将軍任命試合
ツミナはカラーディナに呼ばれ、玉座の間に来ていた。
「お呼びでしょうか。陛下」
ツミナが膝まづいて頭を垂れる。
「ああ、実は王国との戦争のことでだが」
その言葉を聞いた瞬間、部屋の空気、いや、気温が変わった。冷たい、凍えるような感覚。
「私は戦争では法国の味方はしませんよ。といっても王国の味方もする気はないですがね」
ツミナがカラーディナに釘を刺す。
「それはわかっている。今回の頼みはそれではない。戦争の為に将軍となり前線をかけてくれる者を探している」
「それに私と何の関係が?」
「まぁそう焦るな」
カラーディナが一息おく。
「そこで試験を行おうと考えておる。用は試合で誰が将軍になるか決める、ということだ。騎士選抜と同じだな。だが違う点は1つ。ツミナ、其方が相手役だ」
「・・・私が?」
「ああ。其方が認めた者を採用する」
カラーディナは笑みを深めてそう言った。
1
はぁ、と朝からため息をつく。
将軍の任命試合のことが発表されてからというもの、ツミナのもとへ様々な人がやってきた。
自己アピールや物を持ってきたり。要するに媚を売りに来ているのだ。
本番は明後日だ。
「ツミナ、大丈夫か?」
「イルナー」
するとイルナーと会った。王城を歩いていたらそうなるか。
「私のところにも来たぞ、お前に取り合ってくれってやつらがな」
「それは悪かった」
「いや、お前のせいじゃねいからな。正々堂々、戦えって思ってしまうがな」
苦笑しながら話す。
今やイルナーとは良い友人のような関係だ。
「どうしてそこまで将軍になりたいのか、私にはわからない」
口調もイルナーの前では少し砕けるし、本音が漏れる。
「功績を上げたいんだよ」
「死ぬかもしれないのに?」
「・・・まぁな」
ツミナが戦争を毛嫌いしていることは知っているイルナーは何とも複雑な気持ちだ。
「なぁ、どうして戦争が嫌いなんだ」
唐突にイルナーから聞かれた。
「嫌いだなんていったことはないが・・・」
「あ、いや、なんとなく」
咄嗟にごまかすイルナー。
「・・・戦争に、参加したことがあるんだ。実に下らなかった。命を奪うことを繰り返すと、何も思わなくなった。それが、怖かった。今もそれは残っているし、それでも命を奪うことをやめるつもりはない。だが、それでも大事な者の命は、大切だと、思えたから・・・」
イルナーは思う。ツミナは、何かが欠けている。何が、とは特定してはっきりとは言えないし、わからない。ただ、人としての、何かが。
だが、それをツミナ自身も自覚している。だからそれを大切にしようと、残りかすでも、大切にしようと思った結果がこれだ、ということだ。
「そう、か・・・すまない」
「いや、大丈夫だ」
その時、イルナーを呼ぶ声が。
「ん、呼ばれてるな。悪い、また後で」
「わかった」
2人は別れてから、それぞれの仕事場に向かった。
(散るのは血。叫ぶ声。それを無視して突き進み、彼らを悪とした俺は――)
ツミナが思い出した過去。
思わず、その場に座り込んだ。
昨日は投稿出来ずにすみませんでした(-"-;A ...アセアセ




