法国の冒険者
ツミナは王国で行ったように法国の冒険者ギルドへ向かい、登録カードのチェックをしてもらった。
だが、法国は王国とは違った。人の性格、人格というか、態度だ。一応丁寧な態度ではあるのだが、どこか冷たい。
あとは他人を見下す態度が多い。
「おい、あんたどこのもんだ」
「私は旅人でして・・・生まれは聖国です」
「がっはっは! 聖国ねぇ」
冒険者の男たちと話していたら男たちは聖国を見下し始めた。
聖国は勇者がいなけりゃ何もできないとか、王族は役立たずだとか、国民は弱者ばかりだとか。聖国の生まれの物が目の前にいるというのによく発言できたものだ。もしツミナがきれやすい性格だったら今頃、彼らは跡形もなく消え去っていただろう。
これ以上聞いていても不愉快なだけだったので、ツミナはその場を去った。
1
ツミナは宿をとってとりあえず今日は休んだ。
そして次の日から冒険者ギルドへ顔をだし、依頼を受けていた。
王国では王女の護衛をしていたので冒険者としての仕事ができなった。一応だが冒険者になっているだ。やっておかないと損というものだろう。
(う~ん、いい依頼はないかな。次巻はあるし、後日の奴でも・・・)
そうやって依頼の紙がはっているボードを見つめていた。
(あ、これ・・・)
ツミナが気になる依頼を見つけ、手を伸ばす。
すると、もう一つ、右から伸びてきた手とぶつかった。
「あ、すみません」
「こちらこそすまない」
ツミナが謝ると、相手も謝ってくる。改め見てみると、相手は女性。
だが、女性といっても冒険者なだけあって鍛えてあるようだ。体つき、立ち振る舞い。そして腰には普通の剣にしては大きい大剣といっても差し支えないほどの剣が。
「もしかして、この依頼を・・・?」
ツミナが先ほど引きはがし受付にもっていこうとしていた依頼の紙をさして問う。
それは辺境の町による出没するオーク集団の討伐だった。
「え? ああ、そうだが」
「そうですか。あ、どうぞ。私はこれ以外を探すので」
偶々同じ依頼だったようなので、その依頼を彼女に譲ろうとするツミナ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ」
違う依頼を見に行こうとしたツミナだが、彼女に止められてしまった。
「この依頼で、私とパーティーを組んでくれないかっ?」
2
先ほど出会った女性はフリーの冒険者だそうで、名をファラというらしい。
互いに自己紹介を済ませ、本題に入る。
「それで、パーティーを組む、とは具体的に・・・?」
「私はフリーで冒険者をやっていて、パーティーを組んでいない。だが、今回の依頼は私1人では難しく・・・。だがかなりの間放置されているようで、受けようか迷っていたんだ。そんなところに君が・・・。
これはちょうどいいと思ってな。今回限りでかまわない。頼む、私とパーティーを組んでくれないか?」
ツミナは少し考える。
オークの集団がどれくらいの規模かは知らないが、ツミナにとっては何の脅威でもない。オークが100匹いても悪魔にはかなわないのだ。悪魔に一人で軽々と勝つツミナには簡単な依頼でしかない。
だが、ツミナは今回、他人と組んでみるのも一つの勉強かと思い、その頼みを受けた。
「・・・いいですよ」
「本当か!?」
「はい。よろしくお願いします、ファラさん」
「ああ、よろしく頼む。ツミナ殿」
こうして、一組の、法国最強パーティーが誕生したのだった。




