3人の将軍
「僕はルルーと申します。陛下。貴方の騎士様の命により、将軍の地位をいただきました」
「俺はヴァル。同じくだ」
「私はナツナです。同じく将軍の地位につかせていただきました」
先ほど選ばれた3人が自己紹介をする。〖聖剣〗もどきを使う青年、剣と魔術の二刀流剣士の男、見事な技を持つ女の順だ。
「我の騎士、ツミナに選ばれた強者たちよ。活躍を楽しみにしておるぞ」
膝まづいた態勢からまた頭を下げる3人。
「ではツミナ。教育係をよろしく頼むぞ」
「はっ?」
カラーディナに言われて思わず変な声を出すツミナ。
「お待ちください。そんなことは一言もっ・・・」
「今決めたのだ。頼んだぞー」
緩い会話を行った後、カラーディナはイルナーを連れて去った。イルナーから同情的な目を向けられたのは気のせいだろうか。
(横暴な・・・っ)
ツミナは文句を言いたい気分だったが、指名されたからには仕事を果たさなければならない。
3人に向き直るツミナ。
「改めまして、陛下の騎士・ツミナと申します」
一礼するツミナ。
3人も会釈する。
「まず王城を案内します」
3人についてくるように言い、ツミナは歩き出した。
1
「ツミナさんはお強いんですね」
王城を案内していると、ルルーが話しかけてきた。
「お褒めに預かり光栄です。剣の腕には自負がありますから」
微笑みながら答える。
「ツミナさんはこの国出身の人、ではないですよね?」
「そりゃそうだろ。こんな奴がいたらすぐわかるからな」
話にヴァルも加わる。
「ええ。旅をしていて、たまたま立ち寄ったこの国で・・・騎士に・・・」
苦い思い出がよみがえる。
それが顔に出ていたらしい。
「そう、でしたか・・・」
「災難だったな」
ルルーは言葉を濁すがヴァルは構わず言い切った。不敬罪で捕まる可能性もなくはないのにこの反応。中々度胸がある。
(それにしても、ルルーは〖聖剣〗もどきを持ち、ヴァルは剣と魔法の使い手。そして――)
一番気になる点。それは。
(ナツナは《剣豪》サクラの技を使える)
そう、ナツナは《剣豪》サクラの技を使っていた。
『連続剣』
《剣豪》サクラの技の一つだ。
「騎士さん、俺も1つ聞きたい」
するとヴァルがまた口を開いた。
「あんた、魔剣士だろう」
魔剣士、という言葉を初めて聞いたツミナは首をかしげる。
「魔剣士、とは?」
「ああ、悪い。俺の国では、魔法と剣、両方使う奴を《魔剣士》って呼ぶんだ」
「なるほど。そうなると、確かに私は魔剣士ですね」
それを聞いてルルーとナツナが驚く。
「魔法を!?」
「試合ではそんな素振りは・・・」
そこでヴァルが口を挟む。
「いや、俺の魔法をよけたあとに、剣に魔法をかけた。そうだろ?」
「気づかれていましたか」
苦笑いするツミナ。
「あの魔法・・・なんて名前だ?」
「・・・秘密です」
微笑んでごまかす。
「・・・そうか」
一応引き下がるヴァル。
「私も皆さんに聞きたいことがあるんです」
そのまま会話を続ける。
勿論案内も続けたまま。
「まずルルーさん。貴方、その剣をどうやって?」
ツミナがルルーに質問する。
ルルーはツミナにいきさつを説明した。
2
「先代勇者、ですか・・・」
「へぇ、面白い話だな」
「では、〖聖剣〗ではないのですね」
ツミナ、ヴァル、ナツナの順に感想を漏らす。
「本物の〖聖剣〗を持っているのは勇者様だけですから」
あはは、とルルーが笑う。
「確かに、勇者がこんなとこにいる訳ねーしな」
「ええ、そうですね」
ここにいるんだが、と突っ込みたくなる内容の会話ですねー。(すみません、作者がでしゃばりました(笑))
ツミナは考える。
(先代・・・かなり前のことか・・・)
剣に魔法がかけられたのはかなり前のことだが、それでも魔法が聞き続けているのは勇者の特権、というやつだろう。
「〖聖剣〗ではなく、他の名をつけました。先代勇者様の魔法がかかっている剣ですし、せめて名でもないと・・・と思いまして」
「どのような名を?」
ツミナが聞くと、ルルーが微笑んで答えた。
「〖祝福」




