護衛イザベラの仕事
シュイーツたちはツミナから言われた通り、周囲の人だかりの外にいた。
歓声が上がるのも聞いていた。
「せ、せい、けん・・・!?」
様子が変わったのを見てツミナの様子を見ようと少し隙間を開けてもらい、見てみると、ツミナが聖剣を持っているではないか。
「やはり勇者でしたのね。ツミナさん」
シュイーツがつぶやく。
やはり、という言葉にイザベラが驚く。
「勇者様とわかっていて護衛に雇ったのですか!?」
イザベラが驚きすぎて少し怒鳴ぎみに声を出す。
「ふふ、本人は否定していたので、いいかなぁと」
そんな馬鹿なといいたくなるイザベラ。
が、そうも言っていられなくなった。
ツミナの所に黒フードが来たのと同じで、2人の所にも同じ敵が。
「こっちは案外簡単かもな。勇者様に国最高の暗殺者を始末させられるよりは」
イザベラが黒フードのその言葉にピクリと眉を動かす。
「その言葉、忘れないように」
イザベラが飛び出す。
黒フードは3人。まず先ほど口を開いた男を狙う。
いりかかるイザベラ。防ぐ黒フード。
イザベラが回転してすねを狙う。が、それと同時にイザベラは首をねらわれる。
イザベラはかがんでそれをかわし、黒フードは跳んでそれをかわす。
次の攻撃に移ろうと思ったとき、他の黒フードが襲ってきた。イザベラは後ろ蹴りをかましてからもう一人には右足に剣を突き刺す。これで1人は戦闘不能だ。
最初の一人に意識を戻すイザベラ。するとその瞬間後方に吹き飛ばされる。
けりをした黒フードが戻ってきて拳を入れられたのだ。
「ぐっ、ふっ」
少し吐血する。武術をやっていたのか1発が重い。
イザベラはすぐに立ち上がり次の攻撃に備える。
正面からきた敵とつばぜり合いをし、その後すぐに跳躍。横から敵が迫る。
が、すぐ後ろからも敵が。先ほどの剣の奴が移動していたのだ。
後ろを向いて応戦。
(シュイーツ殿下は・・・っ!)
シュイーツの無事を確認しようとするが、その暇もない。
(ツミナさん・・・信じてますよっ)
ツミナがシュイーツを守っていることを願って戦いに挑むイザベラだった。
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イザベラが戦いを終え、到着した兵士たちに黒フードを引き渡す。そしてシュイーツのもとへ。
戻った先にはツミナがいた。
遠巻きに周囲の人も勇者の顔を拝んでいる。
「イザベラさん。お疲れ様です」
いつものツミナに話しかけられ、戦闘は終わったものと判断する。
「はい、ツミナさんこそ、お疲れ様です。・・・あの、勇者様とは知らず・・・ぶ、無礼を・・・」
ちらちらとツミナのことを伺い謝罪する。思えば初対面の時からかなりの無礼を働いている。
「いえ。隠していたのはこちらですし」
にこりとほほ笑むツミナ。
少しほっとしたイザベラは、シュイーツに安否を問う。
「お怪我はありませんか、殿下。すみません、そばを離れてしまい・・・」
「いいえ、よく私を守ってくれました。感謝します」
シュイーツもほほ笑んでいる。
こんなふうに2人が並んでいれば、とてもお似合いで目の保養なのに、と思ったイザベラ。すぐに考えを打ち消す。
こんな考えは無礼だし、それに、なんだか嫌だった。
「殿下。お話があります」
「・・・わかっています。王宮に向かいましょう。学園事は学園の人にお任せしておきます」
シュイーツの影の曇った表情に、イザベラはこの後何が起こるかを察知できなかった。




