになる。防刃・防汚・防魔法。持ち主からは奪えない。不壊。 持ち主:カトリーヌ・フェルン
ねーねに鑑定結果を教えるとびっくりして、聖母神様に祈っていた。
ねーねが祈ると何か神々しい光がほとばしった。
「ひゃあ!」
「うわぁ!」
「えっ、どうしたの?」
「ねーねから光が出た」
「リーヌ、誰もいない所で祈ろうな」
「うん?」
次は私の頭の上にあった物。なんか、光輝く鍋?魔女の鍋みたいだけど、横に綺麗な模様がある。鑑定!
ー錬金釜ー
知識と魔法の神から授けし錬金釜。神器。使い方は持ち主が分かる。不壊。 持ち主:フェリシア・フェルン
おお〜〜!!凄いの貰っちゃった!鍋を持ち上げると棒が中に入っていた。
使い方も頭の中に情報が刻みつけられたみたいで分かる。
最後はにーに。綺麗なこれまた神々しい剣が置いてある。鑑定!
ー聖剣ー
闘神が授けし聖剣。神剣。邪なるものを切り裂く力が備わっている。持ち主以外が使っても切れない。不壊。 持ち主:シャルル・フェルン
「闘神様!ありがとうございます!大切にします!」
私は時空間倉庫に錬金釜を入れておいた。ねーねとにーには大切そうに手で持っている。
にーに、パパンに剣術教わっているくらい好きだもんね。
「帰ろう。にーに、ねーね」
「そうだね、帰ろうか。パパとママが驚いちゃうね」
「そうね、私達、神様に声をかけてもらったのよ」
扉を出たら、振り返って平伏した。それから立ち上がって入り口まで歩いていく。もう、怖さは無かった。
結界から外に出ると、もう、日暮れ近くだった。私達は途方に暮れる。
瞬間移動で帰るしかない!
にーにとねーねに抱き合ってもらい、空間を大きめに取って、家の裏の畑に移動させた。私も慎重に瞬間移動する。
3人で家に入った。
「「「ただいまー!」」」




