〖聖剣〗もどきとの出会い
僕は、5歳の時森に捨てられていたそうだ。それを、恩人の人が見つけて拾ってくれたという。そこからその人の妻とその人に育てられ、とても良い環境で僕はすくすくと育った。
僕はその後、大きくなってから冒険者になった。
そして、僕が捨てられたというその森へと足を運んだ。
「くっ」
まだ新米冒険者だった僕は、その森の魔物に苦戦していた。
「ぐぁっ!」
魔物と戦っていた時、腕に怪我を負い、なんとか魔物から逃げて森の奥に入った。
たどり着いたのは、緑の生い茂る空間。光りが差し込んでいて、何とも神秘的だった。そこで僕はついに力尽きた。
1
「うう・・・」
次、目が覚めたとき、いたのは最後にいた場所と同じところだった。だが、出血が多かったのでもうだめかと思っていたのだ。
その時はっとして腕を見る。傷が、ないのだ。
「ど、どうして・・・?」
ただただ不思議だった。あの傷が跡形もなく消えている。流れ出ていた血は確かにそこにあった。なのに、傷だけがないのだ。
とにかくここにいるだけでは何も変わるまいと、とりあえず立ち上がる。疲労感もない。
「あれ、こんなところに剣なんかあったっけ?」
かなり古びた剣だ。地面に突き刺さっている。刃こぼれさえ見える剣だ。だが、不思議なほどにその剣の周りは綺麗だ。緑が綺麗で花も咲いている。
なんとなく、その剣を手に取った。理由はわからない。自分の剣を魔物との戦いの時おいてきてしまったからかもしれない。
それはあまりにも自然に抜けた。
少し拍子抜けしたほどだ。
「わっ」
すると急に光が現れた。
2
瞑っていた目を開けると、場所は同じなはずだ。周囲の綺麗な緑はなく、周りは気がそびえ立っている。
『きゃぁっ!』
『うわっ』
その時悲鳴のような声が聞こえた。振り向いた僕の目に映ったのは2人の男女。少年と少女だ。
彼らは魔物と戦っていた。魔物が押している。
『GYAAAAA!』
知能の低い魔物は言葉を話せない。その魔物は奇声を発して少女に向かって突進していく。
『っ!』
少女は防御する様子はない。できなかったのだ。
『○○!』
少年が何かを叫ぶ。少女の名だろうか。
その少年は少女をかばった。つまり――
『い、いやぁぁぁぁ!』
少女の叫び声。少年は血を垂れ流して倒れた。即死だ。
少女も魔物になすすべなくやられた。
「くっ!」
僕は咄嗟に飛び出した。少年たちは守れなかったが、せめて、と思って。だが、剣は魔物を通り抜けた。
「えっ?」
何度やっても、魔物に剣は刺さらないし、自分さえも魔物を通り抜ける。触れられない。
その時、影が見えた。
次の瞬間、魔物は倒されていた。
驚いて周囲を見ると、いたのは男。男は剣を一振りしただけで、魔物を倒したのだ。
『・・・間に合わなかったか』
男は少年と少女を見て呟く。
男は呪文を唱えてから魔法を使う。地面に穴ができた。人が入れるような大きな穴だ。
男はその穴に少年と少女を優しく運んだ。2人が1つの穴に入ったところで、土がかぶせられる。
『安らかに、眠ってくれ』
そう祈った男は、魔物を切った剣を地面に突き刺した。ふわりと緑が広がっていく。
3
「今のは・・・」
ふと気づくと元の場所。
「今までにあったこと、ということか・・・?」
僕は剣が刺さっていたところで膝ま付き、祈りをささげた。
その時、地面に何かがつづられる。文字だ。誰もいないし僕も何もしていないのに、地面に文字が彫られていく。
《この剣をとり、祈りを捧げた心優しい貴方へ
祈りを聞き届けたとき、これは発動する魔法だ。勇者ってのは何でもありみたいだな。
それでこの剣についてだが、この剣は普通の剣だが、俺が魔法を施してある。
「エンチャント・祝福」
これを唱えるだけでいい。勇者の聖剣の力に似た力を、この剣で使うことができる。
ただ、本物の聖剣ではないからあまり慢心しないことだ。
あとは君しだいだ。
勇者・エファンスより》
手紙のようなないようだった。
これは先代勇者だろう。
「有り難き幸せ」
この力を、他人の為に使うと誓った、その瞬間だった。
投稿が遅くなってすみません(-"-;A ...アセアセ




