弐柱*本性
そのまま時はすぎ、昼休みとなった。
僕の席にすごい勢いで賢治が飛びつく。
「なぁ、おい!!お前の隣に来た転校生マジ美人じゃん!!
もう話した!?」
「え、うん。」
「えええええええええ!!!!!???
お前から!?」
「いや…向こうからだけど。」
「いいなー。いいなー。」
「何がだよ。」
「だってさぁ、桜宮さんって和風美人って感じじゃね?
和服とか超似合いそう!!」
「お前……、俺と同じ事考えてんじゃん。」
「え!?まじで!?ま、そりゃそうだよな。
誰もが思ってんじゃねーの?知らねーけど。」
「はは。声大きいって!!」
馬鹿ケン〜〜〜〜〜〜↓↓!!
隣に桜宮さん居るのに!!
「聞こえているぞ。」
「へ?」
急に隣から声が聞こえた。
「もうちょっと周りに気を配って喋った方がいい。」
「さ…桜宮さん!!?」
「なぜ疑問系なのだ。」
「いや…、なぜってか…、その…、
しゃ、しゃべり方が印象的ですね。」
「そうでもないだろう。
貴様もさっきタメ口でいいと自分で言ったのになぜ敬語なのだ。」
「き、貴様!?」
び…びっくりした。かなり驚いた。
賢治なんか、隣でまたでっかく口を…開けすぎだろ……。
「不思議な奴だな。」
…そう言って桜宮さんは読書を始めた。
「な、なぁ。桜宮さんって不思議キャラ?」
「いや、最初に話したときは…普通の敬語だった…。」
……なんか、桜宮さんの意外な一面を…見てしまった予感…。