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テーマ詩集:身体検査

歯ならびと刃こぼれ

作者: 歌川 詩季

 私には、にこやかな笑顔をくださるみなさまがいて、幸せものです♪

 あたりさわりのねえことばだけを

 えらんで(うた)いあげることなどできねえ

 あんたに むけたしかめつらがならぶのを

 おれはどんなきもちで見てたのか


 できればおれも そんなふうに

 薄衣(うすぎぬ)いちまい 半裸の歯ならびで

 にかにか わらって 肩をたたいてやれりゃいいが

 つくり笑いで閉じた唇のした

 おれは どんな歯ならびで あんたを見てたのか



 ()くはねぇな 嫌いだぜ 出直してこいを

 穴掘って 埋めた ぼこぼこの庭で暮らすなら

 悪くねぇな 好きだぜ 愛してるの

 花が咲いてたって ありがたみと風情(ふぜい)に欠けるよ

 好きが やすっぽいつくりものにならねえためには

 嫌いも ばらまいてやらなきゃならねえのか


 やれやれ なんて不器用なやりかただ



 あたりさわりのねえことばだけを

 えらんで(うた)いあげることしかできねえ

 おれへと むけたすましづらがならぶのを

 あんた どんなきもちで見てたのか


 できればおれも そんなふうに

 襤褸衣(ぼろぎぬ)いちまい 半裸の刃こぼれを

 ぎしぎし (きし)ませ (はら)(さば)いてやれりゃいいが

 眉を(ひそ)めて締めた(ふところ)のした

 おれは どんな刃こぼれで あんたを見てたのか


 やれやれ なんて不器用なやりかだ

 やれやれ なんて誠実な生きかただ


 すましづらをならべられた こんなおれが

 しかめつらをならべられた あんたのこと

 なんだか憎めねえのは


 つくり笑いで閉じた唇のしたの おれの歯ならびと

 眉を(ひそ)めて締めた(ふところ)のしたの おれの刃こぼれの

 そのせいだろうぜ

 すましづら、はリアルのほうの私にむけられたものかも(汗)

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― 新着の感想 ―
[一言]  同じ方向を見ていないからこそ、互いの背がうしろにある。  寄りかかりはしないけど、寄りかかれはしないけど。だからこそ、まっすぐ立てる。  互いに不器用で誠実な強さ。  私にはそんな風に…
[一言] 好きを表現するのなら 嫌いも表現しないとならない 分かる気はします。 不満を溜め込めば 自分を壊すし 不満を垂れ流せば なんのために我慢したのか 好きだから、 敢えて痛みを伴うことも言…
[一言] 今までの詩も凄いとは思ったけど今作ではその集大成と来ましたか。 自分の中の想いをさらけ出したいがそれを恥ずかしがる気持ちのせめぎ合いの表現は、ここを素人投稿の場だって理解してないのかと物申し…
2022/11/09 07:35 退会済み
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