episode Ⅱ 天の世:オーバーワールド
「う、うわぁぁぁ!」
その時だった
バンッ!バンッ!と銃声がした。ゆっくりと目を開けるとそこにはナイフを振り下ろそうとしたまま固まっている山賊がいた。もう1体も動いていなかった。
銃で撃たれたのだろうか右胸のあたりに穴が開いている。よく見ると傷痕は機械のようなものだった。血も出ていない。
「君達!こんなところでなにをしている!怪我をしているじゃないか!それにどうやってここへきたんだ!!…ってハヤトくん!?それにモカじゃないか」
「おじさん!?おじさんこそどうして…」
モカのおじさんのダイスケだった。
ダイスケは1年前交通事故で亡くなった科学者だった。
「ダイスケさん!死んだはずじゃ…」
「困ったなあ。現実世界では死んだことにしてあるのにねぇ。」
「どういうこと?」
「とりあえず場所を変えよう。私のいる拠点へと案内するよ。ここは危険だ。」
「え、あ、うん…。」
「ハ、ハヤト!?」ハヤトの記憶はそこで途切れた。出血により意識を失った。
「こ、ここは…」
「まだ安静にしていなきゃダメよ。ダイスケとあの女の子を呼んでくるわ。」
ダイスケと同じくらいの歳の女性がいた。
「ハヤトくん!意識を取り戻したか、よかった。」
「まーったく、またかっこつけちゃってさ…人の気持ちも考えてよねっ。」
「わーりぃな。でも女を守るのが男の仕事なんだぜ!」
「ふふっ」
女の人が笑っていた
「自己紹介がまだだったわねハヤトくん。
私はミサキ。ダイスケと一緒に働いていた科学者よ。よろしくね。」
「改めまして僕はダイスケだ。モカのおじさんにあたるね。僕は21、彼女は19だよ。」
「うーわレディの歳を勝手に暴露するなんて最低よーっ。」
「ごめんごめん。」
「そうだ!ダイスケさん!ここは一体何処なんだ!?それにさっきの奴ら血が出ていなかった!」
「そうか、君達はまだ来たばかりだからわからなかったのか。」
「もったいぶらないで教えてよおじさん!」
「ここは天の世:オーバーワールドだ」