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勇者の称号を得た者が役目を終えてからのお話  作者: AMITOA
~迷子は魔族のお姫様~
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勇者の制裁

お久しぶりです

しばらく更新できておらず、すみませんでした


前話:孤児院が焼かれた

 火に包まれた教会から脱出したツミナ達。


「ご、ご無事ですか! 勇者様」


 寄ってくる聖職者たち。

 ツミナはそんな彼らを無視して声を上げる。


「すみません! どなたか、医者の方はいらっしゃいませんか!?」

「つ、ツミナ様・・・私は大丈夫なので、子供たちを・・・」

「何をおっしゃる。貴方が一番重症だ」


 自分をないがしろにするドルにツミナが怒気を含んだ声を出す。

 それは勿論ドルに対してではなく、ドルをこんな状態にさせた原因の教会本部の聖職者たちにだ。


「わ、私は医者をやっています。私でよければ・・・」

「ありがとうございます。神父様を見ていただけませんか?」

「はい」


 医者という男は表情を変えてドルを診る。


「煙をかなり吸い込んだようですね。かなり深刻な状態かと」

「そうですか。治癒魔法は?」

「私はちいさな診療所の医者でして・・・あまり高度な治癒魔法は使えないのです。申し訳ありません」

「わかりました。私がやります」


 大勢の前で治癒魔法の上級魔法を使うのは気が引けたがそれよりも皆の命だ。


「high heal」


 広範囲の上級治癒魔法。

 ドルに加えて子供たちやシスターの疲労まで癒した。


「こ、これは・・・ありがとうございます、ツミナ様・・・」


 ドルが感激したように言う。もう苦しくなさそうだ。

 ドルは胸の前で手を組みツミナに祈りを捧げる。


 ツミナは大丈夫ですよ、とやんわり祈りを断り、そして向き直る。


 聖職者たちの方へ。


「ゆ、勇者様・・・」


「火をつけたのはお前らか」


 聖職者たちが言葉を探す中、ツミナは怒気を含む声で告げる。

 聖職者たちは震えあがっている。


「問いに答えろ。火をつけのはお前らだな」

「っ、は、はい・・・」


 後ろではドルやミリアが驚きを隠せない表情で聖職者たちを見る。


 カチャリ、


 突き付ける音。聖職者の頭に〖聖弾〗が突き付けられている。


「言い残したことは?」

「ゆ、勇者様っ、どうか、どうかお許しを。上からの命令で――」


 パァン


 言い訳をしようとした聖職者の頭がはじかれる。

 血が舞った。


 子供の前で()()をやるのは忍びないが、ツミナは怒りを抑えられなかった。


「忠告はした。2回もな。それでも従わなかった奴に、情けはない」


 聖職者たちが逃げ出す。

 ツミナは〖聖剣〗を出し、一瞬で聖職者たちに追いつく。


 そして――


「ぐっ」

「うわぁっ!」

「ひぃっ」


 それぞれに悲鳴を上げる聖職者たちはすっぱりと首から上がなくなった。


「きゃぁぁぁぁ!!」


 野次馬たちが悲鳴を上げる。

 だが、〖聖剣〗を見た時点でわかっているのだ。ツミナが勇者だと。


「つ、ツミナ様・・・」


 ドルが青ざめた顔でツミナを見る。

 ツミナは無表情のままドルを振り返った。


「こ、ここまでする必要はありません。私どもの為に行っていることならば、おやめください。私どもは貴方様がお助け下さった事で、救われましたから」


 ドルが少し震えながら言う。

 聖職者は基本、人を殺すことを罪という。それが、相手が悪人だったとしても。


「其方らの為ではない。私は忠告をした。それを2度無視したのは教会だ。次はつぶすと、言ったからな」


 ツミナが淡々と答える。

 そして、一瞬で跳躍し、屋根を飛び越えていったツミナが向かう先は。



「我に力を、力は我に。『(Heaven)』」


 〖聖剣〗から放たれた光。

 それは教会本部を両断した。


「うわぁぁぁ!」

「きゃぁぁ!」


 悲鳴が上がる。

 だが、そんなこと知ったことではない。


 地面にまで刻まれた剣技は人も貫いている。


「ゆ、ゆゆ、勇者様!?」

「こ、これはどういう事ですか!?」


 聖職者たちは慌ててツミナに呼びかける。

 そこには前回ツミナに無礼を働いた神官長の姿も。


「どういうこと? それはこちらのセリフだ。なぜ孤児院を焼きはらった」


 怒りに燃えた眼を見ておびえる聖職者たち。


「上からの命令だ、と神父たちは言っていたが、神官長。お前か?」

「そ、そそ、そのようなことはっ、わ、私は何もっ」


 とっさに嘘をつく神官長。彼は隣にいた者を指差した。


「こ、この者が指示を!」

「な、なんだと!? お前が言い出したのではないか!」


 そして言い合いになる2人。


「黙れ」


 だが、ツミナの一声で静まる。


「教会は奴隷商会とも繋がっているそうだな。あきれ果てたぞ」

「ッ!!」


 ツミナの言葉に2人が驚く。この反応は、()だ。


「神に使える身でありながらなんという醜態」

「お、おお、お許しを・・・二度と、このような真似はいたしませ――」


 神官長が土下座して許しを請うた瞬間。

 スパン。

 と首がはねられた。


「聞き飽きたぞ。何度見逃したと思っている」


 隣の聖職者がダランと腕を下げ、力を抜いて座り込んだ。


(もう、無理だ――。我々は、事の重大さを見誤ったのだ。勇者様が来た時点で、罪を認めるべきだったのだ)


 全てを諦めたそのものは、もう何も言わなかった。

 そして、ツミナが罰を下した。


explosion(エクスプローション)


 最後に、一言。火魔法の上級魔法を放つ。

 瞬間、教会の敷地で爆発が起こる。大きな爆発は、教会本部を焼き尽くし、人もチリ一つ残さなかった。


「神は時に、人を醜くさせる。欲望という感情を膨らませて」


 ツミナは女神アルティルーナの石像があったであろう場所を見つめて、ため息をついた。

読んでいただきありがとうございますm(__)m

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