表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者の称号を得た者が役目を終えてからのお話  作者: AMITOA
~裏切りの騎士~
44/89

騎士の仕事 2

 カラーディナの騎士として王城に部屋をもらったツミナは朝、イルナーに起こされた。


バンバンバン!


うるさくノックがなされる。


「なんですか、朝から」

「陛下がお起きになられる時間だ。お前も起きて仕事をしろ」

「・・・わかりました」


しぶしぶといった様子で仕度するツミナに、イルナーはいらだっているようだ。

 騎士の正装、というものに着替えるツミナ。騎士の清掃は堅苦しい服だ。黒の服に金の装飾がたくさんある豪華な服だ。


「お待たせしました」


部屋から再びでてきたツミナは真っ先に怒られる。


「遅い! 陛下の起床時間に間に合わぬではないか! 急ぐぞ!」


早歩きで急ぐイルナー。ツミナもそれについていった。



「「おはようございます」」


 ツミナとイルナーがカラーディナに挨拶をする。カラーディナは片手を上げて返した。


「今日は大臣たちとの会議が午前にある。2人は私の後ろで待機するように」

「了解しました」

「わかりました」


 ここで説明をはさむが、イルナーは宮廷魔術師であり、更にその上の側近魔術師、護衛を任される地位だ。騎士と同じ立場、ということである。

 そして大臣たちとの話、というのは――


(リンデル王国との戦争――ね)


小さくため息をついたツミナだった。



「これからリンデル王国との戦争について会議を始める!」


 大臣たちがカラーディナの言葉に頭をさげてから会議は始まった。

 今の状況が説明される。

 今回の戦争はカラーディナの私情も入ってくる。王国への復讐。そして前回の戦争で負けたという記録を消すための汚名返上。この2つが主な理由だ。そしてもう一つ。王国は今とても栄えている。作物の生産が盛んだ。法国では作物の生産率が年々減ってきている。あわよくば王国の利益をもらおうと考えているのだ。


「今王国へ少数だが兵を送り辺境の村を襲わせている。王国も戦争の準備を始めているだろう」

「場所はやはりワーナー平野ですかな」


「ワーナー平野」。かつて、王国と法国の戦争で王国が勝利した場所だ。カラーディナにとっては父の首が飛んだ因縁の場所。


「ああ。勿論だ」


その後数十分してから会議は無事終わった。

 カラーディナからツミナたちに少し休んでいいとの命が下った。

 ツミナはイルナーより先に「失礼します」と言って出ていった。



 廊下を進む。人気がないところで立ち止まった。

 そして、ドンっと壁に拳をぶつける。ぐっと拳を握りしめたまま。


「戦争なんて――くだらない。人の命を、なんだと思っているんだ・・・!」


小さくつぶやいた言葉。

 それは、誰にも届くことがない、はずだった。



 先に休憩に入ったツミナを追いかけるイルナー。朝の態度について少し小言を言おうと思ったのだ。

 追いつく、というところでツミナが急に立ち止まった。

 おい、と声をかけようとした時。


ドンッ


ツミナが壁を叩いた。

 少し驚いていると、小さく声が聞こえた。


「戦争なんて――くだらない。人の命を、なんだと思っているんだ・・・!」


先ほどの、戦争の話についてだとすぐにわかった。

 イルナーは、そのままツミナに声をかけずに来た道を戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ