魔法
一週間ずつの更新を目指していきたいと思っています。
…………異世界に生を受けてから五年が経った。
五年が過ぎて、いろいろ知ることができた。
まず、自分の容姿についてだが、四年前ぐらいに一度確認した。
四年前ぐらいにハイハイができるようになり(本当はちょっと前ぐらいから、動けるようになっていたが普通の赤ん坊を演じるために頑張って我慢した。普通に辛かった。)、自由に動けるようになって、やっぱり最初は自分がどんな容姿なのか気になってしょうがなかった。
プチ大冒険する気持ちで、鏡を探しに行こうとしていたが、そんな冒険はおこらず、部屋に大人の等身が写りそうな鏡が、自分が寝ていた部屋にあった。
ちょと残念な、気持ちであったが、そんなことは鏡を見て消えた。
鏡に映っていた、自分はあと五年もしたら絶対イケメンになる顔をしていたからである。(まぁ、ぶっちゃけ生まれてきて、一、二年の子供ってだいたい同じような顔をしてると思うが……、ポジティブに考えていこう。)
それよりも、気になったことは黒髪黒目だったことだ。(ちなみに、両親は二人とも碧眼である。)しかし、これは、転生した副産物だと思うことで納得した。
けど、このころ心配していた容姿については、杞憂に終わった。
最近、鏡で自分の姿を見ると前世にはもう戻りたくないと思ってしまう。西洋風の顔立ちに黒髪黒目。いわゆるイケメンだ。これは、夢に見たリア充体験ができるかもしれないと心を躍らせた。
次に魔法について、
一年前ぐらにつまり四歳くらいになったとき、父の書斎らしき部屋を見つけた。自分は、本を読むことが結構大好きなので、たくさんの本が見つかって結構嬉しかった。
もしかしたら、魔法の使い方の本があるかもしれないと思って、近くにある一冊手にとってみたが、なんて書いてあるかわからなかった。
それもそうだろう、今まで人の会話を聞いたりしか、してこなかったのだから。
ここには、読み書きの本などない(雰囲気的に)と思い仕方なく自分の部屋に戻った。
部屋に戻ると、ちょうど部屋を掃除していたシーナさんがいたので読み書きの本を持って来てもらうことにした。
「シーナさん、よみかきのほんがよみたいです。」
「あら、ロウ様はもう、読み書きがしたいのですか。七歳まで待てないのですね。」
「はい。おねがいします。」
「わかりました。少々お待ちくださいね。」
と言い掃除道具を持ちながら部屋を出て行った。
普通、文字の読み書きを習うのは、七歳ぐらいらしい。けど、この際は仕方ない。早く魔法が使いたいのである。
しかし、やっぱりこの喋りかたはなれないなと思う。しっかりと喋ろうと思えば喋れる。しかし考えてみてほしい。四歳児の子供がしっかりと喋っていたら怖いであろう。
そして数分後、五冊ぐらいの読み書きの本をシーナさんが持って来てくれた。
けど、あまりにも内容が簡単すぎたため(当たり前であるが)、もうちょっと、というかかなり難しい本を頼んだ。そして、また五冊ぐらい本を持って来てくれた。
「ロウ様、たぶんここにある本を読むことはまだ、できないと思います。」
「けど僕はがんばって、むずかしいほんをよめるようになっておとうさんとおかあさんをびっくりさしたいのです。」
「そうでしたか。すみませんですぎたことを申し上げて。では、ロウ様頑張ってくださいね。」
とニコっこ笑って部屋を出て行った。
やっぱりシーナは、美人だなと思った。
本当のことを言うと、父の書斎らしき部屋にある本は難しいと思われるから、七歳ぐらいが読む本では理解できないと思ったのである。(当たり前であるが。)
けどやはり、この喋りかたは慣れない。もう、いっそのことふざけて、タ○ちゃんみたいな喋りかたで、喋ろうかと思ったがそれはそれで普通じゃないと思ってやめた。
そんなこんなで、難しい本を読み続けてから一週間ぐらい経って全ての本に書いてあるだいたいの文字は、読めるようになった。
さて、これで魔法の本が読めると思い前に見つけた父の書斎らしき部屋に向かった。
しかし、父の書斎らしき部屋には魔法についての本はなかった。
正確には、魔法の使い方が書いてある本なんてなかったのである。
けど、よく考えたら父の書斎らしき部屋には簡単な魔法の使い方なんて本はあるはずがなかった。
どうしようか迷ったが、またもやシーナさんに頼ることにした。
「シーナさん、まほうについてのほんがよみたいです。」
「読み書きの次は、魔法の本ですか。ロウ様は、頑張り屋さんなのですね。」
「はい。がんばって、おとうさんとおかあさんをびっくりさしたいのです。」
「わかりました。少々お待ちくださいね。」
そして、魔法の使い方がわかる本に出会えた。
『魔法には大まかな属性が五つの属性があり、それぞれ火属性、水属性、風属性、雷属性、無属性に分けられる。無属性には、代表的に治癒魔法などがあるのだか、まだ全ての無属性にあたる魔法は解明されていない。
魔法を発動するには魔力を使ってイメージをすると発動する。例えば、火属性は火についてのイメージ、水属性は水のイメージなど。
しかし、生まれつきイメージしやすい魔法は決まっている。親が火の魔法を使えれば、子も火の魔法を使え、水の魔法を使えれば、また同じように子も水の魔法を使える。つまり、遺伝するということである。また、無属性も同じである。
魔法を使うのに最も大事なことは、それは魔力をコントロールをすることである。いくらイメージできでも魔力をコントロールができなければ、魔法は発動しないのである。また、魔力のコントロールが出来ていてもイメージがしっかりと持っていなければ発動しない。』
と持って来てもらった本には書かれていた。
つまり読んだことをまとめると、魔法を使うには魔力とイメージと魔力のコントロールが大事らしい。
魔法の大雑把な知識を得たが、百聞は一見にしがずとも言うので使ってみることにした。
まず、体の中にある魔力を感じ取って、体の魔力のコントロールをして掌の上に火のイメージをしてみた。
すると、数十個の火の玉が出たのであった。………………、そんなことは、起こらずピンポン玉ぐらいの大きさの火の玉が掌の上に出現したが二、三秒ぐらいで拡散した。
あれ……、結構派手な火の玉、それこそ数十個の火の玉ををイメージしたのけど現れなかった。
イメージが足りなかったのか、魔力が足りなかったのか、魔力のコントロールがダメなのか、どれかは分からなかったが、何回やっても結果は同じであった。
火属性がダメなのかと思い水属性、風属性、雷属性と試してみたがどれも同じような結果だった。
いろいろ試しにたくさん魔法を使っているので魔力には、原因がないと思った。また、しっかりと魔力のコントロールは自分ではできていると思っている。(魔法が使えてないからわからないが)、そこで、イメージを変えてみたが、結果は変わらなかった。
つまり、イメージに原因があると判明した。
しかし、自分ではイメージできていると思っているのだが、発動できない。
けれど考えると、当たり前のことである。なぜなら前世では、魔法と言われる概念がないからである。
それもそのはず、前世では頭の中でのイメージは頭の中だけ、ようするに空想である。
しかし、異世界つまり現世では魔法を発動させることが当たり前、つまり空想の中の出来事が当たり前ということである。
しかし、どうしても魔法が使いたいのでここで諦めずに半年間魔法の練習に取り組んだ。
半年経ったが、火属性と水属性は全くと言っていいほど変化はなかった。
変化があったのは風属性と雷属性。と言っても、風属性は人差し指の周りに風を纏わせて皮膚を切る魔法ができるようになった。(前世の漫画の知識のバイブレーションソードをイメージしてみるとあっさりとできた。)本当は、腕全体を風纏わせたかったが、できたのは人差し指だけだった。
雷属性は人差し指と親指の間に電気を走らせる魔法ができるようになった。(前世のスタンガンをイメージしてみると、またもやあっさりできた。)こっちの魔法は、両手に電気を纏わせれるようになった。
最初にころに比べたらずいぶんな進歩だと思う。
また、治癒魔法が使えることがわかった。
たまたま魔法の本を読んでいたところ、読んでいた本の紙で指きってしまったのである。
そういえば、父が生まてすぐの自分に[ヒール]とか言って治癒魔法をかけていた。なら、自分も治癒魔法が使えるかもしれないと思って、傷が治るイメージをしながら[ヒール]と言って、魔法を使ってみたが変化はなかった。
あれ、もしかしたら使えないのではないか。けど諦めたらそこで試合終了なので、イメージをもっと具体的にしてみた。
すると、綺麗に傷跡がなくなっていたのである。
これには、すごく驚いた。全く傷跡が残っていなかったのである。
自分が思ったイメージは、指の皮膚が切れたところに【止血】、【細胞の培養】、【接合】という三つのである。つまり、プチ整形ならぬプチ手術をしたのである。(前世では、細胞の培養なんてことできないけど、異世界だから出来るかなぁ〜て思ってやったら出来ちゃった。)やはり、魔法を使うには、自分自信がしっかりとイメージできなければ発動しないことが改めてわかった。
しかし、父はどんなイメージで、治癒魔法を使っていたのか気になったので今度聞いてみようと思った。
つまり半年間で、風属性と雷属性が使えるようになり(と言ってもほんの少しだか)、また治癒魔法を使えるようになった。
それから今に至るまで、つまり五歳になるまでできるだけ魔法の練習に取り組んだ。
五年も経つのも早いと思いながら、すっかり忘れていた父の書斎らしき部屋を思い出した。(魔法に集中しすぎてした本当に忘れかていた。)
そういえば、あの部屋にはたくさんの本があったなと思って部屋を出て父の書斎らしき部屋に向かった。
今更だか、自分の家は貴族らしい。
最近、父の書斎らしき部屋以外にも本がある部屋はないのかなと思い、家を探検した。しかし、あまりにも広すぎたため途中でやめて自分の部屋に帰ってしまった。なんでこんなに広いんだろうと思い(だいたい予想はついていたが)、シーナさんに聞いてみた。
「シーナさんになんで、ぼくのいえはこんなにひろいんですか。」
「それはですね、ロウ様のお父様とお母様が貴族だからです。しかし、お父様とお母様は貴族だからといって威張らない立派な人なんです。」
「そうなんですか。」
「そうです。だから、ロウ様もお父様とお母様のように立派な人になってくださいね。」
「はい。がんばります。」
ということがあったがあってわかったのである。
察しがいい人ならメイドがいるとわかった時に気付いていたかもしれない。
それにしても、転生してから良いことだらけだ。前世で夢見たイケメンになることやお金持ちに生まれることが、全て叶わなかった夢なのに叶ってしまっている。しかも、魔法までも使えてしまうのである。(使える魔法は少しだか)異世界は、幸運で溢れていると思いながら、
父の書斎につながっている廊下を歩いていると
突然、心臓が早くなった気がした。
気のせいかなと思っていると急に意識がとんでしまっていた。
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