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フェリシアの魔法の物語  作者: はる
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雑貨屋に行こう

 冬の間は、まだママンのお腹が不安定だから、パパンが頑張って家族の面倒を見てくれる。


 パパンにトイレに連れて行ってもらうのが恥ずかしくて、危うく漏らしかけた。人間切羽詰まってると恥ずかしさがどっかに行くね。

 今じゃ平然とパパンにトイレに連れて行ってもらう。


 パパンは料理も出来て、ママンほど上手じゃないけど男メシ!って感じで、普通に食べられる。


 ママンと家族を大事にしてくれるパパンは世界一のパパに違いない。


 家事を苦にせずにこなしてくれる。これにはママンも大助かり。惚れ直したね。きっと。


 子供3人は、ママンがいつも一緒にいてくれるから、普段、甘えられない分もべたべたに甘えている。ママンの匂い好き!抱きしめられると嬉しくてぎゅっと抱きついちゃう。


 パパンだけ忙しくてごめんね。お手伝いするにも、まだ小さいんだ。だって2歳。パパンの邪魔にしかならない。



 にーには、この冬の間にコップ一杯の水を出せるようになった。このくらい出来ればいいんだって。次はファイアを頑張っている。にーに、勤勉だね。


 この村は文字や計算、勉強を教えてくれる所は無いのかな?


「まま、もじのべんきょーおしえて?」


「あら、フェリには、まだ早いわ。先にシャルルが勉強しないといけないからね。今年から教会に行かせようかしら?」


 どうも教会で勉強出来るらしい。早くいろんな事を知りたいけど、ママンが許してくれなさそう。


 ママンには甘えて満足したし、柔軟でもしてよう。


 柔軟してると、にーにとねーねが真似してくるんだよね。娯楽が無いから、こんな事でも遊びに繋げちゃう。

 コロコロでんぐり返りしたり、足を広げて身体を床につけたり、壁に向けて逆立ちしたり。逆立ちはまだ早かったのか横に崩れてしまった。悔しい。

 にーにとねーねは成功してる。


 部屋でドタバタしてるとパパンが様子を見に来た。


「凄い音してるけど、大丈夫?」


「子供達が遊んでいるのよ。危なくは無いみたいだから、好きにさせてるわ」


「それならいいけど。ちょっと休憩しようかな」


 パパンが台所から人数分の水を持って来てくれた。みんなでゆっくりと飲む。


「子供達に何か遊び道具でも買ってあげようか?貯めた金はあるし」


「そうねぇ。暇そうにしてる時もあるし、雑貨屋に行ってみる?」


「リーザは家にいるんだよ。温度の変化が身体に悪いからね」


「大丈夫なのに。でも待ってるわ。子供達をお願いね」


 水を飲み終わったら、おでかけすることになった。雑貨屋、どんな所だろう。


 みんな服を着込んで、私はパパンに抱っこされて、にーにとねーねと外に行く。


 もうすぐ冬も終わりだと思うのにまだ寒い。雪も積もってるし、にーにとねーねは歩きながら新雪に足を入れて楽しんでる。

 パパンはゆっくりと歩いて、子供に合わせてくれる。


 にーにが滑って雪に全身で突っ込んだ。パパンが慌てて、にーにを起き上がらせて服についた雪をはらう。


 その後にねーねも突っ込んだ。パパンは大忙しだ。全身で突っ込むのも楽しそうだけど、私じゃ雪の中を歩けないだろうから、抱っこでちょうどいい。


 目的地に着いたらしい。ちょっと大きい家だ。

 パパンがノックしてドアを開ける。にーにとねーねを先に入れてパパンと私も入ったら、ドアを閉める。床にゆっくりと下ろしてくれた。


 中は普通にお店だ。ちょっとがらんとしてるけど。村のお店にしては大きいかな?


「こんにちは。子供達の遊び道具になりそうなおもちゃはありますか?」


「エリックさん、いらっしゃい。雪の中ご苦労様だね。おもちゃかい?種類は無いけど、この辺りだね」


 初めて見るおばちゃんが案内してくれる。人形や木のおもちゃが並んでる。にーにとねーねの目がキラキラしてる。


「みんな1つずつ、おもちゃを買ってあげるから選びなさい」


 にーにとねーねが色々触る。おもちゃコーナーは小さいから、私は後からでいいや。それよりも他の場所を見る。


 靴やカバンや木の食器。何に使うか分からない物もある。

 キョロキョロ見てると、おばちゃんに見られてたみたい。


「末の子かい?好奇心があるみたいだね」


「そうです。フェリもおもちゃを買ってあげるから選びなさい」


 後ろからひょいっと持ち上げられて、おもちゃコーナーに運ばれた。


 にーには子供用の木剣を選んだようだ。ねーねは人形を抱っこしてる。


 私はおもちゃ売り場を見て、どれにしようか悩んだ。手が不器用だから、手のトレーニングが出来るのがいいな。


 多分、積み木があったので、パパンに「これ!」と言う。

 パパンはそれを持って、おばちゃんに値段を聞いてお金を払っている。お金、初めて見た。よく見たくてうずうずする。ああ、しまっちゃった。


 にーにとねーねは買ってもらったおもちゃを離さないので、そのまま自分で持って、パパンはおばちゃんに挨拶して私のおもちゃを持ってドアを開けて外に出た。


 にーにとねーねは、はしゃいで、また滑ってこけてたけど、パパンも慣れたみたいで慌てずに助けていた。


 家に帰ったら濡れた服をパパンが干す。にーにとねーねは早速おもちゃで遊んでいる。


 木剣を振り回してにーに危ない!パパンが横について振り方をにーにに教えていた。そうだ!パパンは狩人だからプロだ。私もそのうち教えて欲しいな。


 買ってもらった積み木で遊ぶ。いい訓練になりそうだ。



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