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底辺なろう作家が執筆活動を続けることの意義について

 拙作『足跡まみれの異世界で』にレビューを書いて下さった夕月悠里さんのお名前が出ますが、ご本人には既に「好きに書いてください」とのお言葉と共に許可を頂いております。


 それと「何を伝えたいのかがわからない」とのご指摘を受け、自分で読み返してみたところ「確かに」と反省しました関係で一部このエッセイを書いた理由について簡単にですが加筆いたしました。

 初めましての方は初めまして。そうでない方も閲覧頂きありがとうございます。


 当サイト「小説家になろう」にて小説を執筆しております、馬込巣立と申す者です。


 普段はハイファンタジー小説『足跡まみれの異世界で』なる連載作品を書いている身なのですが、先日当該作品にレビューを書いて頂いた事をきっかけとして当エッセイを書いております。

 このエッセイを読んだ作家さんに「こんな底辺作家でもレビューもらえたんだしポイント云々よりも誰かが誰かに存在を知らせたくなるような作品を作ろう」という方向性のモチベーションに繋げられれば幸いと思いながら筆を執りました。


 月並みなタイトルから中には流れを察した読者の方もいらっしゃる事でしょう。

 今回私がこのエッセイにて語らんとするのは『なろう作家が底辺にありながら執筆を続ける』という事への意義についてです。


 先にも述べた通り、私の連載作品には先日レビューがつきました。これは小説家になろうというサイトにおいてありふれた現象などでは決してなく、極めて光栄な出来事と言っても差し支えないでしょう。

 これは自慢です。私は今、人生通して数える程度にしか浮かべた事の無いドヤ顔をしております。


 同時に、「自分の作品は果たしてそんなに褒められたもんなのだろうか」という疑念も生じました。


 拙作『足跡まみれの異世界で』はこのエッセイ執筆現在(2018/03/25/21:00)、ブックマーク22件にポイント評価14:14。計72ポイントとなっています。


 くっ。


 第一章執筆当時はブックマーク1件のみでしたので、個人的には充分な大躍進と言えます。


 しかし感想は3件。いずれも肯定的な内容で喜ばしい反面、「批判される点が無いって事は無いはず」と違和感も覚えました。茨の道を歩いているはずなのに無傷、というのは中々に不気味です。


 もちろん感想がつきづらい理由もあるのかもしれませんが、私はこの状態を単なる修行不足によるものと受け止めています。

 つまりまだまだ書かねば上には行けません。餓鬼道に堕ちた亡者の如く這い回らねばなりません(どちらかというとなろうは修羅道、等活地獄に近いような気もしますが)。



 そこで継続して作品を書き続けようとするわけですが、実は先日までこの馬込という作家、軽度のスランプに陥っていました。

「やっべぇ書けねえ」という状態が約一週間、そこから「しばらく休もう」となって更に一週間。都合二週間のエネルギーチャージを経て最近復帰したばかりなのです。


 そして復帰した途端に『足跡まみれ』のレビューを頂きました。


 レビューを下さったのは


『とあるスコッパーの備忘録 ~良作発掘のためには手段は選びません~』

『拝啓 エタりそうな作者様、エタが嫌いな読者様。これがなろうの現実です。』


 というエッセイで知られる夕月悠里さん。ご存じの方も多いのではないでしょうか。


 この方はご自身のエッセイを通して「連載作品を完結まで持っていけるなろう作家は全体を見ると極めて稀である」という事実を統計データから導き出した偉大なるお方です。

 同時に夕月さんご自身は「偶発的な事由以外の要因で筆を折る作家を嫌う」とも公言されています。


 誤解を招かないように付け加えると、夕月さんはなろう作家が物語の途中で筆を折る、所謂エタるという行為そのものを否定はしていません。

 先に記した夕月さんの主張はあくまで個人としての好き嫌いに終始しており、そういった読者側の感情的な理由を要因として無理な執筆活動を継続する事で創作そのものが楽しくなくなる事をこそ懸念、否定されています。


 即ち作家側には「無理をしてはならない」、読者側には「作品の完結は望ましいが珍しい」とメッセージを込めているのです(少なくとも私はそのように受け止めました)。


 話を本エッセイに戻します。


 件の夕月さん曰く「本当は第二章が終わった時点で書こうと思っていた(要約)」とのことでした。


 これは私の推測となりますが、第二章完結と同時に私の「足跡まみれを絶対に完結させる」という意志を感じ取ってもらえたのではないかと思います。

 実際、大まかな骨組みを最初に決めてから書き始めましたので終わらせる自信はあります。何年後の話になるかまではわかりません。しかし、必ず終わらせます。


 そこでちょっとした後出しをしますと、私は他のウェブ作家の方々と比較して極めて遅筆です。


 連載開始当初は一週間に一話投稿できるかどうか。多少執筆速度が向上した今でさえ実生活の忙しさから一週間に二回が限度という体たらく。予定の無い休日を一日確保できればその日は確実、といった具合です。


 そんな私が第二章を終えたばかりの段階で、私より長く執筆活動を継続している作家さんでさえもらえていない人がいるというレビューを頂けたのは何故かを考えてみました。

 いや夕月さんご本人に質問すれば簡単に答えて下さるとは思うのですが、最初から答えを確認してしまうという行為に若干の忌避感が、こう、わかってもらえませんか。


 思うに私は書き続ける中で信頼を得たのだと推測しています。


 レビューとは言ってしまえば読者が特定の作品を宣伝する行為です。無料でネットに掲載している作品を宣伝しても経済効果は見込めませんが、代わりに金銭以上に得難い精神的な報酬を得られます。

 そしてそれを得られたという事は、私も読者側に対して精神的に有益な行いが出来たのでしょう。作者としてとても誇らしく、嬉しい話です。


 そして「エタる作家を嫌う」夕月さんがスランプ明けの私の作品にレビューを書いて下さったという事は、「足跡まみれからはこれからも定期的に精神的利益を得られる見込みがある」と判断されたのだと認識しました。


 そこで最初にも述べました『なろう作家が底辺にありながら執筆を続ける』という行為への意義に繋がります。



 つまり小説家になろうにおける作者と読者の関係というのは『信頼性を基盤とする相互自己満足作用』に他ならず、この形式によって双方が精神的な快楽を獲得できれば作者側が底辺であるか否かに大した意味は無いのです。



 何だかえらいデジタルと申しましょうか、綺麗事を振り撒きながら殺風景な話の展開をしてしまったような気がします。


 ですが、この理屈は料金が発生しないアマチュア作家とその作品を閲覧する読者の関係性が持つ独自の人間関係と言えます。

 人間関係である以上そこには生々しさも温もりも同居していますので、快楽のみならず痛みや苦しみを伴う事も少なからずあるでしょう(それを覚悟していたからこそ私は今もビクビクしながら執筆しているのです)。


 ポイントがつかない。

 ブックマークを外された。

 様々な要因が作者の精神を苛みます。


 それが筆を折るきっかけとなっても私はそれを否定できませんし、しません。それは個人の自由です。



 ただ、もしもこのエッセイをご覧になられている作者側の方がいるのなら、まずは作品を書き続ける事を重視されてみてはいかがでしょうか。案外私のようにスランプから復帰したら突然レビューが、などという事もあるかもしれません。ないかもしれません。そこは読者の自由ですので、私からは何とも。


 そして読者の皆様。「作者もおだてりゃ木に登る」という形式での関わり方を活用してみてはどうでしょうか。もしかしたら更新が止まってしまっているあの作品やあの作品も、ちょっとした褒め言葉で連載を再開するかもしれません。しないかもしれません。そこは作者の自由ですので、私からは何とも。



 これで大体の主張はしたかな、と私自身自由気ままに書いたもので一段落です。


 最後に謝辞を。



 私にレビューを書いて下さっただけでなく、このエッセイにおいてお名前や作品名を出す事をお許し下さった夕月悠里さん。


 ここまで私のつたない主張を読んで下さった皆々様。


 執筆中に私の集中力を高めてくれた音楽(某巨乳声優さんの歌)。


 冷蔵庫にしまってある葡萄ジュース。


 あらゆる精神的な快楽を、ありがとうございました。

2018/03/26、夕月悠里さんから当エッセイの感想を頂きました。


>>私のレビューは他の人への宣伝というよりは、作者へのエールとして使ってます。


>>現在連載中で、続きが読みたい、終わりを見たい作品に書いてます。


いかにそれっぽく書かれている文章であっても、ソースを参照するまでは信じてはいけないという事がわかりましたね。皆さんも人伝に第三者の意見を見聞きした時には当人によって発信された情報か否かを見極める癖をつけましょう。


よし、それっぽい文章書けた。

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― 新着の感想 ―
[一言] お互いにエタらないことを誇り(つーか意地)として、頑張っていきましょうね……!
[一言] このタイトルよりも、むしろ"おっさん”に惹かれてここを見ました(笑)。さすがおっさん、詩を見ただけなら帰ろうと思いましたが(笑)、エッセイに関しては落ち着いた文章を描かれる。(あ、俺もおっさ…
[良い点] ひゅー、(コブラ) 先の感想の方のように「作品からのメッセージ」はあまり無いと言うか、整っていないと言うか、うん。あまりない気がします。 ただ、文章からは色々なものを受け取ってはいます。…
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