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勇者の称号を得た者が役目を終えてからのお話  作者: AMITOA
~裏切りの騎士~
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将軍の訓練

 ツミナは最近、度々訓練場に顔をだす。なぜなら。


「お、騎士さん」

「ツミナさん」

「お仕事抜けてきたのですか?」


将軍たちが訓練を行っているからだ。隣で近衛隊も訓練をしているが。


「お疲れ様です、皆さん。陛下には少し暇をいただきました」

「休憩中にすみません」


ルルーがありがとうございますと頭を下げる。


「せっかく来てくれたんだし、対戦してくれるってことだよな」

「私が先ですよ。さっきジャンケンしましたから」

「くっそ覚えてやがったか」


横ではヴァルとナツナが言い合っている。どちらが先に戦うかジャンケンで決めたようだ。


「では皆さんと1度ずつ対戦してから仕事に戻るとします」


ツミナが相手をすると聞いて3人が喜んだ。近衛隊もそれに食いついている。見学しようとしているのだろう。


「どなたからでもどうぞ」



「ありがとうございました」

「こりゃぁ俺もまだまだだ」

「また技を防がれました・・・」


 3人の落ち込み用もいつも通りだ。

 毎回負けているのだから。


「対戦できて楽しかったですよ。では私はこれで。訓練頑張ってくださいね」


にっこりと三人にほほ笑んでツミナはその場を去った。



「ツミナよ。将軍たちはどうであった?」

「そうですね。順調、だと思いますよ」


肩をすくめていうツミナ。カラーディナから様子をみてこい、という命令も訓練場へ足を運ぶ理由の一つだ。


「それで質問だが、ツミナ。其方は戦場に、来る気はあるか?」

「・・・」


ツミナが黙った。この話題はツミナにとっては禁句だ。それを承知の上で、カラーディナも言っている。


「・・・ついてこいと、命令されるなら行きますよ。何の役にも立たないと思いますがね」


冷たい眼でそう言い放った後、退出を許されていないのにも関わらずツミナは護衛の任を離れ部屋から出ていった。


「・・・ついてこい、か。イルナー、お前はどう思う」

「どう思う、とは」

「戦場にツミナを連れていくか否かだ」

「・・・いざという時を頼るなら、ツミナが適任だとは考えます。ですが、その仕事を果たすとは、思いません」


カラーディナが襲われた時、どんな相手だったとしてもその身を守ることができるのはツミナだけだ、と言っているのだ。だが、連れて行っても、いざというときにツミナが活躍することはないとイルナーは思っている。

 まさかだが、その場で傍観していることもあり得そうだ。


「そう、だろうな」


カラーディナもそれを想像したのか、顔をゆがめている。


(だが、それでも我は――)


勝つために、ただひたすら、それだけの為に、カラーディナは考え続ける。



(戦争は嫌い、か)


 ツミナは自室へ戻っている途中、立ち止まる。


「言ってるだけで、何も変えない俺はなんだってんだ」


自嘲的な笑みを浮かべたツミナは、そのまま、誰とも話すことなく部屋に戻った。

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