法国の門番
法国の門前0についた青年――ツミナは、ガラリと開いた門前の景色に驚く。
王国は商人やらで長蛇の列ができていた門前だが、法国の門前は少しだけ。
小さな列に並ぶと、すぐにツミナの番がきた。
門番から身分証明書を要求され、ツミナは冒険者登録カードを差し出す。ツミナが冒険者になったのは依頼を受けることと共に、このように身分証明に使うためだ。
「冒険者がなんのようだ」
「私は旅人でして。冒険者登録をしているのは身分を証明するためのカードがほしかったから、とでも言っておきましょう」
ツミナは問われたので答えたが、この門番は始終高圧的な態度だ。
「入場料は・・・8イームだ」
少し間を開け、言い放たれた言葉。
ツミナはにこにこと微笑みながら裏では門番の言葉について考えていた。
(王国では5イームだったのですが。この表情の動きとわずかな挙動、3イームは自分の腹の中に、ということですか。・・・今までもそうやって騙してきたんですねぇ)
ツミナは小銭袋を出し、中の金銭を取り出す。
「入場料です」
そう言って差し出したのは5イームだった。
「・・・は? あと3イームは?」
門番が少し冷や汗を見せる。はったりがばれたのでは、と思ったのだ。
「ここに」
だが、ツミナは普通に差しだした。
ほっとしてまた高圧的な態度をとろうと口を開きかけた門番。
だが、ツミナが彼の耳元で囁いた言葉に、彼は固まる。
「この3イームは貴方の懐に収めてくださってかまいませんよ」
全てばれていて、それでいて金を渡す。
いつかばれるぞ――そう言われたようで、焦る門番。
少し、ツミナに危険を感じた。




