夢見がちラノベライター
僕は最近の小説、特にライトノベルという分野の在り方に疑問ををもっている。
それは何かと言えば主人公の境遇である。
「なんだ最近のラノベは!異世界転生ばっかじゃねぇか!何でもかんでも異世界飛ばしてチーターにしてれば面白いと思ってるんじゃねぇのか!」
今日も『一から』の最新卷を読みながら僕はそう言い放つ。
『一から』とは5年前から出ているライトノベル、『一から異世界転生をしてみました。』のことであり、主人公のツバサがとあるきっかけから異世界に転生してしまってからの生活を描くライトノベルである。2年前にアニメ化されてから人気が爆発している。最新巻が先日出たばかりである。
「こんな文章で売り切れ続出なら僕でも大ヒット取れるだろ」
そう吐き捨てて『一から』を投げ捨てると僕は自分の部屋にあるパソコンの電源をつける。
「試しに書いて投稿してみようか」
僕は文章作成ソフトを開いて、タイトルはどうしようか、どんなことを書いてやろうかと考えながらも、ただストレートに物語を展開しては面白いものではないだろうと、適度にキャラ設定をいじくったり、場面表現を工夫したりした。そして……。
「完成したぞ!」
そう自慢げに一人で言い放ち、自分の完成された文章を読み返して悦に浸ろうとそう考えていた男は、文章を読み返して、一言。
「同じじゃねぇか……。」
男の文章は『一から』を模したような二次創作のような“なにか”になり果てていた。
読み返してみると何だこの文章ってなることが大半なので、あまりこのシリーズに期待しないでくださいね…………(笑)