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第35話 真相

 そんなこんなでリア充(仮)とでも言うべき生活を一日終えた俺だったが。



 こんな事は最初からお遊びである事くらい幾ら馬鹿な俺にも分かっている。



 当然だろう。学園中の嫌われもので、ぼっちの俺には望めない生活である事など、分かっているのだ。



 過去、"あんな事"をしでかした俺に惚れる奴がいるか? 答えは最早答えなんて聞かなくても分かっている。


 実葉とどんな甘い一時を過ごせたとしても、それは幻想でしかない。ギャルゲーでもやっているように、現実感が俺には感じられなかった。いや、ギャルゲーくっそ面白いけど。現実捨ててのめり込めますけど、こっち。


 帰宅前、最後のHRが終わった頃、俺は実葉がどこかしこに消えるのを見逃さなかった。



 俺は実葉にはバレないようにこっそりと後をつける。


 そして、昇降口の辺りに来たところで、俺は実葉と話している人物が姫崎である事に気づいた。



 彼女達が何を話しているかはこちらには聞こえていないが、話している内容くらい察しがつく。



 何故、俺と実葉が付き合い始めた事が、瞬時にクラス全体に知れわたっていた?


 何故、俺みたいな具にもつかないような愚か者に対して、圧倒的に有利な立場であったはずの実葉が告白なんてしてきたと思う?



 それくらいの事、俺が気づいていない筈もなかった。


 だいたい俺みたいな嫌われ者の陰キャは、盛り上がるための餌が欲しいリア充の餌食になるものだと相場は決まっている。



 大方、俺に対して恨みを持つ姫崎が、使いやすい駒である実葉を使って苦渋を舐めさせようという公算だろう。



 実際、この手の嫌がらせは存外効く。いくら俺が陰キャを気取って、青春を諦めていたとしても、希望が見えたらすがりたくもなる。


 そりゃ、そうだろう。俺だって彼女くらい欲しい。マジで。一時期はゲームにすら彼女を求めたくらいだ。欲しいものは欲しい。


 だが、現実はそんなに甘くない。学校内での地位を掴めない者には彼女なんてものは贅沢品だ。



 そんな贅沢品が棚からぼたもちとばかりに転がり込んでくれば、それはもう藁にすらすがってしまうものだ。



 けれど、俺のような”経験者”にはもう効かない。ああいう罰ゲームは辞めようね、マジで。



 そもそも俺が女の子に好かれる事なんてある訳がない。



 俺は実葉と姫崎から目をそらし、その場をあとにした。

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