怒りの一撃を魔王に叩きつけました
「痛い!」
私は男に殴られていた。
ここはおばあちゃんと一緒にいた家だ。そうだおばあちゃんは死んでしまったのだ。そして、男たちが来て・・・・。
男は私の腕を掴むとそのまま馬車に連れ込もうとしていた。
助けて王太子殿下!
そう思ったが、そんなにうまいこと王子様が助けに来てくれるわけはない。
私は連れ込まれた馬車の中で男たちにボコボコにされていた。
「エレ!エレ!」
しかし、そこに王女様が助けに来てくれた。
「えっ、マリアン」
はっと気づく、そうだ私は魔王に殴られていて
「ギャッ」
マリアンの悲鳴が聞こえた。
ぼやけた私の視界の端で蹴り飛ばされるマリアンが見えた。
「ヒール!」
私は私にヒールをかけた。
一瞬で頭がはっとする。
周りを見ると地面は血だらけだった。
ピーターやポール、マイケルらが血だらけで倒れていた。
みんな私を助けてくれようとしたのだ。
そして、マリアンも。
そのマリアンを蹴り続けようとした魔王と目があった。
「き、貴様、気がついたのか」
魔王が青くなる。
「よくもよくも私の友達に」
私はプッツンキレた。
「喰らえ! ヒール」
私は魔王に浄化魔術を叩き込んだ。
魔王が吹っ飛ぶ。
ついでに周りにもヒールをかける。
皆倒れたままだが、傷があっという間に塞がるのを確認した。
マリアンも倒れているがなんとか生きていそうだ。
もう少しチャンと確認したいが、でも先に魔王だ。
私は頭を振って立上った。今度こそ許さん!
「よくもよくも、やってくれたわね。私の大切な友達を傷つけるなんて、お前だけは絶対に許さない」
私はギロリと魔王を睨みつけた。
「いや、待て、待ってくれ」
魔王が懇願するふりをしてくれた。
「頼む、俺が悪かった。このとおりだ」
魔王が私に土下座した。
ふんっ、そう言って今度も殴りかかってくるつもりだう。
私はイリュージョンをかけた。
ゆっくりと私が魔王に近づく。
「ふんっ、引っかかたっなこのブス眼鏡」
魔王は私の足をとって引っ張った。
私が倒れる。
それに馬乗りになって殴りかかる。
私は怒りに任せて私を殴りかかる魔王を冷めた目で見ていた。
「死ね! 死ね! 死ね!」
魔王は叫んで私を殴っていた。
でも、何か変だと魔王は思ったのだろう。
ふと、顔を上げた魔王は、冷めた目で見下ろしている私と目があった。
「えっ、えっ、ええええ! 何でお前がそこに?」
魔王は狼狽した。その瞬間、私の幻が消える。
「いや、これは」
魔王が慌てふためく。必死に言い訳しようとした。
「あんたの本性はよく判ったわ」
私は言うと魔王に殴られて歪んでいた眼鏡を外した。
「えっ」
遠くから見ているギャラリーから変な声が上がった。
何に驚いているかよく判らないが、私が極端な近視だと言っていたから、外したのに驚いているのだろうか?
そう、私は今までは魔力を小さくする認識障害眼鏡をかけていたのだ。
その眼鏡を外したのだ。今度こそ、許しはしない。
「じゃあ、次は本気を出させてもらうわ」
私はそう言うと私は右手を大きく振りかぶった。
「いや、ちょっとまってくれ。今のは気の迷いで」
必死に魔王は懇願する。いくら仏のエレでも3度はないわ。
「地獄に帰れ、ウルトラスーパーエリアヒール」
私は叫ぶや手を魔王に向けて振り下ろした。
手が金色に光り輝く。
そして次の瞬間に黄金色に光り輝いた見たこともない大量の聖魔術が魔王に襲いかかった。
「ギャーーーーーー」
凄まじい悲鳴とともに魔王は聖魔術に包まれた。
その聖魔術は魔王の周りで渦巻くと魔王を圧縮する。
魔王はどんどん矮小化して、そして、完全に聖魔術で圧縮され尽くすと消滅していた。
皆様、ここまで読んで頂いてありがとうございました。
この物語も明朝と翌明朝の2話で完結です。
評価まだの方はぜひともよろしくお願いします。




