episodeⅠ 始
初作品です
読みにくいところもあるかもしれませんが
温かく見守ってやってください
「天地開闢」
世界の始まり。現実世界では天地開闢など何億年も前の話だと言われている。しかし本当の天地開闢がいま起ころうとしているなど誰も思わないだろう…。
「学校だりぃな〜。なぁ、モカ」
「朝っぱらからそんこと言ってどうするのよ!もぅ。」
俺はハヤト。隣にいるのは幼馴染のモカ。
俺の朝はここから始まる。
「もう高校2年生かー早いもんだなぁ」
「ほんとに。最近入学したばっかりだと思ってたのにね。」
いつも通りの何気ない日だった。
代わり映えしない毎日がこんなにも大切なものだとはいまの自分には分からなかった。
「じゃあ私いくね!」モカとは学校が違った。そう言って歩き出すモカの後ろ姿に違和感を覚えた時にはもう走り出していた。
「危ない!」
モカのもとへトラックが突っ込んで来ていた。モカへ手を伸ばし突き飛ばそうとしたが間に合わなかった。そこで意識は途切れた。
「…ハヤト…起きて…」
微かにモカの声が聞こえる。助かったのだろうか。目を覚ますとそこには現代世界とは思えない自然の美しい世界が広がっていた。
「ここは…」
「ハヤト!!無事でよかった…なんであんな無茶なことしたのよ!!ほんとに心配だったんだからぁ…」
「ごめんごめん。気づいたら走り出してたんだ。」
「まったく…なにより無事で良かったよ!」
「ところでここはどこだ?」
森の茂みから誰かが来る音がした。
「モカ、俺の後ろに下がってろ」
誰だ、こんなところに人がいるとは思えない。動物か?様々な思考を張り巡らせているとそこに現れたのは山賊と思われる2人組だった。
「山賊…?」
「ニンゲンヲハッケン。Dモードニイコウシマス。」
カタコトで聞き取りにくい声でそう言うと手に持っていたナイフで襲いかかって来た。間一髪避けた。
「うわっ!あ、危ねぇ!モカ!逃げるぞ!」
「えっ!?う、うん!」
モカの手を引いて無我夢中で走った。
「よし!森を抜けるぞ!ってここは…谷!?しかもめっちゃ深え!!」
「ハヤト!後ろからまだきてるよ!!」
飛び越えるには距離があった。
「くそ!俺がどうにか応戦する!その間にモカは逃げろ!」
「ハヤトはどうすんのよ!ハヤトを置いて逃げれないよ!」
「ここで2人死ぬよりマシだ!早く!」
「わ、わかった!でも死なないで!」
そう言ってハヤトに背を向けた時だった
不運にもカタコトの山賊の振り下ろしたナイフが左眼を斬った
「うわぁぁぁ!!いってぇ!はぁ…はぁ…ちくしょぉ!前がよく見えねぇ!!」
「ハヤト!!?後ろ!危ない!」
ハヤトが左眼を斬られ視界が悪いうちにもう1人の山賊が背後に回っていた。
「ハヤト!!ハヤト!!後ろ!」
「あ?後ろって…」
山賊がナイフをハヤトに振り下ろす瞬間だった。