表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェリシアの魔法の物語  作者: はる
17/59

牛のお乳

 春だ。


 にーには教会にお勉強に行った。午前中だけらしい。

 パパンも狩りに出かけた。パパンいってらっしゃい。


 ママンのお腹は少し膨らんだらしいけど、ちょっとぽっちゃりしたママンのお腹だから分からない。ごめんねママン。


 畑でねーねとママンのお手伝い。

 今日は種まきだよ。ママンに教えてもらってねーねと競争するみたいに種をまく。


 ふーっ、身体を動かすと春でも汗をかくぐらい暑くなる。種まき、一つの畝でも長く感じる。

 ねーねもママンも汗をかいてる。


 んーっと背伸びをしたら、頭の重さにひっくり返りそうになった。私は幼児。私は幼児。思考が出来るもんだから、すぐ身体が小さい事を忘れちゃう。


 多分1時間くらいたったら、ママンが「休憩するよー!」と呼んでくれたので、コップに入った水を貰う。

 ぷはーっ!生き返る。ママンもねーねもごくごくと水を飲む。


 ちょっと休憩したら、また畑仕事。

 畑仕事結構大変。ママン妊娠してるのに大丈夫かなぁ?ちょっと心配。ママンのぶんも頑張らねば!教えてもらったとおりに種をまく。

 穴を開けて種を入れて、土をかぶせる。間を開けて、また同じ。


 私の小さい手じゃ、沢山種を持てないから器に入れてある種を取って、またまく。


 私達の食事になるんだもんね!頑張らないと。


 税金とかってどうしてるのかな?麦で納めてるのかな?まだ謎。子供には難しいことを教えてくれない。早く勉強も魔法もしたいのに!


 にーにとねーねが羨ましい。私も鑑定以外の魔法が使えないかな?毎日、魔力切れにするのもMPが増えて大変になってきた。鑑定、1回に1しかMP減らないからね。


 何度か休憩して、にーにが帰ってきたらお昼ごはん。この文明度で昼食があるのが嬉しい。よく動いたからお腹ぺこぺこだよ。


 ママンが簡単そうに、ささっと作ってくれるけど、美味しいんだなぁー。


 子供達とママンで昼食を食べる。

 冬の塩漬け肉を使っちゃいたいみたいで、塩味の炒め物と私は水でふやかしたパンみたいなの。他の家族のパンは薄切り。ちょっと固いみたい。


 食事の改善もしたいけど、ママンのごはん美味しいんだよね。改善はパンと調味料くらいかな?でも、普通の会社員だった私には、小さい頃にしたパン作り体験くらいしか記憶にない。もっと詳しい情報を持てたら良かったのに。


 訳にたたないな、私。


「フェリ、どうしたの?お腹痛い?」


 暗い顔をして、食べる手も止まっていたようだ。笑顔を作ってママンに否定する。


「だいじょうぶ!かんがえごとしてただけ」


「そお?ごはん食べれる?」


「たべれる!おいしい!」


「あら、ありがとう」


 大きくなったら、いろんな事にチャレンジしてみたい。まずは丈夫で柔軟な身体作り!畑仕事を頑張って、遊びでいろいろ鍛える。


 あーん、でも牛乳飲みたいなぁ。飲み物、水だけだもんなぁ。


「まま、ぎゅーにゅーのみたい」


「ぎゅーにゅー?何かしら?」


「うしのぱいぱい」


「あら、フェリは本当にお乳が好きね。牛のお乳ね。朝早く雑貨屋に行けば売っているでしょうから、いってこようかしら?」


「ある?おちち?」


「あるわよー。ただ、家畜を飼っている場所が村の中でも遠いだけ」


「ぱいぱい!」


「はいはい、明日行ってくるわね」


「ママ、牛のお乳ってー?」


「何ー?」


「あら、みんな飲んだことなかったかしら?明日買ってくるからね」


「明日ね」「明日」


 楽しみが増えた。


 翌日、私は雑貨屋までついて行くと邪魔になるから、ねーねとお留守番。眠くない時にねーねに撫でられるとぽわーんとして多幸感が溢れてくる。


 ねーねに抱きつくと背中を撫でてくれる。優しいねーねで大好き!


 ふにゃ〜んとしてると、ママンが帰ってきた!


 なんか、大きい入れ物を持ってる!ママン大丈夫?


「まま、おもい?」


「う〜ん、ちょっと重いかな?」


「まま、たいへん!たいへん!」


「これぐらいなら大丈夫よー。みんなが帰ってきたら飲みましょうね」


「うん!」「楽しみ!」


 ねーねと手を繋いで笑顔。


 ママンが帰って来たから、畑仕事。頑張るぞー!




 夜になってパパンが帰ってきたら、牛のお乳をみんなで飲む。


「おいしー!」


「これ好きー!」


「美味しい!」


「子供達、牛のお乳、初めてだったのよ」


「そうか、飲ませてなかったか。生活も安定したし、これからは5日に一度くらいは飲ませてやれるだろう」


「そうね」


 牛のお乳は濃厚で少し生クリームみたいにまろやかだ。もしかしたら、バターと生クリームを分離してないのかもしれない。凄く美味しい!ちょっとだけ野生的な香りがするけど。


 今度からは5日に一度は飲めるんだ!嬉しいな!



ブックマークありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ