シュイーツの独白
シュイーツは今日、王宮待機だった。理由はイザベラがいないからだ。護衛がいなければ出歩いてはいけない。一応、王宮は安全ということになっている。
イザベラがツミナと出かけているのを知っているシュイーツはツミナを呼ぶわけにはいかず、とても暇だった。
いつものようにお茶を楽しみながら読書を始める。
はたからみたら美女が優雅にお茶しながら読書している、という感じだ。
だが、実際のシュイーツの心の中はというと。
(ああ、暇。お二人ともないなんて・・・しかも私を差し置いて二人で会って休暇を楽しんでいる。ああ、なんだか考えるだけで少しもやっとしてきましたわ)
少しお怒りのシュイーツ殿下であった。
まぁ実際は2人ででかけている、というようりツミナを連れて出かけている、ということに怒り、というか、もやもやした気持ちを抱いているのだが、本人はまだ気づいていない。
(今頃何をしているのでしょう)
ぼーっと本を開きながら考えるシュイーツ。本を開いてはいるものの、実際は内容など頭に入っていない。
(・・・思えば、ツミナさんはいつまで私の護衛でいてくれるのでしょう)
ふとそんな考えがよぎるシュイーツ。思い出せば王女のお願い、という絶対に断れない条件でお願いをしたから、ツミナは断れなかったのだ。それがいつまで続くものか。
そういえばツミナを勇者だと疑ったこともあった。いや、今でも疑っている。
(うーん、彼の身辺は調べても何も出てこないんですよね。そう、何も――)
何もでなさ過ぎておかしい。不自然さが残るのだ。
(ですが、王国の情報機関はかり優秀のはず。彼らで見破れないのならやはり、ツミナさんは――)
シュイーツは考えを巡らせてからそこで止めた。
(いつか彼が話してくれるのを待つのも、楽しみの一つですわ)
微笑んだシュイーツは、天女のように可憐だった。




