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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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あたたかい

 最近、暖かくなって、ねーねが外で森に向かって風魔法の練習をしてる。


 それを、柔軟をしながら羨ましそうに眺める私。


 だって魔法だよ!生活魔法も羨ましかったけど、風魔法も羨ましい!


 生活魔法は家族みんなが覚えてるから(あ、アンリは覚えてない)私も5歳になれば覚えれると信じてる!


 でも魔法〜!やっぱり羨まし〜〜!


 せっかく魔法が使える世界に生まれて来たからには魔法を使ってみたい!

 この世界には神様がいるんだよね!?神よ〜私を魔法が使えるようにしたまえ〜!


 ちょっと偉そうだった?もっと真摯に祈るべき?でも教会はママンが一緒じゃないと行けないし、行ったことないし。


 前世の記憶も使って生活を便利にしたいし、文字や計算や魔術の勉強もしたい!

 でも、前世の記憶は訳に立たなそうなことしか覚えてないんだよねー。もっと雑学とかテレビで見ておけばよかった。


 農業関係はママンの『緑の手』でチートだし。お野菜が元気元気!虫なんてバリアでもあって弾かれてるんじゃ無いかってほどいない。あ、ちゃんと受粉はされている模様。蛇もいたけどね!私、ちゃんと田舎の子してます。


 蛇を退治して昼寝した後にステータスを見たらHPが2だけ上がってた。命の危機?に瀕したからかな?それとも蛇を倒したからかな?よく分からん。


 あっ、ねーねがMP使い切った。お昼寝かな?ついてって一緒に寝よう。鑑定、鑑定、鑑定、鑑定……。






 ある日、家の隣の畑の横で走っていると盛大にこけた。


 顔と手と足の痛さに、ギャン泣きしたら、ママンが家から飛び出して来て私を助け起こしてくれたけど、痛さで涙が止まらない。


「きゃあ!!フェリ!!大変!ちょっとだけ待っててね。医者に行くからね!」


 ママンが急いで家に帰って、私の傷が痛さでジンジンしてきた頃、アンリをママンがおんぶして私を地面から抱っこしてくれた!


 もう私小さくないのにママン重さ大丈夫?アンリもおんぶしてるんだよ!驚いて泣き止んだ。痛いのは変わらないけど。


 なんか顔から垂れてきた。汗かな?手で拭うと血が手の甲にべっとりとついた。

 どきん!と心臓が跳ねた!え、私の傷そんなにヤバげなの?か、鏡が欲しいっ!だから、ママンが焦ってたのか!そういやママン早足で歩いてる。子供を思う親の火事場の馬鹿力か!


 ママンの息が荒いよ。ママンこけて心配かけてごめんね。



 医者に着いたみたいだ。ママンが家の扉を開ける。


「はぁ、パウエルさん!うちの、はぁ、フェリシアを見て下さい!はぁ、こけたみたいで血だらけです!」


「まま」


 ママンから見ても血だらけなの!?私の顔大丈夫?


「はい、はい、おやまぁ、血が出てるね。こけたなら傷口を洗わないと。外の水瓶の所まで行くよ」


 そこからは地獄だった。砂が傷口に入り込んでるかもしれないからって、傷をえぐるように洗うんだもん!また、ギャン泣きしたらママンが青い顔して泣きそうになるし、医者の先生は優しく声をかけてくれながら容赦ないし。手も足も洗ったよ。


「ほら、泣かない泣かない。痛いのもすぐ無くなるよ。大人しくして。余計に血が出るよ」


「ぎゃーんうぎゃーうぎゃー!」



 布切れで洗った所を拭いて水気をとったら、家の中に連れられて、簡易ベッドに抱っこで座らせてもらった。


「はーい、ポーションつけるよ〜。じっとしてね〜」


 何か液体みたいなのをつけられて「しみる!」と思ったら何か温かくなってきた。

 手にもちょんちょんとつけられたらみるみる傷が塞がった!膝小僧も同じだ!


 最後に布切れで血を拭われた。痛いのがなくなった。


「良かった。フェリ。パウエルさん、ありがとうございます。それで、お代はいくらでしょう?」


「はは、こけた子供の怪我なんてすぐに治りますよ!お代は微ポーション1本分なので、銅貨7枚貰いますよ」


「いえ!そんなに安くないはずです!全額払いますから教えてください!」


「大丈夫ですよ。だーいじょーぶ。子は宝ですからね。将来も、うちをご贔屓にしてくれればいいですよ」


「まあ、ありがとうございます。フェリもお礼を言いなさい」


「ぱうえるさん、ありがとう」


「いいよ〜。フェリちゃん?」


 パウエルさん?先生?が頭を撫でてくれた。30歳くらいの男性だ。子供が好きなのかな?


 ママンがお金を払ったら、ママンとパウエルさんに頭を下げてから、ママンと手を繋いで家まで帰った。


「フェリ、遊ぶのはいいけど、危ない事をしては駄目よ。今日みたいに痛い痛いになってしまうからね?」


「はい、まま、ありがとう」


「ふふっ、どういたしまして。ママを余り驚かせないでね」


 なんだか、家までの帰り道は心があたたかかった。



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