6話 変異
【個体名 レン ムラカミ の接…を確認】
【特…シ………のNo.62に登録完了】
【No.6…にスキル“樹木…術”を…与】
【No.62からス…ルの存在を…認】
【よって…62を新種…のヒュ…ムト…ントに変異】
【N…1と…共………を確…】
【よって…6……ス……を……………に……】
【………人……化………】
【全体の調整を…行中】
【完了】
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ゆっくりと意識が浮上してくる。
結構ぐっすり眠ったな、しかしまさか目覚まし前に起きるとは…意外と睡眠時間は短かったか。もっかい寝よ…うん?布団がない?あれ、そういえば俺は…
ハッとしてあたりを見回すとそこには大きな声でわめく化け物達が。
うええええ!?やばい、あれはヤバイ。見た目でわかる。あれはヤバイ。
ちょっ、こっちみんなそこの豚野郎!
「やっと全員起きましたね…皆さん、落ち着いてください!言いたいことは色々あるでしょうが、静かにしてもらわないと説明できません!」
一瞬で静かになる。
「実は、皆さんにはこの世界に適応するために体の変異をしてもらいました。こちらに鏡があるので、確認してください!」
申し訳なさそうに言うアレヌ。だが今ならわかる。あれは作りもんだ。
抗議の意味を込めて軽く睨むととてつもなく殺気のこもった目で見られた。やめてください。ストレスで死んでしまいます。
どうこう言ってもしょうがないので諦める。
なんか目が覚めてから感情が動きにくいというか落ち着いたというか、不思議な感じがする。まあ度胸が付いたとでも考えておこう。
さて、あえて無視していたが体の変異と聞こえた。
ということは、あの化け物どもはクラスのみんなかな。誰かわからんけど豚野郎とか言ってごめん。
俺も変わったかな。とりあえず鏡を見に行く。
するとそこにいたのは薄く緑がかった肌をした俺だった。茶髪だった髪の毛は緑と黒のメッシュに、目の色はエメラルドグリーンになった。心なしかイケメンになったようにも見える。
…人ではなくなったが周りと比べるとマシかな。しかも何故かこれが俺の普通の姿だと、そう思える。違和感を一切感じない。
「ステータス、と言うと自分の状態が見れる、というのは本当です。先程は世界に適応していなかったものが干渉しようとしたから起きたものです。種族名も見えるので、確認してみて下さい。」
みんなためらってるな。そりゃそうか、さっき騙されたばっかだしな。
ま、でも言うしかないしちゃっちゃと終わらせちゃおう。
「ステータス」
目の前に半透明のウィンドウが出てきた。ファンタジーだなぁ。
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レン ムラカミ
種族 ヒュノムトレント
職業
スキル B 樹木魔術
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へえ、俺はトレントなのか。確か植物でできた人間みたいな奴だよな。ヒュノムってついてるのは…人間に近いってことかな?
「皆さんみてわかる通り、項目は4つあります。名前、種族、職業、そしてスキルです。」
アレヌが解説を始めた。
「詳しいことは個別にお教えしますので、職業とスキルについての概要だけお教えしますね。
職業とは、まさにその人の職業を表しています。その職業に見合ったスキル、例えば剣士なら剣術といったスキルの効果が増大します。
次に、スキルというのは神に認められたものが授かる力です。普通、この世界の者達はある物事を繰り返し練習したりしてスキルを授かります。最低でも一人一つは持っているとされていて一般的に2〜4、多いものは20近く持っているそうです。皆さんは一つしかない上にそれ以上身につけるのも不可能なのでかなり少ないでしょう。」
へえ、そうなんだ。でもそれだと勇者としては余りにも弱くないか?
みんなも首を傾げている。
「スキルはその効果によってAからGまでランクがつけられています。
が、Aランクは今は三人しか存在せず、Bランクは世界で三十人程だといわれ、Cランクも、一つの国に三十もいれば幸運とされています。
そして、あなた達のスキルは最低でもCランクです。」
そこでみんなの顔が変わる。それは、自分の力に対する驚愕や戸惑いや混乱、そして隠しきれない優越感が混ざった顔だった。
「しかし、スキルは上手く使えなければ宝の持ち腐れ。あなた達には明日から戦闘訓練と、そして勇者としての振る舞いやこの国の歴史など色々なことを学んでもらいます。それは勿論辛いでしょう。
しかし、それを乗り越えればきっと輝かしい未来が待っています!」
口調がだんだん強くなる。
「私たちで、この国を、この世界を、守りましょう!」
話が思いっきり脱線してる気がするが、そんなことはどうでもいい。誰かが明らかに興奮させる作用のある魔法を使っているがそれもどうでもいい。俺は、今、興奮している!
「「「「「「おおおおおッッ!!!!!!!」」」」」」」
ポケットの内側が反応するかのように、ピクピク動いた。
本性見てしまってから衝突を繰り返しやがてラブコメへ。
そんな甘い展開はなく、普通に嫌われます。