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僕の運が加速的に無くなっていってしまっています  作者: 現実↓逃避
こうして僕はバイトを始めました
4/6

関わらない理由

「本音は僕の保身のためです。僕には自分自身を不幸にして周りの人間を幸福にする体質なんです。親も含めた周りの人間はそれだけを目当てに近づいて来ました。表面上は取り繕いながら、味方面しながら、内面に醜くてグチャグチャな感情を内包して近づいてきたんです」

 響子さんは、話を聞いているうちに何かを思案し始めた、僕の利用方法でも考えているのだろうか。でも話はまだ終わらない。


「そんな奴らと長い間関係を築いていけるわけないですよね。でも当時の僕はちゃんとした友達だと思っていました。当時の僕は相当愚かですよね。僕の体質を目当てに近づいてきているのは丸わかりなのに。愚かな僕はとうとう皆が近づいてきていた理由を知りました」

 響子さんはうつむいていて表情が伺えない。


『あいつと一緒にいると楽だよな。こっちは楽になってあいつが苦しむ姿も見れて、日ごろの鬱憤も晴れる。まさに一石二鳥だよな』

『一番傑作なのは、あいつが俺たちのこと友達だって信じて疑わないことだよな、あんな他人に幸運を分けるなんて体質じゃなきゃとっくに、化け物って言いながら石ぶつけてるって』

『お前、それ最低だって、俺はやるけどな』


 ああ、蘇るトラウマの数々

「僕は教室に入ろうとしたら、そんな会話が聞こえてきました。もちろん僕は彼らを問い詰めました。そしたら彼らはなんて答えてきたと思います?」

 響子さんは沈黙を貫き通している。何も答えてないのにプレッシャーが漂い始めた


『お前が化け物なのがいけないんだろ?なんでそんな運を操作できそうな化け物なんかと、友達ごっこをしなきゃいけないんだよ。』

『そうだそうだ、寧ろそんな化け物に手を差し出して、友達やってあげてる俺たちに感謝してほしいね』

『お前と仲良くしたら幸運になる。そんな役得がなけりゃ、誰もお前なんか見向きもしないし近づかせなんかしねえんだからよ』


「その程度なんですか」

 この話を聞いたうえで響子さんはそんなことを言ってきた。

「そうです、今ではもう会うことも無いから平気ですが、最初に言ったように保身のためですから」


「それじゃあ、三日月君、君にイイことを教えますね」

 なんか言い方がおかしい気がしたけどきっと気のせいだろう。そう思い込まなきゃやっていけないもんね。

「実は私を私の夫も化け物と罵られて石をぶつけられたこと、あるんですよ」

 笑いながらそんなことを言ってくる響子さんの態度に僕は何を言っているのか理解できなかった。


「それに、いまこの屋敷に住んでいる人たちは、皆化け物と言われるだけの要素を持っているんですよ」

僕の思考回路は止まった。思考が回復した僕は混乱している。今この人はなんていった?化け物と呼ばれる要素?

「麻桐家は一代でここまで大きくなったんですよ。そしてこの家をここまで大きくした私の夫は、経営に疎いんですよ」

 確かにそれならなにか能力があると考えるのが妥当なんだろうね。経営について勉強したという選択肢が頭に浮かばない。なんでだろう。


「私たちはあなたのように特殊な力を持っています」

 ほんとに何言ってるんだろう。僕の理解できる範疇を、大きく超えている。目の前にいる女性が僕は怖くなった。

「いったい何の話でしょうか。力?僕には荒唐無稽な話にしか聞こえません」

「では、私が振動を操れるといったらどうしますか?」


もうこの人が何したいかわからなさすぎて困ります。何がしたいのでしょうか?

「とにかく、あなたは幇歌と凛の家庭教師にする。これはもう決定事項なんですよ」

 そう響子さんは言うと、僕の額に、人差し指を押し当て、

「少しの間寝てくださいね」

 僕はその言葉を聞いたとたんに頭にとんでもない衝撃が走った。この時のことを思い出すたびに僕は思う。よく僕の頭くっついたままだったね。と。



 気が付くと僕は見慣れた天井が視界に入ってきた。僕は体を起こすと、そこはやはり見慣れた自分の部屋であった。なんでだ?僕はあの屋敷で気絶させられたはずなんだけどな。

 訝しげに思っていると風呂場のほうからガサゴソ音がする。え?何この音泥棒でも入ったの?取って美味しいものなんて何もないはずなんだけどな。

 僕は何も考えずに風呂場のドアを開けてしまった。

 僕がドアを開けると、中には凜ちゃんがパンツを中途半端なところに下げた大勢でこっちを見ていた。ばっちり凜ちゃんと目が合いました。


「お兄ちゃんも一緒にお風呂入るの?」

 凛ちゃんはそう言いながら下げかけていたパンツを完全に下げきってしまう。

 落ち着くんだ僕、僕は幼女趣味ではない。だから一緒にお風呂に入るぐらい全然セーフだ。むしろ背中を流してきれいにするだけなんだから、法律的にも問題はないはずなんだ。

「って、なんで凜ちゃんが僕の家にいるのさ」

「えっとね、お母さんが今日からお兄ちゃんが家庭教師になるから、お兄ちゃんの荷造りを手伝うついでにいろいろ教わってきなさいって」

 こんな状態じゃあ、お兄ちゃんには違う意味の言葉にしか聞こえないなぁ。


「ところでなんで風呂場にいるの?」

 凛ちゃんは胸を張ると、

「えっとね、お兄ちゃんが寝てたから、引っ越しのための荷造りを私がやったんだよ」

 なんか、褒めて褒めてというオーラが出てきている。それより胸を張っているということは、隠すものなんて何もないわけで…。落ち着くんだこのままだとロリコンと言われても仕方がないことになってしまうぅぅぅぅぅ!!


「荷造り終わったら、汗たくさん掻いてて気持ち悪かったの、だからシャワー浴びようとしたら、お兄ちゃんが来たの」

 僕はタイミングが悪かっただけなのだろう。このままだと、何かいけないものに目覚めてしまうという最悪の不幸を招いてしまうかもしれない。

 あれ?じゃあこの子は今幸福ということになるのかな?それじゃあしょうがない、何せ本人も一緒にシャワーを浴びることを楽しみにしているみたいだしね。これは不可抗力なんだ!


 それに、僕は子供は大人より裏表が少ないから大好きである。別にロリコンというわけではない。大人みたいに、打算とかで近づいてこないからであって、僕は子供をそういった目で見たことは一度たりともない!だから僕はロリコンじゃないんだ。

 そんな風に自分に言い訳しながら、自分の着ているTシャツに手をかけると、一気に脱げなかった。

 なぜなら、脱ごうとしたタイミングで、玄関の呼鈴が鳴ったせいである。夢のような時間はお預けされてしまったみたいだ。

やはり私にはシリアスなものは書けないのでしょうか。

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