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プロローグ

 〝拝啓 父上、母上へ

 寒さ際立つ冬を乗り越え、常闇の街ヨミガエルでも温かい息吹が感じられる時期になっていることでしょう。

 真っ先に報告しなくてはいけないことがあります。心配なさっていたとは思いますが、私は今月から無事、私立ナンデモ学園の二期生になることができました。多少問題はありましたが、成績で巻き返したため、担任の先生から進級の印を貰い受けることができました。

 もちろん、今まで通り目立った行為は行っていません。一名知り合いがいますが、私の正体を知っているようなそぶりは一切ありません。情報通であるため、注意が必要になりますが。

 私がこちらに住む理由ができましたので、次の問題は輸送の件ですが、そちらの方への物資の補給は無事行われていますでしょうか?

 もし、足りない物資があるのであれば、早急にお手紙お願いします。今期は始まったばかりです。いきなり退学は無いと思いますので、なるべく期待に応えられるよう努力します。学業よりもそちらの方が優先です。

 以上、一番伝えたかった部分はここまでです。後の私事は、この後の数枚に書かせていただきました。

 何分忙しくなる時期ではありますが、お体にお気をつけてください。〟


「…………はぁ」

 溜息が漏れる。それは疲れによるものか、呆れによるものか、もしくは諦めによるものか。

 私の目線の先には数日前に書いた手紙が置いてある。本来ならばこれが私の故郷に物資と共に持って行かれる予定だった。その時は思っていなかっただろう。わずか数日でこの内容は一変することになるとは。

 気を取り直して私は新たな文通を書き始める。



 〝拝啓 父上、母上へ

 真っ先に報告しなくてはいけないことがあります。

 私。アイドルになることになりました。〟

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