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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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金色の森へ 2

 シリアスな展開になってにーにが1人で金色の壁に向かう。


 危ないかもしれないなんて思ってなかったんだよ!にーに戻って来て!


「にーにー!」

「ふーちゃん」


 ねーねにぎゅっと抱きしめられる。体格差がうらめしい。


 仕方ないので、にーにを見守る。にーにの結界に魔力を余分に注ぐ。にーに。


 金色の壁ににーにが近づくと不思議な事が起こった!真っ直ぐ歩いていたにーにがゆっくりとUターンをして戻って来た!


「あれ?フェリ、リーヌ?なんで?僕、真っ直ぐ歩いてたのに……」


「にーに真っ直ぐ歩いてなかった」

「シャル兄、途中で引き返してきたよ」

「あれ?どうしてかなぁ?」


 目眩しの効果が壁にはあるのかもしれない。


「次は壁が見える私が行くよ!」


「そうだな、みんなで手を繋いで行こうか」


 私を真ん中にしてきらきらの壁に歩いていく。目の前まで来たら、にーにとねーねに手を引っ張られたから止まる。


「にーに、ねーね、どうしたの?」


「え、普通に真っ直ぐ歩いてたよ」

「私も」


「にーに、ねーね、多分、認識阻害されてる。私が引っ張るからついきて!」


「うん」


 にーにとねーねをゆっくりと引っ張る。2人の目線がおかしい。違う方向を向いてる。


「わっ、わわっ!ふーちゃん大丈夫?」


「大丈夫!」


 一度止まって壁に手をつけると、手が通り抜けた。なんかおかしい。魔力が吸い取られてる。

 結界を再度張り直して、にーにとねーねの手をしっかりと握って壁にあたる!


 何か引き剥がされる感じがして3人で壁の中に入った。


「うわ!」

「え〜〜!」

「入った!」


 壁の中は真っ白な大きく神々しい建物があった。

 3人でしばし、惚けた。


 大きい綺麗な建物。こんなのが隠されていたなんて。何をする建物なのかな?地面が花だらけだ。踏むのがもったいない。

 あ、鑑定しちゃった。何々、薬効があるって!摘んでいこう!


「にーに、ねーね、歩く道にある、この花摘んでいくよ!手伝って!」


「あ、ああ、歩けないし摘むか」


「お花摘み〜♪」


 みんなでしゃがんで建物の入り口まで花を摘んでいく。ねーねは楽しんでいるみたいだ。綺麗な花だもんね。

 なんていうか、芍薬の花っぽい。本物より小ぶりだけど。


 摘み終わった花は私が貰って時空間倉庫に入れておく。


 思ったより時間がかかって、1時間くらい経ってしまった。やっと入り口だ。

 ちょっと怖いからねーねとにーにと手を繋ぐ。


 3人でゆっくりと中に入る。どこからか日が差し込んで暗く無い。だんだんと美術品を見るように彫刻の跡なんかを見ていく。


「にーに、ねーね、綺麗ねー」

「本当だね。綺麗だよ」

「なんか、教会みたい」


 教会みたいか。当たってるかもしれない。教会よりも神殿みたいだけど。


 奥の間に来た。大きな扉が開いていて中に燃えるような黄金の光の玉がぼうぼうと炎のように吹き出している。


『よく来た。汝ら、願いを叶えよう。さぁ、願いひれ伏すのだ』


「にーに、ねーね、声が聞こえた」

「聞こえたね」

「ひれ伏せだって、ひざまづいたらいいのかな?」


 3人で黄金の炎の前にひざまづいて、私は手を伸ばしてひれ伏す。にーにとねーねも真似をした。


 その瞬間、地面しか見えないけど、圧力を感じた。怖いくらいの圧力!!ねーね、にーに、大丈夫かな?


 身体に何かを詰め込まれる感じがして、目が開けられなくて、身体を上から押さえつけられるような感じがして苦しくて、いつのまにか気絶していた。



 黄金の炎は3人を包んだ後にはぼうぼうと吹き出すことはせずに、ゆっくりと綺麗な黄金色の炎を揺らめかせるだけになっていた。


 3人の子供は床に伏せて気絶していた。


『珍しい魂の持ち主が来たものよ』

『他の魂も綺麗な色をしているわ』

『純粋だが力を求めていた。我らの溢れる力を受け止める度量もある』

『しかり。悪に染まらぬように刻み込まねば』

『幼な子よ。純粋だわ』

『なればこそ。悪に染まりし時は我らが抑え込まねば』

『久しぶりに楽しいわね』

『我らの力が溢れそうだった。良い時に来たものよ』

『3人共、嬉しそうに花を摘んでたわ』

『しかり、しかり、良いものを見た』

『祝福を、我ら3柱と相性が良い者達が揃っておる』

『汝らに祝福あれ』


 3人兄妹に黄金の光が降り注ぐ。


 3人は知らずに受け止めていた。


 目を覚ますのは、もう少し後。早く目を覚さないと怒られちゃうよ。



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