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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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生活魔法 1

「フェリシアも生活魔法のスキルを貰ったから今日から練習しようか」


「やったー!」


 ずっとにーにとねーねが羨ましかったんです!パパン教えて!確かコップを用意するんだよね!


 コップを目の前に置いて椅子に座ってパパンを見る。めっちゃ期待してます。


 私にキラキラした目で見つめられたパパンはちょっと引いたようにしたが、気を取り直したようで教えてくれる。


「んんっ!今からフェリに魔力を流すから自分の魔力を探してみなさい」


「はい!パパ!」


 パパンの手から温かいものが流れてくる。これが魔力か。私の中で探すんだよね。鑑定してる時はどこから魔力が流れるんだろう?あ、コップを鑑定しちゃった。でも今、目が温かくなったぞ。頭から?


 頭を意識して魔力を出そうとすると、ブワッと身体を魔力が巡った。うおう!全身がポカポカするー。


「パパ、頭から魔力が流れたよ。全身ポカポカするー」


「はっ?もう分かったのか?魔力か?その状態のまま『ウォーター』と言ってコップに水を注いでみなさい」


 コップに水を注ぐ。水のイメージ。そういや、山の湧き水が美味しかったよなー。


「ウォーター」


 コップの縁ギリギリまで水が入った。


「はっ?」


「パパ、水いっぱいー!」


 パパンが間抜けな顔になってしまった。でも1回でコップギリギリまで水が溜めれるなんて不思議。にーにでも少しの水からだったと思ったんだけど、人によって違うのかな?


 パパンが再起動しない。椅子に立ってパパンをくすぐってみよう。


「パパ、こしょこしょこしょこしょこしょ」


「わははっ!って、な、何するんだフェリ!男の人にそんな事しちゃいけません!」


「パパ、固まってた」


「おー、悪かったな。なぁ、フェリ、その水飲んでいいか?ちょっと確かめたくてな」


「いいよー!」


 コップの縁ギリギリまで水が入ってるから、パパは机に顔を近づけてすするように水を口の中に入れた。


「!!!ゴクリ。何だ!これは!美味しすぎる!フェリも飲んでみなさい!」


「うんー」


 コップに入ってる水を飲む。あっ、山の湧き水の味だ。美味しい。


「パパ、美味しいよー!」


「そうだよな!美味しいよな!ママにも飲んでもらおうな?」


「いいよー」


 パパはコップを持ってママの居る子供部屋まで行った。

 子供部屋から小さな叫び声が聞こえた後、なかなかパパンが帰って来ない。


 椅子の上でだらーんとしてたら、パパンとママンと何故かにーにとねーねも来た。


「ああ、フェリ、待たせてごめんな。もう一度さっきの水を入れてくれるか?」


「うん」


 山の湧き水を想像して、水の量も加減して。


「ウォーター」


 コップに8分目で水が入った。2回目でこれってどうよ!ちょっとドヤ顔になってたら、目の前で家族が水の取り合いをしていた。


「ママが飲むわね」

「僕に飲ませてよ」

「私も飲みたーい!」

「パパもな、飲みたいかなー」


「みんなコップ持ってきたら水入れるよ?」


 みんな自分のコップを持ってきた。私のコップはママンが持って水を飲んでる。ママン強し。目の前に用意されたコップに水を入れますか。


「ウォーター、ウォーター、ウォーター」


 さっと水の入ったコップが無くなる。


「これだ!この味!おいしい!」

「水がこんなにおいしいなんて!」

「ごくごくごく、おかわり!」


 ドンと目の前にコップが4つ並んだ。山の湧き水、ウォーター。


 目の前のコップ全部に水が入った。


 あれ?今めんどくさくて詠唱しなかったような。あっ!そういえば鑑定も詠唱しなくても出来てる!魔法は詠唱しなくても使えるんだ!


 パパンやママン、にーにもねーねも水を飲むのに夢中になって気づいて無いな。


「パパ、ウォーター詠唱しなくても水が入ったよ」


「んんぅ!本当かい!?このコップに入れてごらん」


「うん」


 ウォーター。水が入った。


「おおっ!無詠唱!フェリシア!凄いじゃないか!一握りの人間しか出来ないのに!」


「僕にも出来る?」


「ウォーターをコップに向けて使ってみなさい」


「んんっ〜〜!出来ないよ!フェリは凄いなぁ」


 みんなお腹がちゃぽちゃぽになったみたいで、落ち着いた。

 みんなが無詠唱を試してる。にーには出来なかったみたいで、他のみんなも頑張ってるけど出来ないみたい。


 私、もしかして凄い?



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