エピローグ
「《裏切りの騎士》
『ある時代、国を守る女王様がいました。そして、その女王様を守る騎士様と魔術師様がいました。
小さい頃の女王様は、前の戦争から王国を嫌っていました。
そして、ついに王国と戦争を始めようとしたのです。
ワーナー平野で女王様と王国の王様は言います。
「戦争を始めよう!」
そこへ、やってきたのは勇者様。どこからともなく現れた勇者様は、戦争を止めるように王様たちに言います。
「戦争は止めるべきだ!」
ですが、女王様は勇者様を無視して戦争を始めようとしました。
すると勇者様は、国と王国の間の道を切ってしまいました。
「戦争は中止とする!」
そして王国の王様の言葉で、戦争は止めになりました。
「認めない!」
女王様は戦争がなくなったことを許しません。
「私が勇者様を呼びました」
そんな女王様をみた騎士様が女王様に言います。
「戦争は止めるべきだったのです。命は大事なものです」
騎士様の言葉で、女王様は気づきます。戦争は命を奪う危険なものだと。
「気づかせてくれてありがとう」
女王様はこれっきり戦争をしませんでした。
めでたしめでたし。
その後、騎士様は女王様の元を去り、旅に出ました。
そして、勇者様は騎士様だったのではないか、と今でも言われているのでした。
おしまい」
絵本をパタン、と閉じる音。
「騎士様カッコいい!」
「そうねぇ」
2人の親子。母親と子供だ。
今のお話は絵本の話。でも、実話だ。多少はストーリーにするために変えられているが、だいたいは本当だ。
法国ではカラーディナとツミナの話が絵本になっていた。命が大事、ということを伝えるとともに、ツミナがいた、という証明。
いつか、彼が来た時に。受け継がれているんだよ、と見せてあげる為に。
1
「俺の出番ねぇ!?」
「僕の出番も!?」
「将軍の出番がないってどういうことですか!?」
絵本が出回る前。
「将軍、戦争で活躍してないだろう。どこにいれるというのだ」
「でも陛下! イルナーさんが入れられて僕たちが入れられないって、そんなのないですよ!」
「そーだ、そーだ」
「そうです!」
「お前ら失礼だと思わんのか!」
「イルナーは騎士と同じ位置の魔術師だから入れてやらないとさすがに可哀そうではないか」
「陛下、そこはせめて可哀そうとか言わないでください・・・」
将軍・ルルー、ヴァル、ナツナが異議を唱え、カラーディナがため息をつき、イルナーが頭を抱えている。
この中で一番苦労しているのはイルナーだと実際思う。
「ツミナさん、きっと自分が絵本になってらびっくりしますよ」
「そうだな・・・」
この場にいないツミナに対して思いをはせる皆。
「それから仕事に戻れ。将軍たちよ」
「俺書類仕事とか嫌いなんだよ」
「ヴァル、そろそろ僕に仕事押し付けてくるのやめてくれないかな・・・」
いつもヴァルに仕事を押し付けられているルルーが脱力しながら言う。もうあきらめているのだろう。半分。
ナツナは自分に話が飛び火しないように既に避難している。
「はいはい、その話はよそでやってくれ。ここは玉座だ。ほら、自室に戻れ」
そしてイルナーに追い出される将軍たち。
「ふはは。相変わらず将軍たちはにぎやかだな」
「ツミナの置き土産ですかね」
「そうだな」
カラーディナはご機嫌だ。
「・・・本当にもう騎士をお決めにはならないのですか」
「ああ。我の騎士はツミナ一人だ」
イルナーが聞く。毎回帰ってくる言葉は同じ。
カラーディナはツミナがいなくなってからずっと、騎士を決めていない。もう、決める気はないのだ。
「さ、視察の時間だ。行くぞ」
「はっ」
1つ開いている場所は、いつだって彼が戻ってこれるようにと、いつまでも空白だった。
2章目完結です! 読んでくださった方、ありがとうございます! これからもよろしくお願いいたします!




