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学園祭 2
短い文章となっています。すみません。
学園祭の人混みの中、黒いフードを被った小さい子供が親も連れずに一人で歩いていた。
その目は冷たく、子供のものとは――とても思えなかった。
(あいつ、この学園に、いる――)
彼の記憶の中の、あの青年を探して――その子は学園を彷徨う。
1
ツミナは二人と別れてから今度は自分がよく行く戦闘分野の棟へと向かっていた。
すると丁度シュイーツたちと鉢合わせした。
「あら、ツミナ先生」
「シュイーツさんにイザベラさん」
イザベラが小さく会釈する。
「先生はもう全てを見て回られたので?」
「いいえ、魔術の棟の方へは向かったのですが。ここが2つ目ですよ」
「そうでしたか。でしたら、よければご一緒いたしません?」
「よろしいのですか? 喜んで」
王女殿下の誘いを断る人間はいないので特に何も感じないが、護衛させるという意思の元である。
「では――」
そうシュイーツが言いかけたとき――
「見つけた――」
小さな子供の声がした。




