決闘
「ようこそいらっしゃいました。ご無沙汰しております。カラーディナ陛下」
オルガンが一礼する。
「ああ、久しいな」
とげとげしいカラーディナの声。
「どうぞお座りください」
「いいや、必要ない」
オルガンが椅子を進めるが、カラーディナはそれを断る。どうやら今すぐにでも話を始めたいようだ。
「町のことをどう説明するつもりだ、オルガンよ」
単刀直入にカラーディナが切り出す。
「町のこと? なんのことですかな?」
「とぼけるな!! 民たちは弱り町のあちこちで倒れておった!」
怒鳴るカラーディナに臆した様子もなく薄ら笑いを浮かべているオルガン。
「話を聞くと税を倍にしたらしいではないか。 私のところに税を倍にしたような話は来ていない。勿論金もな。そして民の声を無下にした。これはどういうことだッ!!」
今にも腰に掛けた剣を手に取って切りかかっていきそうなカラーディナ。
「どういうことといわれましてもな。こちら税を倍になどしておりませんから何のことやら」
「なッ! なら民が倒れていたことをどう説明する!」
「民が倒れていたことは知りませんでした。私の監督不行届きでした。申し訳ありません」
あくまでも税を倍にしたことは認めないらしい。
「まだ横領を行っていたことに我は失望したぞ! オルガン!」
「横領など。言いがかりはよしてください。陛下であっても無実の人間を罵ることは許されませんぞ」
証拠がそろっていないからこそ、カラーディナはオルガンに言い返すことができない。
それを確信したオルガンが余裕をちらつかせる。
(あの時もっと確実に裁かなかった我の甘さが、ここにきて民を苦しめている・・・)
自分の判断ミスを悔やむカラーディナ。だが、今悔やんでも何も変わらない。何か、裁く手はないのか。
「会話中の割り込み、無礼だと承知の上でお聞きしたい」
すると後ろでカラーディナの騎士の声。
カラーディナが振り向くと、ツミナはカラーディナに発言の許可を求めていた。小さく頷く。
「オルガン殿。貴方は横領をしていなかった、という証拠はありますか?」
「そんなもの、ないに決まっている。だが横領したという証拠もないはずだ」
「そうですね。だからこそ、陛下は迷っていらっしゃる。どちらが本当なのかと」
「・・・」
オルガンがツミナに対してなんなんだという目を向ける。。
「今の町の状況を見て、そして町長の発言を聞くとどうやってもオルガン殿が横領している。ですが、その証拠がない。そしてオルガン殿は自分は潔白だとおっしゃる。だがその証拠ももちろんない」
「・・・何が言いたいのだ」
オルガンがツミナに問う。
「決闘しませんか。私と、貴方で」
他の作品で、〈能力捜査班〉を書いています
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