新しい教師
ついに教師・・・
早速明日から来いと言われ、学園の方へ足を運ぶ。勿論、その足どりは重い。
(気が乗らない。いっそ勇者だといって断ろうか)
このようにやる気がない。
学園につくと一人の女性が門の前に立っていた。
「こんにちは」
するとにっこり笑いかけられる。
「こんにちは」
ツミナも笑って返す。
「あなたが新しく教師としてきたツミナさんですか?」
「はい、私がツミナです」
放しはちゃんと通してくれていてよかった。
「どうぞ、案内します」
「どうも」
彼女に案内をまかせ自分も歩き出した。
「私は去年からここで教師を務めています、アレハです。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
ツミナは彼女、アレハに会釈をする。
「とりあえず職員室に向かいますね。学園長に挨拶していってください」
「はい、そうですね。ありがとうございます」
にこりとした笑みを2人ともくずさないまま職員室へ。
がらっと音を立てて扉を開く。
アレハは何も言わずにはいっていくが、ツミナは一応失礼します、といって入室する。
「学園長室はこちらの扉をあけるとつながっています」
「ありがとうございます」
ツミナはもう一度会釈してから扉を開く。
「失礼します」
中に入ると専用の椅子に座るがたいのいい男の人が座っていた。
「おお、きたか」
「はじめまして。ツミナと申します」
「ああ、聞いている。詳しい話をしよう。座ってくれ」
中身は軽い人のようで気さくな人だ。
「それで、ええっと、シュイーツ殿下の護衛、ってことだな」
「はい、そのように仰せつかっております」
「で、戦闘を教える教師が今不在になったので変わりにそこには行ってくれると」
「はい、・・・え?」
返事をしたが言われた内容に首をかしげるツミナ。
「も、もう一度、おっしゃってくださいますか?」
「え? ええっと、戦闘を教える教師だと」
「・・・っ、」
また顔を引きつらせるツミナ。
あの方は何を考えているのか。自分の実力を知らないくせに勝手に戦闘の教師だと!?
ツミナは今からでも学園から引き返したかった。
「ち、違うのですかな」
学園長が不安そうな顔で聞き返す。
「い、いいえ。あっています。すみません大丈夫です」
もう自暴自棄のように、なんでもやってやるよ! と心の中で叫ぶツミナだった。
1
ツミナは職員室にもどって朝の朝礼のようなもので紹介されるため、前へ出ていた。
「えー、こちらが今日から戦闘の教師としてこられたツミナ先生だ」
「ご紹介に預かりました、ツミナと申します。よろしくお願いします」
頭をさげ、一礼する。
「慣れないことがあれば誰でも頼ってくれていい。では、今日もよろしく頼む!」
「「「「はい!」」」」
「解散!」
というような感じでそれぞれ講義のため移動していく。
ツミナは自分のもらった席の隣の人に声をかける。
「すみません、あの、第4講義室はどちらにあるか教えていただけませんか?」
声をかけたのは30代くらいにみえる男性教師。学問の方を担当しているようにも見えるが、もしかすると魔術担当の先生かもしれない。
「・・・ついてこい」
そっけなくそれだけいって歩みだす彼。
ツミナは駆け足で追いつくと、彼と並んだ。
「改めまして、ツミナです。よろしくお願いします。貴方の名を伺っても?」
「・・・ナイツだ。魔術を教えている」
「ナイツ先生ですか。魔術担当の先生・・・これからもよろしくお願いしますね」
「・・・ああ」
必要なこと以外は話さないタイプなのかもしれない。
その後は黙ってしまった。
2
「ここが第4講義室だ」
「ありがとうございます」
「ではな」
一礼してツミナは講義室へ足を踏み入れる。
そしてもう一度ここのシステムを把握する。
講義は戦闘、魔術、学問の3つが主な内容。そこから細かく枝分かれしているが、戦闘では剣と体術、射撃、弓術。ツミナは剣だ。魔法は火(炎)魔法、水(氷)魔法、風魔法、治癒魔法の四つ。ちなみに魔法はそれぞれ一人一つずつが基本。持っている魔力の質によって使える魔法がきまる。まぁ、例外は多数いるが。勿論魔力がない人もいる。学問は数学、物理、歴史の3つだ。そしてここに入った生徒はそれぞれ自分の受けたい講義にいく。だが、他もそれぞれ数回は強制的にいかなければならない。とりあえず誰もこなくて困っています、という状態はないようだ。
ガラガラ!
そこで勢いよくドアが開いた。
振り返ると5,6人の男子生徒がそこにたたずんでいた。
「こんにちは」
ツミナはとりあえずにっこりと挨拶をした。
「こんちは」
一番前にいた生徒がやんちゃそうに挨拶を返してくれた。少しほっとする。突っかかってくる生徒ではないようだ。案外普通で安心した。
ざわざわと中にはいってきて席をとり、いつの間にか雑談を始めた。
すると今度は別の生徒が入ってきた。一人のようだ。しかも女子生徒。後ろで一つにくくった長い髪が印象の背の高い綺麗な顔たちの女の子だ。
女の子なのにすごいな、とおもいながらも思えば《剣豪》サクラがいるのだから女の子が剣を使ってもおかしくはないか、と思い直す。
そこから男子生徒が2人、女子二人。
最後に――
最後に入ってきた人物に、部屋中がシーンと静まる。
にっこりとツミナに笑顔を向けてきたのは、何の意味があったのか。
自分が剣志望だから自分を戦闘の剣の教師に押したのか、そう考えてしまった。




