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葵タンにパシリをさせると死にたくなるほどの後悔と絶望に襲われる呪い


 葵はその日、学校に行く前に自販機に寄って、イジメっ子リーダーである嶋野がよく吸うマルボロを購入していた。高校1年生の葵がなぜタバコを買えるのかは、葵だけの秘密だ。


 葵は元気よく登校した。もうぼっちじゃないのだ。学校が楽しくなってきた。カーストの最底辺にいることは変わらないけど、これまでのイジメを考えれば雲泥の差だ。


「おい、葵!」


 教室に入ると、すぐに葵をイジメる女子、板野さんがやってきた。だが、何だか板野の様子は昨日までと違う。葵は理解できなかったが、板野は葵を蹴れない、でも葵をイジメたい、でも葵はクラスというチームの一員だ。板野はどのように葵をイジメればいいのかわからなかった。そして板野はなぜ葵をイジメたいのか、理由がわからなくなっていた。そんな板野の心情を理解できるはずもない葵はとにかく土下座で挨拶した。


「板野さん、おはようございます!」


 板野は土下座する葵を見て名案を思いついた。


「うん、良い挨拶だ。葵、紅茶が飲みたいな」


 板野からのパシリだ。板野も時々葵をパシらせる。


「はい! アップルティーですね!」


 葵は急いで教室を飛び出した。パシリの時だけ葵の力は普段以上の力を発揮する。誰か開催してくれないかなぁ、全国パシリ選手権、僕きっと優勝できるのに、と思いながら葵は紅茶を買い教室に戻ってきた。


「うわ! なんだこりゃ!?」


 教室は壮絶な空気が満ちていた。板野が気が狂ったように泣いているのだ。


「うわああああああ! あたしはもうダメだあああ! 死ぬしかないの! 死ぬしかないんだよぉぉぉぉ!」


 板野はカッターを持ちながら手首を切ろうとしている。それを友達である女子が必死に止めていた。


「やめて! 板野ちゃんやめてよ!」

「ダメなのぉぉ! あたしは最低なんだ! あたしは許されない! あたしは死んで償うしかないのよおおお! 葵にパシリをさせるなんて! あたしは世界で一番の最低な女だぁぁぁぁ!」


 葵はそれを聞いて慌てて板野の元に駆け寄った。


「板野さん、死なないでください! アップルティーです!」


 板野は紅茶を見てさらに泣き出した。


「うわぁぁぁぁあぁぁぁ! あたしお金も出してないのに! 自腹で葵にパシリされるなんてええええ!! ごめんなさい! 死んで詫びさせてぇぇぇ!」


 女子の制止を振り切り、板野のカッターナイフを持った手が天高く振り上がる。それが手首に真っ直ぐに振り下ろされた。葵は思わず板野の手首の上に自分の左手を置いた。


 ザシュッ


「イタイ!」


 葵の腕にカッターが突き刺さり鮮血が飛び散った。さすがに教室は沈黙に包まれた。直接葵に攻撃するつもりではなかったからか、板野の衣服は分子分解されなかった。葵は左手から血を流し、激しい痛みに絶えながら、板野にアップルティーを差し出した。


「い、板野さん、そんなに気にしないでください。いつものことじゃないですか。死ぬなんて、言わないで……」


 板野は激しい絶望に襲われた。葵の手にハンカチを当てながらボロボロ泣き出した。


「ごめん、ごめんなさい、葵にパシらせて、傷つけて、ごめん、本当にごめんなさい」


 葵は爽やかに笑って言った。


「板野さん、いいんです。僕はパシリだから。気にしないでください」


 葵はそう言うとハンカチを手にしたまま洗面所に向かった。洗って止血しないといけない。板野さんと友人である佐藤もついてきた。


「葵タン、大丈夫ですか……?」

「うん、手の甲だし。利き腕じゃないし」

「葵、本当にごめんね。ごめんなんて言葉じゃ、あたしの気持ち表現できない。本当にごめんなさい」


 葵は本当に優しい良い子だった。板野が罪悪感を感じないように言った。


「板野さん、もう大丈夫です。これまで通り接してください」


 板野は泣きながら詫びた。


「こんな最低なあたしを許してくれるの?」

「もちろんですよ。僕は非力だけど丈夫なんです」


 葵は強がった。左手の血は止まらない。女子がガーゼと包帯を持ってきてくれたので、それを当てて止血した。


「葵、本当にごめんね」

「えへへ、気にしないでくださいよ」


 葵は止血を終えて教室に戻った。席に座ると前の席に座っている野球部の近藤が葵に尋ねた。


「おい、葵、手は大丈夫か」


 葵は驚いた。クラスメイトに心配されたのなんて初めてだ。しかもよく葵に暴力を振るう男子だ。葵は笑って答えた。


「うん。板野さんが傷つかなくて良かった」


 近藤は葵の健気なその言葉を聞いて、ぎゅっと胸が詰まった。散々金属バットで葵を叩いた男が葵を可哀相だと感じていた。


「おい、葵」


 イジメっ子のリーダー嶋野がやってきた。


「はい、嶋野さん、おはようございます」

「お前、災難だったな。だがなかなか男気のある奴だ。見直したぜ」


 葵は嶋野に褒められた。葵は喜んで頭を下げた。


「あ、ありがとうございます!」


 嶋野は手を差し出しながら言った。


「まぁ、それはそれとして俺のマルボロ」

「はい、買ってきました!」


 葵はマルボロを嶋野に渡した。その瞬間、嶋野の動きが止まった。そして激しい後悔と絶望が嶋野を襲った。


「う、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 嶋野はマルボロを地面に投げつけ、頭を抱えてガタガタ震えてうずくまった。葵は仰天してその光景を見ていた。


「お、俺はなんてことを! 葵にパシリをさせるなんて! 最低の行為じゃないか! 金も払ったことがない! 俺は最低だ!」


 嶋野もカッターナイフを取り出した。葵にそれを突き出しボロボロ泣きながら懇願した。


「葵! 頼む! それで俺を殺してくれ!」


 葵は涙目になりながら嶋野に言った。


「し、嶋野さん、いつものことじゃないですか、そんな気にしないでください。殺すなんてできません」


 嶋野は嗚咽を上げて泣き出した。


「お前はなんてイイヤツなんだぁぁぁぁぁぁぁ! 俺は最低だぁぁぁぁぁ!俺は自分が許せない!!」


 嶋野は窓を開けて飛び出そうとした。慌てて男子が嶋野を止めた。ここは4階だ。大怪我してしまう。葵も必死に止めた。


「嶋野さん! 僕は気にしてません! 死なないでください!」

「俺は最低のヤツなんだぁぁぁ! 死んで葵に詫びる!」

「嶋野、やめろ! 危ない!」


 クラスメイトたちは必死で嶋野を止めようとしている。葵の感情は限界に達した。葵は思わずとんでもなく大きな声で叫んだ。



「死ぬとか言ってんじゃねぇ!!!」



 葵の絶叫に近い叫び声に嶋野たちの動きが止まった。葵はぽろぽろ涙を流していた。雨に濡れた子犬が流すような涙だった。


「嶋野さん、僕は気にしてません。死ぬなんて、悲しいことやめてください。僕はクラスメイトが死んだらイヤです……」


 葵は落ちたマルボロを手渡しながら嶋野に近寄った。嶋野はぼろぼろ泣きながら葵を抱きしめた。


「葵! すまない! 許してくれ! 本当にごめん!」

「許しますよ! だから死なないでください!」


 嶋野は激しい絶望に襲われながらも必死に頷いた。葵は涙を拭きながら嶋野が無事だったことに安堵した。




 その日からクラスの空気が何か変わった。葵はよくわからなかったが、何かが明らかに変わったような気がした。嶋野と板野は激しい絶望に襲われていたが、クラスメイトの葵を見る目が明らかに変わっていた。

 



 お昼になった。嶋野はまだ席で落ち込んでいる。今日はもうパシリはないのかな、と思いながら弁当を広げていると、佐藤が葵の元へやってきた。


「葵タン、一緒にお昼を食べませぬか?」

「うん、佐藤くん、一緒に食べよう」


 葵が元気良く答えると、もう一人葵の元に女子がやってきた。


「葵……」

「い、板野さん……」


 また紅茶を買ってくるのかな? と葵が思っていると、板野は椅子を持ってきて葵の側に座った。


「あたしも、一緒にご飯食べていいでしょ」


 葵も佐藤も驚いて、板野を見つめた。板野は照れたように言った。


「別にあんたたちと食べたいワケじゃないし。ただ男2人で花がなくてキモくて見てられないから来ただけだし」


 葵は板野の顔を見ながら、何で板野さんは一緒にお昼食べようと思ったんだろう、初めてのことだ、なんでだろう? 不思議でしょうがなかった。板野は平然とパンをかじっている。佐藤が葵の弁当を見て言った。


「葵タンはいつもお弁当ですね」

「えへへ。そうなんだ。恥ずかしいから見ないでよ」


 板野がパンをかじりながら尋ねた。


「なんで弁当見られると恥ずかしいのよ」


 葵は照れ臭そうに言った。


「だってこれ、僕が作ったやつですから」


 佐藤も葵も驚いて弁当を見つめた。普通の弁当だ。普通のお母さんが作りそうな弁当だ。


「葵、あんた家で母親が弁当作らないの?」


 板野の質問に葵は平然と答えた。


「僕の両親、5年前に亡くなったんです」


 佐藤も板野も言葉を失った。


「だから叔母さんの家で生活してたんですけど、高校に上がると同時に家を出たんです。保険金があるので、何とか暮らしていけてます」


 佐藤が同情したように言った。


「葵タンは一人暮らしですか。それでは色々と大変でしょう」

「もう慣れたよ。料理は叔母さんの家でも作らされてたし」


 葵はにこにこ笑いながら言った。板野はそんな葵を見ながら言った。


「あたし、明日弁当にしようと思うんだよね」


 葵はおにぎりを頬張りながら言った。


「いいと思いますよ。お弁当だと安上がりです」


 板野は何気なく言った。


「一人分だけ作るの面倒くさいんだよね。2人分になっちまうから、葵、あんたあたしの弁当食べな」


 葵は驚いて言った。


「板野さん、悪いですよ。僕なんかのために気を使わないでください」


 板野はパンをむしゃむしゃ噛みながら吐き捨てるように言った。


「別にあんたのためじゃないし。残飯になるから処理しろって言ってんの。素直にはい、って言っときゃいいんだよ」


 葵はおずおずと頷いた。板野が弁当を食べてる様子は見たことがないが、あまり何か言うと怒られそうだ。


「は、はい。ありがとうございます」

「ふん、別にあんたのためじゃないんだから」


 板野は複雑な心境でパンを頬張り呟いた。




 放課後になった。相変わらずクラスのみんなは葵の掃除しているところを見ると感動して手伝ってくれる。教室も廊下もすぐ終った。葵がトイレに行くと、クラスメイトたちが掃除を始めていた。


「あれ? 掃除は僕の仕事じゃないんですか?」


 クラスメイトの男子は平然と答えた。


「俺たちの班、トイレ掃除担当だからやってるだけだよ」


 葵は困惑した。まだ自分は掃除をしてない。感動していないはずだ。なのに掃除をしてくれている。


「班の担当の掃除場所を掃除するのは普通だろ? 邪魔だからどっか行けよ」

「う、うん……」


 葵は急いでもう一箇所の男子トイレに向かった。そこも既に本来の班が掃除を始めていて、既に終ろうとしていた。


「なんだよ葵、もう終ったよ」

「う、うん、掃除を手伝いにきたんだ……」


 男子は鼻で笑って言った。


「おせぇんだよ。もう終った。じゃあな」


 男子たちはトイレを清掃して去って行った。何かが変わってきている。葵は急いで体育館に向かった。




 部活もその日は男子女子混合で練習が行われた。やはり人数が多いと質の良い練習ができる。葵は自慢のカットをひょろろろと決めていた。


「葵タンはどこにスマッシュしても、全部カットしますなぁ。また返ってくるボールが揺れながら落ちるんですよねぇ。何ですかねぇ。魔球ですかねぇ」

「いやぁ、佐藤くんのスマッシュは切れ味あるよね。僕カットするだけで精一杯だよ。どうしたらあんなスマッシュ打てるのさ」


 葵と佐藤が練習を終えて大好きな卓球談義に花を咲かせていると、紺野部長が珍しく部員に奢ってやろうと思ったのだろう。余計な気を利かせた。


「よーし、たまには私が奢ってやるか!」


 部員たちは歓声を上げた。葵は嫌な予感がしてきた。


「みんなドリンクな! よし葵!」


 うわああああ! 大変だ! 今日パシられた板野さんと嶋野さんは自殺騒ぎを起こしてる、たぶん呪いのせいだ、ここでパシったら大変なことになる気がする!  葵の判断は正しかった。そしてダクダクと冷や汗を流していた。だが紺野部長は非情にも言い放った。


「これで全員分のジュース買ってこい!」


 パシられたぁ! どうしよう、紺野部長が死んでしまう、葵が良い知恵はないかと考えていると、佐藤がひょっこり顔を出した。


「葵タン、ボクも手伝いますぞ」

「佐藤くん! ありがとう!」


 葵は佐藤と一緒に行こうとしたが、途中で根本的なことに気がついた。佐藤くんが一緒だけど、これ、僕がパシリにされてることは基本的に変わらないんじゃないか、そしたら紺野部長が死ぬとか言い出すじゃないか。死なれるのはイヤだ。葵は勇気を出して紺野の前に進んで行った。


「あん? 葵、何だよ早く行けよ」


 葵は必死に名案を探した。紺野部長の心を揺り動かす名案を探した。


「紺野部長……僕と一緒に来てくれませんか……?」

「はぁ?」


 紺野の機嫌が悪くなった。葵は涙目で紺野を見つめた。


「僕、部長と一緒に行きたいです! 部長と離れたくありません!」

「は、はぁ?」


 紺野は困惑して葵を見つめた。葵は今にも力尽きそうな可哀相な子犬のような表情を浮かべて紺野に懇願した。


「僕は、部長と一緒に行きたいんです……。一人じゃ寂しいです。部長の側を片時も離れたくないです……」


 紺野の顔が赤く染まった。紺野は動揺を隠すように、佐藤を指差した。


「一人が嫌なら佐藤と行けばいいだろ!」


 葵は首をふるふると振った。


「僕は部長がいいです。部長と一緒にいさせてください」


 紺野は舌打ちしながら言った。顔は真っ赤だった。


「しょ、しょうがねぇな……。お前がそこまで言うなら付き合ってやるよ……」


 葵はほっと息を吐いた。紺野が一緒ならパシリにはならないはずだ。


「佐藤くん、ありがとう。紺野部長と行ってくるよ」


 佐藤は優しいブサイクだ。笑って葵に言った。


「いやいや、ボクも手伝いますぞ。葵タンはボクの友……」


 紺野のトラースキックが佐藤の顎を捕らえた。


「ぎゃふん!」

「てめぇは球でも磨いとけ! 葵、行くよ」

「は、はい!」


 葵は倒れる佐藤を気にしながらも、紺野と一緒に飲み物を自販機に買いに行った。葵の読み通り、紺野は死ぬとか言い出さなかった。葵は心底ほっとした。そして複雑な気分の紺野の心情は理解できなかった。





 部活が終えると、葵は飛鳥との待ち合わせ場所である駅のホームに向かった。


「飛鳥さーーん!」

「葵タン!」


 葵は一生懸命走って飛鳥の元にやってきた。飛鳥はいつものようにぎゅっと葵を抱きしめた。


「葵タン! 今日も可愛いなぁ。今日はパシリにされなかった?」


 葵はちょっと悲しそうに言った。


「はい、パシリにしようとした人たちが皆、自殺騒ぎを起こしました」


 飛鳥は心底嬉しそうに笑った。


「うふふっ、それでいいのよ。葵タンにパシリをさせると死にたくなるほどの後悔と絶望に襲われる呪いをかけたから。いいザマだわ」


 葵はそれを聞いて、板野や嶋野の行動理由が理解できた。葵はちょっと悪いことをしたな、と表情を曇らせた。飛鳥は不思議そうに葵の顔を覗きこんだ。


「どうしたの? 葵タンをパシらせる奴を苦しめてやったのよ?」

「はい、でも死ぬのは、可哀相です……」


 葵は呟いた。飛鳥は心底感動して葵を抱きしめた。


「葵タンは優しいのねぇ。本当に良い子、あら? 手、どうしたの?」


 飛鳥は葵の左手に巻かれた包帯を目にした。


「イジメっ子の女子がカッターナイフを手首を刺そうとして、それをかばったんです」


 飛鳥はその言葉に我を失った。葵を救うための呪いが葵を傷つけた。飛鳥は葵の優しさを感じ、自分の軽率さを後悔した。


「葵タン、ごめんね。私の呪いのせいで」


 葵はふるふると首を振って、爽やかに笑った。


「飛鳥さんは僕を助けようとしてくれたんですから。気にしないでください」


 飛鳥は葵の手を優しくさすった。


「でもこれじゃ、勉強とか掃除とか大変でしょ」

「大丈夫ですよ。利き腕は右です。料理が大変でしょうけど、明日はお弁当をつくってもらえますし」


 飛鳥の表情が一変した。葵も「あ、しまった」と失言に気づいた。


「お弁当? うふふ、葵タン、それどういうことかしら。男の子がお弁当作ってくれるの?」


 葵は涙目になりながら正直に話した。


「い、板野さんていう女子が、弁当つくって残飯が出るから処理しろって」


 飛鳥はギロリと葵を睨んだ。


「板野さんって誰!」


 葵は慌てふためきながら弁解した。


「僕を激しくイジメる女子です! 毎日土下座で挨拶させられるんです!」


 飛鳥は顔を険しくさせた。


「土下座で挨拶? そんなこと葵タンにさせるの?」


 葵は必死に頷いた。飛鳥の表情が怒りに変わった。


「許せない……」


 飛鳥は葵のおでこに自分のおでこをくっつけた。うわぁ、また呪いだ。しかも今度はピンポイントで板野さんを狙い打ちだ、葵は恐怖に震えた。


「葵タン、目を閉じて」

「は、はい……」


 ああ、板野さんごめんなさい。何か呪いがかかります。許してください。飛鳥のお経のような声がだんだんと大きくなってくる。


「………ぽんばーすてるてくょでつきこぬんださつつごうこれちゅくおおでてつこのなかやまぐちかがみ」


 飛鳥は大きい声で叫んだ。



「ふんだらぼっち!」



 飛鳥は葵のおでこにキスをして。葵から離れた。あ、今日はチュウがない。お弁当をつくってもらう、って話をしたからだろうか。葵はどこか物足りない表情で飛鳥を見上げていた。


「うふふ、葵タン、本当に可愛い」


 飛鳥は葵の顎の人差し指で持ち上げると、軽くキスをした。男がウブな女の子にするようなキスだ。葵は耳まで真っ赤になった。


「もう本当に葵タンは可愛いんだからぁ!」


 飛鳥はぎゅっと葵を抱きしめた。キスされちゃった。でも、呪いはなんだろう……。葵は嬉しさと不安がごちゃまぜになったような感覚を味わった。



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